↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
好きだと伝えたら、一旦保留って言われて、考えた。  作者: さこの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/39

タイトル未定2026/08/31 08:27

「あのね、シャルが産まれたときにお母様から聞いたの。私が産まれた時にお父様が子供は私だけでいいって言ったんでしょ?」

「シャノンは兄弟が欲しかったよな? 私の我儘なんだ。シャノンを手放したくなくて悪かった」

お父様がしゅんと肩を落として、お母様がお父様の手をぎゅっと繋いだ。

相変わらず仲がいいなと思ったら嬉しくなった。

「ううん。そうではなくてね、いま私お腹が大きいでしょう? この子が男の子ならシャルをお嫁さんに出さなくてはいけないし、この子が女の子でもお嫁さんに出さなきゃいけないし、男の子ならお嫁さんをもらうでしょう? 考えたら辛くなってきて。お父様はどうだったのかなと思ったの」

お父様もお母様も驚いた顔をしていた。けれど二人で顔を合わせて笑い出した。


「シャノンがそんなことを考えるようになったとは驚いたよ」

「そうね。まだ私たちの中では可愛いシャノンちゃんがいるのに、すっかりお母様になったのね。嬉しいわ」

「だって、シャルは可愛くてどれだけでも寝顔を見ていられるもの! お腹は大きくてたまに辛くなるときもあるけれど、一日一日お腹の中で育っているって思うとそれだけで嬉しくて」

「パパもそうだったよ。シャノンの寝顔を毎日見ていたよ。シャノンが日に日に大きくなり成長するとともにパパも成長していったんだ。この子には幸せになってほしいって心から思った。パパは出来ることが限られているからね。どれだけシャノンを愛していても結婚は出来ない。シャノンには世界で一番幸せになってほしいって思った。シャノンが一緒になりたいと思った相手だったら認めるしかないだろう? そこにシャノンの幸せがあるんだから」


「……おとうさま」

「ママも同じ意見よ。シャノンちゃん今幸せ?」

「はい」

「そう? それならシャノンちゃんもナセル様もいつか分かる日が来るわよ。寂しいけれど大事なのよ」


「シャノン、シャルとこのお腹の子と一緒に私たちも親として成長する機会が与えられたんだ……こんな愛情深く育ててくれたシャノンを私に任せてくれたお義父さんやお義母さんに感謝だね。また大事なことを教わった」

「はい」

「シャノンが羨ましいよ。うちは忙しくてこんなに分かりやすい愛情を注がれた記憶がない」


するとお母様がすかさず答えました。とても優しい口調でした。

「まぁ! 王妃様が聞いたら悲しみますわよ? 王太子殿下が王位を継ぐと決まってから、ナセル様を気にかけてようやくシャノンとの婚約が決まった際には王妃様が頭を下げてわたくしたちにナセル様のことを頼まれたんですのよ。王妃様と言うよりも一人の母親のお顔をされていました」

「母上が……」

少し驚いたようにも見えました。ナセル様は初めて聞いたことだったのでしょう。

「えぇ。愛情を注がれていないなんて聞いたら王妃様はショックを受けますわよ。陛下もとても喜んでくださったではありませんか? それに私どももナセル様には感謝しかありませんもの、ねぇあなた」

「まぁ、そうだね。シャノンを執念深く好きでいてくれたからね。シャノンをとられると思ったけれど、シャノンの幸せがナセル殿と言うことだ。これからもシャノンと孫を頼みます」

「はい。ありがとうございます」


その後産まれて来たのはナセル様によく似た男の子だった。輝くと言う意味を持つベルトランと名付けられた。

「ままー」

「あらなぁに? ベル」

「だっこ」

「ベルは甘えん坊さんね」


よいしょとベルを抱っこして散歩する為に庭に出た。しばらくすると、ナセル様に手を引かれてシャルロッテが歩いて来た。

「ベルばっかりズルーい」

シャルが頬を膨らませて私の足に抱きついて来た。

「本当だよ! 夫を放っておいてベルやシャルばっかり構ってさ」

ナセル様に肩を抱かれた。

「幸せですね」

そう言って子供たちを見ながら自然に笑みが溢れると

「幸せにすると誓った筈だけど、まだ足りない?」

ナセル様は私の頬にキスを落とした。

「欲張りになったみたい。このままこの幸せがずっと続けば良いのにって」


シャルとベルの成長と共に幸せ過ぎて怖くなる時がある。

「また変なことを考えているんだろうけれど、私は全力で家族を守るよ。まだ家族が増えても良いのなら、今夜から頑張らないと」

そう言って口付けをされた。

「ナセル様! 子供の前で」

「パパとママ仲良しだねー。シャルも大人になったらチューする」

「しなくていいよ!」

「あっ! じーじとばーば!」


シャルがお父様とお母様の元へ駆けて行った。二人はシャルが駆け寄る姿を見て嬉しそうにしているけど、転ばないかしら……少しはらはらしながら見ていたら

「子供の成長とは早いものだね」

ナセル様が駆けていくシャルを見て言ったので頷いた。シャルはお父様に飛びついていた。

「やっぱり私の目標はお父様とお母様だわ!」

お父様とお母様は私たちの子供をとても可愛がってくれて穏やかに笑っている。私も将来そうなりたいと思った。

「そうだね。私も二人を尊敬しているよ。目標が決まれば早速今夜」

「……そうね」

「え! いいの! ベル! 弟か妹が出来るかもしれないぞ、よかったなぁ」

そう言ってナセル様はひょいっとベルを肩車してシャルの元へ向かった。

お父様とお母様、ナセル様にシャルロッテとベルトラン。

両親が望んでくれた幸せがここにある。晴天の下で家族の笑っている顔を見ていた。


「シャノン何しているの? みんなでお茶をしましょう。早くいらっしゃい」

お母様に呼ばれ

「はーい。今行きます!」


今日もいい日になりそうだわ。


 

*☼*―――――*☼*―――――




本編は【完】となります。

後ほど番外編として数話投稿していきたいと思います。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。