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メタバースマルチバース 〜ユニバースディ〜  作者: 硝酸塩硫化水素
神々の戯れ

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ep83 阿呆(Serious talk)

 ここはセレスティア大陸にあるアーレの城下町の端にある「魔の酒場亭」。今日はここに突如として舞い込んだ一つの話しにスポットを当ててみよう……。


「おかみさん、いるかい?」


「ん?なんだ、()()()じゃないさね。ディアなら出張に行ってるから暫く帰って来ないよ」


「アホウじゃなくて、ア・()・ウだッ!!ってそんな事よりも……なんだぁ、ディアちゃんいないのか……じゃなくて、真面目な話しなんだけどさ……」


「アンタが真面目な話し?やめとくれよ、天気が荒れちまうじゃないか」


「なんでそうなるんだよッ!!俺にそんな力は無いし俺だって真面目な話しの一つくらいするさ。……で、おかみさんよ?クライス山脈の地下迷宮(ダンジョン)の話しは知ってるか?俺達は今度、そこに挑もうと思ってるんだけど、戦力が足りない気がしていてさ……。だけどそんな時、俺は閃いた!ここにいるめっぽう強い姐さんいるだろ?だから姐さんをパーティに入れたらって思ったんだ」


 久し振りのアホ……もとい、アコウの登場である。アコウのパーティは男二人の女二人。リーダーをアコウが務め、大盾使い(タンク)のギン。神官(プリースト)のエリスに魔術士(マジックキャスター)のセルンという、バランス型のパーティと言える。

 そして、その()()()このダメ男(アコウ)に対して文字通り岡惚れして(恋愛対象として見て)いるという、何とも言い難いパーティである。


 そんなアコウが提案したのは、そのバランス型パーティに「エレを加入させたい」というモノであり、そんな事をすれば、パワーバランスはもとより戦術から全てが崩壊する。……が、()()()()()()そこまで考えているハズもない。


「まったくソレのどこが真面目な話しなんだい!アホウを通り越してバカも休み休み言いな。それにエレは今、アンタが言ったその地下迷宮(ダンジョン)単騎攻略(ソロチャレンジ)中さね」


「えっ?()……()?まじかよッ!そいつは(すげ)ぇや!で、いつ帰って来るんだ?帰って来たら是非()()()()()もらって、その武勇伝を聞かせてもらいたいモンだ」


「赤飯を炊くならアンタが勝手に炊いて持って来なよ。誰が食べるか知らんけど……で、アンタのパーティも()()()攻略を目指すのかい?」


「いや、その……。最近、この町の周辺の獣達が減ってるから、軍資金が……だから、地下迷宮(ダンジョン)かなって……」


 平和の代償というモノなのだろう。平和なコトはいい事だが、それを飯のタネにしてる者達からすれば平和過ぎるのは、食い扶持が無くなるのと同義という事だ。

 これが力のある冒険者パーティなら食い扶持を探す手段はいくらでもあるだろうが、アコウのような中途半端に強いだけでオツムが()()()()弱い冒険者パーティではその手段は皆無だ。さらに付け加えるならば、四人で地下迷宮(ダンジョン)に潜ったところで、オツムが弱ければ深くまでは潜れない。

 この世界はそんなに優しくない世界なのだ。


「まぁ、アンタ達が地下迷宮(ダンジョン)に行ったところで、二階くらいで限界じゃないさね?だからエレが欲しいんだろうけど、エレを頼ってばかりじゃ、アンタ達の力の底上げにならないじゃないのさ」


「うっ……。痛いところを突くなぁ……」


「まぁ、これまでのアンタ達を見てれば誰でも分かるってモンさね。それに金もない貧乏パーティじゃあ、装備が壊れてもまともな得物(モン)を持てないだろぅ?前にボロボロになった装備を()()()新調したのかい?それでなきゃ地下迷宮(ダンジョン)に行ったら……死ぬよ?」


 「おかみ」は以前、ディアがアコウパーティを助けた時の話しをしているのだろうが、アコウは更に痛いところを突かれたようで、何も言い返せず黙りこくってしまったのだった。


「まぁ、冒険者なんてとっとと辞めて、真っ当な定職を探すのが、アンタにはお似合いさね」


 今の「魔の酒場亭」はディアとエレという二枚看板が不在であり、店に残っているのはイシュとアマテラの二人。その二人共に()()()()()アコウパーティ総出で掛かっても返り討ちにするくらいの実力はある。

 「おかみ」の頭には二人を貸し出し、アコウに恩を売るという案も浮かんだが、そもそも恩を売ったところで見返りは()()()()無い。たからこそ、何も言わずにその案は頭の片隅の更にその奥へと追いやられる事になった。


 だが、実力はそこそこ、オツムは弱い。そんなアコウの唯一の取り柄とでもいう悪運の良さはアコウの味方だったようだ――


「おかみ、いるか?ん?そこにいるのはア()ウか?なんだ、取り込み中か?」


「ギルマスまで……俺はアコウだッ!ア・コ・ウッ!」


「おやおや、ギルマスが「魔の酒場亭」に一体何の用だい?」


 アコウの悪運の良さが招いた突飛な珍客。それはアーレの城下町の冒険者ギルドのギルドマスターを務める、アルカディア・クラスヘヴンその人である。


「取り込み中なら後でも構わないが……」


「いや、アホウの件はもう終わったさね」


「そうなのか?このアホウは何か言いたそうな顔をしているが?」


 ここまで来るとイジメとしか言いようがない。女のイジメは怖いというが、それが年上の女であれば尚更の事と言えよう――

エリスの職業に誤植がありました。

お詫び申し上げます。


魔術師☓→魔術士○


この誤植はまだまだありそうです……(泣)


2026.2.19 硝酸塩硫化水素

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