三
「わぁ!」サタヴァは飛び起きた。
「なんだなんだ」
「どうしました、なにかありましたか」
クガヤとヤトルは眠い目をこすりながら起きた。
深夜である。二人とも寝入りばなだったのに、サタヴァの声で起こしてしまったらしい。
「いや、その…悪夢を見てしまっていて」
「どんな夢なんですか?悪夢なら、人に話した方がいいらしいですよ」目をこすりながらヤトルが言う。
「お前よく夢を見るなあ、しかも悪夢ばかり。
俺なんか夢などさっぱり覚えてないや。
まあ、話したら気が晴れるんなら聞く。眠いから、聞きながら寝たらすまんけど」クガヤも言う。
「その、夢の中で手紙を書いていたんだ。
そうしたら、やぎが沢山あらわれて、手紙を食べてしまったんだ。
それどころか、俺の服まで食べてしまった。
服はこれ一つしかないのに、着るものが無くなるんだ。
…非常に怖かった」
サタヴァが口を閉じると、他の二人はため息をついた。
「それはなんかその…思ったより可愛らしい夢でしたね。」
「なんじゃそりゃ。つか、このあたりにヤギなどいないぞ?
そんなのただの夢だろ。
そもそも、ヤギはお前の服なんか食べないって。
確かに素材は草だけど、散々薬草の汁で煮だしたんだろ?
そんなんじゃ食欲もわかねえだろうさ。
ただの夢だから、もう気にすんな」
「そうだな…じゃ、寝るとするか。」
夜が明けたら、薬草採集の仕事を行うこととなっている。
歩き回るから睡眠時間は確保しないといけない。
…早く寝つこう。




