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第01話 今なら瓜子姫に踏まれて喜ぶ天邪鬼の気持ちがちょっとだけ分かりそう。

 アヤカさんからの連絡で、迷宮管理局主催の『二十層突破おめでとうパーティ』――正式名称『迷宮科首席優秀者栄誉受賞式』への参加が決定した俺とシズカさん。


 もっとも、俺たちみたいなダンジョンに毎日通ってる変わり者以外。

 招待される普通の学生さんや教職員さんの予定に合わせたみたいで、その式が開かれるのは八月の初めとのこと。

 うん、今からだとまだまだ先の話だな。


 そんな、パーティ参加者の本命である『20層ボス最年少討伐者』である俺とシズカさん。


「だいたいお兄ちゃんたちが『20層』なんていう浅い場所で戦ってるのが何かの間違いなんだよなぁ……」


「夕霧さんがおっしゃっている【戦闘力】という数値だけで考えると、40層を越えていた『少し前の葛』よりすでに強いことになるのですよね?」


 確かに、数字だけでみた強さはそうだけどね?

 でもほら、カズラさんみたいに、『強い魔物と最前線で戦った』っていう経験が無いから、数字ほどの強さがあるかと言われれば……ねぇ?


「そうそう! 身体能力の話だけじゃなくて、今の装備品――剣や鎧だってそうだよ?

 もしカズの昔のメンバーがこれだけの装備品で身を固めてたら、少なくとも50層までは進めてたと思うもん!」


「ふふっ、今の葛なら一人ででも行けるのでは無いですか?」


「さすがに一人では行かないけどね!?

 ショウコはカズのことを何だと思ってるのかな? かな?

 てことでお兄ちゃん!

 早くカズのことをダンジョン最下層まで連れてって?」


「嫌ですけど?

 といいますか。今はカズラさんも含めて、パーティメンバーみんな俺の婚約者さんですからね?

 これまで以上に安全安心を心がけて!

 無理・無茶・無謀なことは一切させない、むしろ筋肉痛以外はかすり傷一つ負わせない心がけでダンジョンに潜りますから」


「そんなのもう探索者じゃないよう……」


 そう言いながら口を尖らせるカズラさん。

 もっともその後、


「……まぁそこまで想ってもらえるのは悪い気はしないけど」


「あなた、何か悪いものでも拾い食いしましたか?」


「そもそも拾ったものは良い悪い関係なく食べちゃ駄目ですよ?」


「どうして食べた前提で話が進んでるのかな!? かな!?」


 ……キャラにないことを言い出すあなたが悪いです。



 てことで、この先に進むためにも現状の確認。

 まずレベルだけど……これは『多くのオーク』を討伐した結果。

 俺もシズカさんも、さらには出会った頃はレベルが『21』だったショウコさんも含めて『23』に到達!


 もちろんレベルカンスト組であるカズラさんは『50』のまま動かず。

 もっとも本人は『最大レベル』が50から60に上がったことを大いに喜んでいたので、それはそれで『ヨシ!』である。


 次に、レベル上昇に伴う【クラス】枠の増加。

 俺、シズカさん、ショウコさんの三人は、設定できるジョブの数が5枠に増えた。

 なお、こちらもカズラさんは11枠のままではあるのだが、そもそも11枠というのがふざけた数だからなぁ……。


 そして今さらではあるが、そんな【クラス】と【ジョブ】の話を簡単におさらい。


 【ジョブ】を設定することで、即座に【魔力適性】をはじめとした『ダンジョン探索に必須の力』を得ることができるというのは知ってのとおり。

 中でも一番大きい恩恵は『ジョブを【マスター】した際に上昇する【戦闘力】』だろう。


 その上昇幅は、


 ・コモンクラスでも+30

 ・アンコモンで+60

 ・レアクラスなら+100


 と、俺の戦闘力の伸びで見ても『コモンクラスを一つマスターする』だけで『5~6レベル分の強さ』が一気に手に入るんだよな。


 もっとも、レアクラス以上には購入条件があるんだけど……現時点では「下位クラスのマスター」や「一定レベル以上」といった分かりやすい条件ばかりなので、特に問題はないだろう。


 さらに、ジョブをマスターすれば『能力の解放』も起こる。

 例えば、教会で手に入る聖職者系ジョブ、こちらはシズカさんの治療に大いに役立った【光魔法】。

 さらに魔法学院で手に入る魔術師系ジョブなら【属性魔法】が使用可能に!


 うん? 冒険者?

 ……そっちはほら、ちょっと地味っていうか目立たないっていうか。

 【スタミナの上昇】とか【装備品の扱いが上手くなる】などといった『パッシブスキル』が手には入ったんだけど、イマイチ体感しづらいんだよなぁ。


 てことで!

 続いては戦闘系ではない、生産系の能力。


 俺が異世界商店経由で頻繁に使っている、こちらもシズカさんの治療に大きく役立ってくれた【錬金工房】。

 今のところというか将来的にも、ドヴォ・ルザーク親方がいる限り必要の無さそうな【鍛冶場】といった施設も解放されてたり。


 そんな俺。正確には『ジョブ枠が5つ』の、シズカさんとショウコさんも含めた3人が、ダンジョン探索時に設定しているジョブ構成。


 【司祭】

 【ベテラン冒険者】

 【番頭】

 【首席魔術師】

 【錬金導師】


 ――レアクラスを5つ、惜しみなくフル投入!

 その結果、俺の戦闘力は『691』でシズカさんは『711』。

 これ、戦闘力350で『腕の数と体力が多いだけの熊さん』なら、素手のタイマンでも勝てるくらいの戦力差だったのでは?


 ……ちなみに、今回の戦闘には参加していなかったものの『同じレベル・同じジョブ構成』のはずのショウコさんの戦闘力は頭一つ抜けた『750』。

 なんだろう、どこまでいっても尻に敷かれる夫婦生活になりそう――いや、金髪美女の尻に敷かれるとか最高じゃね?


 今なら瓜子姫に踏まれて喜ぶ天邪鬼の気持ちがちょっとだけ分かりそう。

 ……いや、天邪鬼を踏んでるのは毘沙門天だったか。



 ステイタスの話が終われば『異世界商商人』の進展具合。

 とはいえ、こちらは大きな馬車を5台揃えて毎月の商品購入可能数が『1000』の大台を越えたくらいしか変化はない――


『変化が無いのはあなたの『商人ランク』がいまだに行商人のままだからでしょうが……」


「それでも毎月大量の魔石がメルちゃんに入ってるからウマウマじゃん」


『悔しい……でも感じちゃう……』


「何をだよ……」


 そろそろ店舗を購入してもいいかもしれないけど、今のところ不自由はしてないしなぁ。

 あとは『王都』とか『港町』、王国から帝国に移動の幅を広げてみるとか……何にしても、魔道具研究所で買える『レア・スクロール』をマスターしてからだな。

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久しぶりのメルメル
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