告白されてしまった
~ミカエル視点~
「好きなの」
「知ってる」
入学式の前日シャノンから言われたが、そりゃ分かるだろう。
シャノンとは幼馴染でほぼ毎日会っている。
僕から見てもシャノンは可愛い。
勉強家で、素直で、家柄も良い。
そんなシャノンにも好きだと言われて嬉しくないはずがない。
でも世間は広いと聞くし、まだ学園にも通っていない。学園でどんな出会いが訪れるかも分からない。
だからシャノンに僕たちの家のことを話した。すると素直なシャノンは
「分かった」と言った。
これから学園に通うことになり、シャノンとは今まで通りの付き合いはなくなるだろうがお互いの為だ。
シャノンが学園で僕以外の男の目に留まることもあるかも知れないし、僕にも運命の出会いがあるかもしれない。
十五歳になるまでは、家同士の付き合いがない限り子息、令嬢と知り合うことはまずない。
シャノンの家の侯爵家はうちに比べると格上の家だけど、親同士の付き合いがあることから幼馴染だ。
だからかな……シャノンをそういう目で見たことがない。
あれだ! 家族みたいな存在だな。
家族愛はあるんだけどなあ。
******
「ミカエル、おかえりなさい」
「母上、ただいま戻りました」
「シャノンちゃんと学園の準備をしていたのよね?」
「ええ、そうです。明日から学園ですから」
「もうそんな歳になったのねぇ……ママ嬉しくって仕方がないわ。今度、侯爵家の皆さんを招いて晩餐でもどうかしら?」
「いいんじゃないですか?」
はぁ。またか。ことあるごとに食事やお茶会をするんだよな……。親同士が仲良いと大変だ。
「そうだ。明日シャノンちゃんをお迎えに行ったらどう? どうせ学園に行くときは侯爵家を通るのだもの。学園初日は緊張するでしょ!」
「分かりましたよ。それでは明日シャノンを迎えに行きます」
いつもどこかへ行くときは迎えに行ってるんだ。シャノンもそのつもりかもしれない。
あんなことを言ったけど、シャンノンとは家同士の付き合いもあるし、結局はこうなるんだよな。切っても切れない仲ってやつか?
翌朝、シャノンを迎えにコレット侯爵家へ行くと、すでにシャンノンは学園に行ったあとだった。
先に行くなら連絡くらい寄越せばいいのに……無駄足だった。
今日は入学式があり、振り分けられたクラスで学園の話を教師に聞くだけだ。
馬車を降り、案内板を見て係に名前を言うと確認され、どこのクラスへ行くか案内された。
同じクラスの生徒の中にシャノンの名前はなかった。
どうやらクラスは違うようだ。少しだけ安堵した自分がいた。
入学式が始まり学園長の話、生徒会長の話、新入生代表は第二王子だった。
第二王子とは同じ歳だ。今度王子の入学祝いにお茶会が開かれるので招待されていたな。
久しぶりにみる第二王子は男の僕からしても、さわやかなイケメンだ。
まだ婚約者はいないと聞くし、婚約者がいない令嬢たちは放っておかないだろうな。
しかもトップで入学とは……。顔よし、頭良し。絵に描いたような王子様ではないか!
ってか、本当にトップなのか? まさか王族だから忖度とか?
なんてことを考えていたら入学式も終わり、クラスへと行くことに。
まるで迷路のような校舎だな。めちゃくちゃ広いじゃないか。
入学生には迷子にならないようにと、校舎の地図も渡された。
迷路のような校舎もコツを覚えれば間違えることはないようだ。
こういった建物は不審者や、暴徒が占拠出来ないようにと複雑な作りになっているし、ところどころが似たような作りだ。
王族も通う学園だし、それも踏まえての設計だと聞いた。
地図を見ながら考え事をしていたら廊下の角で、女子生徒と接触してしまった。
「きゃっ」
「おっと!」
危なかった。女子生徒が転ばないようにと腕を掴んだ。
「あ、ごめん。悪かったね」
すぐに腕を離し、接触したことを謝罪した。
「いえ。私も前を見てなくて。まるで迷路みたいで迷ってしまって……」
黒髪で肩で切り揃えてある。見たことのない髪型。
華奢で身長が低い女子生徒だった。
「君も新入生だよね、どこへ行くの?」
「Bクラスへ戻るつもりが道を間違えたみたいで……」
まあそうなるよな。
「僕もBなんだ。一緒に行こうか」
「え? いいんですか! 助かります」
「目的地は一緒だからね」
「ありがとうございます。私はマリ・ロルシーって言います」
「僕は、ミカエル・ロンゴ」
マリ嬢は、二年前に子爵家に引き取られたんだそうだ。
ロルシー子爵が平民街で出会った女性と出会い恋に落ちた。
その女性との間に出来た子がマリ嬢ということらしい。




