都での滞在ーその21-
読んで下さりありがとうです^-^
ひたすら頭を下げたのち店主が、
「普通なら中級の冒険者が使う物なのですが、これを初心者用のと同じ値段で出しますのでご勘弁を」
泣き入りそうな顔で言ってきたので、
「これからはもうああいう事はしない様にして頂ければ、それでいいですよ」
店主にそう言いつつ、普通の値段を払おうとしたら、
「いえ、私も商売人ですから、一度言った値段を覆す事は出来ません。なので初めの値段で結構です」
真顔になりそう訴えてきたので、うむ、痩せても枯れても商売人なのだな。そう思い納得して、
「では、甘えさせて頂きます。王都に居る間にまた顔を出しますので、よろしくお願いしますね」
笑顔でそう言うと、店主の方も、
「はい、これからは人を見掛けで判断することなく、誠実を心掛けさせて頂きますので、これから、よろしくお願いします」
丁寧に挨拶してくるのだった。なので、初めからこれであったなら、ずいぶん印象も良い店であったろうに。などと残念に思いつつも、すぐ態度を改める事が出来る事には好感を覚え、また来てもいいな、そう思いつつ、
「では、また寄らせてもらいます」
皆の方を向き、店を出る仕草をしつつ、店主へ向けそう挨拶して店を出るのであった。
店を出ると、また控えていたヴィタールが、
「このお店は最近店主が客を見て商売しているとの噂でしたが、どうでした?」
街の情報をきちんと把握しているらしく、またもそう聞いてくるので、
「話してみればいい方で、心を入れ替えて、これから頑張るそうですよ」
返事を待っていた彼にそう告げると、
「いやはや、セオス様にかかれば皆いい人になるのですね」
苦笑しつつも、此方に向けそう言ってくるのだった。なので、話を終わらせるように、
「ヴィタールさん、女の子達が喜ぶような服の置いてあるお店へ、案内をお願いします」
皆の視線が集まる中、そう話しかけると、その視線で彼女達の期待の大きさが判ったのか、
「今、王都で一番女の方に人気のお店に案内させて頂きます」
皆を馬車の中へと誘導しつつ、乗せ終わり扉を閉めると、馬車を出発させつつ、中の皆に向けそう言ってくるのだった。その言葉を聞いた皆は、期待を膨らませ、
「どんな服があるのでしょう、楽しみです」
「セオ君、私に似合うのあるとおもう?」
「服作りの参考になると思います」
思い思いの事を、それぞれが楽しそうに話して来るのだった。そんな会話を聞きつつ、うむ~、我は服の良し悪しなど気にした事がないので、訊ねられても答えようがないな。そんな事を考えつつも、楽しそうな笑顔の彼女達に、喜んでもらえているのなら、それでいいか。改めてそう思い直し、到着までの時間を過ごすのだった。
「皆様、到着致しました」
馬車を止め、ドアを開きつつ、そう告げて来るヴィタールへ、
「ありがとう御座います、ヴィタール」
「ありがとう御座います、ヴィタールさん」
マリカと我で労いの言葉を掛けつつ馬車を降りると、皆も降りながら、口々にお礼を述べるのだった。それを聞いた彼は照れくさそうに、
「いえ、これもお仕事ですので、礼には及びません。それではまたこちらで待たせて頂きますので、皆様、心ゆくまで、お選びください」
皆へとそう言ってくるのだった。で、ここで立ち止まっていても仕方ないので、さっそく、
「さあ、皆、入りましょう」
我がそう皆へと声を掛け、扉を開きつつ、店内へと足を運ぶのだった。店内は女性客の多さもさることながら、所狭しと並べられている服の量の凄い事。展示してある服の趣が場所場所でかなり違うので、見ているだけでも楽しそうであった。女の子達は瞳を輝かせつつ、
「あ、あの~見て来ても宜しいでしょうか?」
「セオ君、選んできてもいい?」
「セオス様、傍を離れますが、御用の際はお呼びください」
我へと、そうことわりを入れて来る彼女達へ、笑顔で、
「満足できるまで十分に選んで下さいね。選び終わったら言って下さい。支払いをしますから」
皆が駆け出す前にそう告げると、
「この中から、一着を選ぶのは大変そうです」
ネイエが遠慮しつつ、一人そう呟いていたので、
「一人一着なんて決めてませんよ。皆にお休みの日も言いましたが、これから長く暮らすのです。必要な分なら、何着買っても構いませんよ」
彼女達全員にそう告げると、とても嬉しそうに、
「あ、ありがとう御座います、若旦那様」
「さあ、皆さん、選びに参りましょう」
売り場へと皆、走り出す事は無かったが、早足で向かっていくのだった。そんな女の子達を見つつ、連れて来て良かったと思う反面、今からどれだけ時間が掛かる事だろうと、そう一人呟きつつ、店内の様子をゆっくりと見まわしていくのだった。
ぽちぽちしか進んでません。退屈でしょうが、気長に読んでいただけると嬉しいです^-^




