王宮でのお茶会
王宮でお茶会が開かれる。事前に招待をされていた学園の生徒達五十人ほどはいるだろう。
第二王子であるナセル殿下の入学祝いのお茶会を王妃様が主催で行われた。
「皆さん本日は楽しんで行ってくださいね。学園でお友達ができるって素晴らしいですものね。将来の為にも役立ちますし、学園生活を楽しむにあたっても大事ですもの。この機会に普段お話をしたことがない人とお話をしてみると何か発見があるかもしれませんわね」
ぱちぱちぱち……と王妃様の挨拶に拍手をする。ちょっと先生っぽい感じもしたけれど、お話をしたことがない人と交流する機会を与えてくださったのね。
次はナセル様のお話だ。
「本日はお茶会に集まってくれてありがとう。交流を深めるいい機会だと思います。先程王妃が申されたとおり、何か発見があるといいと私も思います。それぞれ楽しんでほしい」
ぱちぱちぱち……とナセル殿下の挨拶に拍手をする。うん。こうやって挨拶をする姿を見ると王子様なんだなぁ。って思った。
初めは仲のいい人たちが集まってお話をして、そこにナセル様が声をかけると言うスタイルらしい。
しばらくして陛下が様子を見に来られて、みんな緊張していた。
「シャノン、ちょっといい?」
「ナセル様?」
「いってらっしゃい。わたくしはこちらで待っていますからね」
ルイズ様とお茶を楽しんでいたところにナセル様に声をかけられた。そして手を繋がれた。
「父上!」
「おぉ、ナセル。どうじゃ茶会は、お? シャノンではないか」
「陛下、お久しぶりでございます。シャノン・ド・コレットです」
淑女の礼をした。
「シャノン、顔を上げよ。話は聞いておった、久しぶりじゃの」
「勿体ないお言葉ですわ」
「王妃主催の茶会だ、堅苦しいのはなしじゃ」
「そうそう。ちょっと久しぶりなだけで、これからよく会うことになるんだから慣れてもらわないとね」
「なんの話ですか?」
「父上、私はシャノンに求婚しているんですよ。もしOKだったら王族から抜けてコレット侯爵家に婿入りしても良いですか?」
「ちょ、ちょっとナセル様! なんでこんなところで言うのですかっ!」
皆見てますよ……! 爆弾発言ですよ。
「確かにこんなところで聞く話ではないな。しかしコレット侯爵から話は聞いている。この茶会でナセルの婚約者が見つかればいいと思っておったが皆が聞いておるぞ……コレット侯爵からはシャノンの気持ちに任せると聞いておる。そのことは二人で話し合え。わしはどうあっても反対せん」
「父上、ありがとうございます。さ、シャノン行こう! 父上からの了解も得たよ」
「え! お茶会は?」
「父上が二人で話し合えって言ったから、そうしよう。ルイズにはあとで謝っておくし、どうせもうすぐ兄上が迎えに来るよ」
また手を繋がれてナセル様の執務室に連れて行かれる際に、王太子殿下とすれ違った。
「兄上! ルイズにごめんと伝えて下さい。早く迎えに行ってやってください」
「あぁ。よくわからんがそうするよ」
「ちょっと、ナセル様!」
執務室に入るとソファに腰掛けるようにと言われ、腰掛けると隣にナセル様が座ってきた。
「ん、何?」
じっと見つめられた。優しそうなエメラルドのような瞳が光ったような気がした……。
******
~マックス王太子とルイズの会話~
「ルイズ、楽しんでいるか?」
「あら、マックス仕事はもう良いの?」
「なんとか今日の分は終わらせてきた。ナセルがシャノンを連れていったようだがこの茶会はあいつの入学祝いの茶会だろう? ルイズに謝っといてくれと言われたんだが」
「もうお二人は戻って来ないつもりね。ナセル様は陛下にシャノン様に求婚しています。って宣言しちゃったの。シャノン様を狙っていた子息達ががっかりしているし、ナセル様狙いの令嬢もターゲットを変えて……このお茶会は新入生の親睦会に変わったのよ」
「困ったやつだな……」
「マックス良かったわね。侯爵家にナセル様が婿に入ったらシャノン様は義妹になるものね」
「あぁ、そうだな。ルイズも王妃になる時にシャノンが義妹だと心強いだろうしな」
「えぇ。身近に味方がいてくれると思うと心強いですわ」
「シャノンに無理なことはしないと思うけど、強引過ぎはしないか?」
「ナセル様はシャノン様への気持ちが抑えられないんでしょう。シャノン様のことが昔からお好きですもの」
「ナセルが無理なことをしたら、ただじゃおかない。ルイズも学園で見張ってくれ」
「今のところは、じゃれあっているだけですわよ」
「……そうか、それならいい」
「やっと手が届きそうではしゃいでいるのだから、応援して差し上げないと」
「そうだな」
普段は厳しい顔をしている王太子も弟の話をすると優しい兄の顔を見せるのだった。




