表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
EDDK『ソロでも勝つる!現代ダンジョン攻略サイト』  作者: 御神酒
菌糸森林域

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/78

0層 班行動開始、はぐれちった(俺ではない)

 

「ん〜! ん!!」

「美味しいのは分かったから。雪奈(せつな)もよくこんな料亭予約できたな」

「ふふっ、実家がこちらにありまして。この辺りには明るいのです♪」

「……」


 俺たちは夜ご飯としてなんか高そうな和食のお店にきていた。メニューにはコースしか書いてないし、値段も無い。金は使い道があまりなく貯まっていく一方ではあるものの、金銭感覚は庶民のままなので恐怖でしかない。

 気にしても仕方ないので黙々と口に運んでいるけど。

 こういう和食って食べようとして食べないと辿り着かない。そういう点もあって新鮮で楽しめる場となっていた。


「はむ」

「あ、私のだし巻き玉子! 返してー! 戦争だよ、ミナミっち……!」



「リバースした状態でよければ返せるけど」

「えっ……それは、その、なんていうか、間接キスより業が深いと言いますか、えへへ……」


 何言ってんだこいつ。

 隙を見せたので唐揚げを頂いておいた。何を妄想しているのかは知らないが、まったく気付いていない様子だ。これはチャンスと思い、手つかずの茶碗蒸しを拝借して空にして返した。


 代わりに渋めの野菜類が入った手をつけてない皿を渡した。


「なんか長引きそうだし、向かいのお土産屋行ってる」


「ホント自由人だな」

「ふふっ、すぐに向かいますね」

「げへへ…………」


 ◇


 お土産屋で木刀を四本買い、何処に帯刀しておこうかと試行錯誤していた。全部まとめた左の腰に括り付けておくのも剣豪っぽくてありだが、左右で二本ずつの方がかっこいい可能性もある。


「ヤバい、今世紀最大の謎が目の前に……」

「八百枝! 雪奈(せつな)が――!」


「お、蛇字丸さん。二・二と四・ゼロ、どっちがいいと思う?」

「意味わかんないこと言ってないで手伝え!」


「うっす!」


 なんか急に怒られた。おかしいな、俺のモテ期は何処へ?

 強引に腕を引かれ、仕方なしに木刀をお土産屋で買った腰帯の左右に半分ずつに分けて仕舞う。


「もしもし、兎渡香(ととか)? 雪奈(せつな)は?」

『ごめん! 見失った! 見たことないスキルで空飛んでった! 初めて見たよあんなの!』


「なに、かくれんぼでもしてんの君たち? 仲良しとは思ったが、童心に帰るほどとは。いいよね、かくれんぼ。ちなみに俺は氷鬼の方が好き」


「……雪奈が走ってどこかいったんだよ。何か電話で言われてすぐだったし、切羽詰まった様子だったんだ」

「おー、いつぞやの蛇字丸さんってわけか」


「……」

「ごめんて」


 ただでさえ目つき悪いのに、視線だけで人を殺せそうな鋭い眼差しで睨みつけられた。

 これ以上ふざけると蛇字丸さんに嫌われてしまうのでこの辺にしておこう。

 要は旅館に集まる時間までにセツナァ! を連れ戻せばいいんだ。


 ひとまず手分けして探すことになったので、俺は敢えて近くの山へ向かった。


「やっぱりメンタルきたら山だよな。なんだっけ、しーおーつーとかマイナスイオンとか、そういうあれで」


 そう思い、俺は冬なのに()()葉をつけた木々の中に入るのだった。


 歩く。

 走る。

 スキップしてみる。



「……また、ここか」


 どれだけ進んでも必ず同じ木に戻ってくる。奥に進むことを拒む何かが働いているとしか思えなかった。

 おそらく、引き返すことは可能なのだろう。だが、それでは負けた気になるので嫌だった。


「もう怒った、燃やしてや――いや、ダンジョンの外でやるとアウトか?」


 危うく手癖で森を燃やすところだった。

 ただでさえダンジョンのクセが出てきて行動の粗雑さを自制しようと思っていたのに、放火は流石にダメだな。リスさんがいたら可哀想だし。


「んー、あ!」


 こういうパターン、漫画とかで見た事あるけど、物投げたらどうなるんだと気になっていたのを思い出した。人しかループさせないのか、投擲物もループするのか。まあループさせてる仕組みにもよるんだろうけど。


 というわけで買ったばかりの木刀を全力で放り投げた。幸い木々に阻まれることはなく、そのままどこかへ飛んでいき、硬い何かに当たった音がした。というか音がキャッチしたようなものだったが、人がいるのだろうか。


「さては人の目を欺くタイプのループトラップだな。それなら――!」


 目を瞑って走る。両脇の木々を素手で倒しながら暴走機関車が如く突き進み、やがて近くに木がなく、ひらけた場所に出たのが分かった。


 そこには、月光のような弓を持ったセツナァ! と、こないだぶりの千里眼ストーカーさんが、太陽のような槍を持って這いつくばっていた。

 こちらを見て驚愕の表情を浮かべている。


 そしてそんな彼女らの向かいには、俺が投げたであろう木刀を片手で受け止め、こちらに興味深げな視線を向ける、“鬼”が居た。

 場所的には祠があるので、由緒正しき何かしらの神事の場所なのだろう。


 つまりはあれだ、


「さ、サプラーイズ(震え声)」


 姉妹仲良く何かしらのお祭り中に空気読めない俺が割り込んでしまったのだろう。

 鬼のコスプレしてるし、早めの節分だろうか。


 ……そういえば、セツナァ! のお姉さん、しばらく会えないとか言ってたし、海外にでも行くから妹と節分を済ませておこうという感じだったのかもしれない。


 そんな電話が来て、実は重度のシスコンだったセツナァ! は思わず飛び出してきた、と。


 うん、我ながら完璧な推理だ。

 あとはここからどうやってフェードアウトするかだな!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
お?また新しく無自覚に人の脳を灼くお時間かな?ワクワク
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) 焼くのは思い留まった八百枝君ε-(´∀`*)ホッ 下手したら姉妹2人が(上手に焼けました)なるところだった(;・∀・)セーフ しかしタイミングバッチリだね(^…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ