八 R15②
「先だっての戦では世話となった。
実は、例の同士討ちとなった現場での生き残りの兵士がいてな。
生存が危ぶまれる状態だったのだが、なんとか命をとりとめた。
彼の証言により、そなたが反逆者の中心の連中に抵抗してくれていたことを聞いた。
生き残りの兵士は、涙ながら語った。
仲間を殺したんだなと怒りながら、たった一人で彼らに立ち向かってくれていた者がいたと。
無念な思いを代弁してくれたことに礼を言いたいとのことであった。」
ギズモンドは言葉をきって目を閉じた。
実は彼もその生き残り兵士の話を耳にした時、貰い泣きをしてしまっていたのである。
その時のことを思い起こし、胸に迫る思いが込み上げてきたのだった。
「…そのため、当時将軍だったこの俺が、じかに礼を述べたいと思いここまで来たのだ。
その折は苦労をかけた」ギズモンドは礼を述べた。
「さらに言うと、そなたがその場を撹乱したから、連中の指揮系統が乱れた。
あとから来たこちらの部隊が、彼らを簡単に捕縛できたのは、そのためだろう。
その功績に対し、報奨を与えようということになったのだ。
…この地は、実際は帝国の領土外なのだが、報奨として、そなたにこの地を授ける。
同時に辺境伯として帝国貴族とする。なに、陛下の許可は得ている。
そんなことなので、以後よろしく頼む。」




