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能力初心者ガイダンスその2

「松島さん、ここはどこですか?」塔矢は、この部屋にいる数人をまとめるリーダーらしき男に聞いてみる。

「西棟3階の写真部室だよ。この学校は西棟と東棟、そして本棟の3つにわかれていて、凹型の校舎なんだ。なかなか広いよね」と苦笑いする。

「ねえ、塔矢の能力、何か知りたいよ」千紗が塔矢の顔を覗き込む。塔矢はとっさに目をそらす。



 一方その頃、本棟会議室では数名の教員が会議を行っていた。


「1-Aの田嶋、2-Aの大八木《オオヤギ》、教頭の篠村《シノムラ》が暴走しました。生徒はほぼ全滅。校長先生、対処を急いだ方が良いですね」

 と言いながら保険医は校長に腕を絡ませた。


「3-A、3-Bの担任はどちらも死亡を確認しました。他にも数名、教員が行方不明です。生存は望めませんね」

 若い男性教師がホワイトボードに情報をまとめながら発言した。


「皆さん、生き残った生徒を殺すのです」スーツにコートを着込んだ、小太りの、校長と呼ばれた男は言う。



 写真部室では塔矢の能力を開発しようとしていた。

 塔矢は深呼吸し、目を閉じる。

「どうだ、塔矢くん。何か思い浮かばないか?」

 松島と猖右と千紗が塔矢の周りを囲み、色々と提案している。


 桜《サクラ》は冷たい表情で塔矢を見つめる。桜には弟がいた。弟の面影を塔矢に見出そうとしていた。しかし、無理だった。


 コンコンと写真部室の扉をノックする音が聞こえた。部屋の全員が身構える。

「猖右君と霞君、出てきなさい」

 聞き覚えのあるその声は、他でもない田嶋のものだ。


 塔矢は思った。先ほどは不意打ちとはいえ、片手を切断するほどのダメージを与えたのだ。ここにいる全員で挑めば、勝つことはできると。松島に目で訴えるが、反応は【待て】だった。


 先に行動を起こしたのは田嶋だった。片腕の腕力だけで鍵のかかっていた扉をこじ開けたのだ。

「入学初日に友達を増やすなんて嬉しいですねぇ」

「おいおい、アンタも去年来たばっかだろうが」北雷が戦鎚《ウォーハンマー》を出す。


「篠村教頭、大八木君、他はお願いしますよ」

 田嶋の後ろには2人の教師が立っていた。

「悪いが、今すぐに死ねや!」北雷が戦鎚を振り上げ、突進する。


 塔矢含め数人が篠村が何かをつぶやくのを見た。田嶋や北雷が消えていく。猖右も、田嶋も、そして塔矢も。


 気がつくとそこは、見渡す限り真っ白な空間だった。そこには塔矢と猖右と田嶋だけがいた。

「俺は覚悟したぜ。お前を今度こそ殺すということをな!」猖右が両腕を構える。

「その腕も衝撃波も触れなければ切れませんからね。甘い甘い」田嶋は猖右の能力を把握していた。


 塔矢も覚悟を決めた。殺すか、殺されるかなのだ。能力とやらも使わない道はないと。



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