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都での滞在ーその12-

なんといいませうか・・・

 昨日はほとんど王都観光出来なかったので、今日こそは、と皆で出掛ける事にして、宿を出ようとすると、


「おはよう御座います、セオス様」


 朝の挨拶を笑顔でしてくるマリカが既に待機していたのだった。


「おはよう御座います、マリカ。こんなに早くお城を出て来て大丈夫なのですか?」


 挨拶を返しつつ、彼女にそう訊ねてみると、


「昨日も申しましたが、父上からも、なるべく傍に居る様にと言われておりますので、問題ありません」


 即座にそう答えられ、それならば仕方ないですね。そう考えつつ、


「では、昨日皆とする筈だった王都観光を今日、再度することになっていますので、ご一緒しますか?」


 判ってはいるのだが、確認の為に一応そう訊ねると、笑顔で、


「はい、喜んで」


 我へと返事がすぐに返って来るのだった。で、そうなると王女である彼女をあまり歩きで連れまわせないので、必然的に馬車になってしまうのだが、王家の馬車に乗るとまた城へと連行されそうで抵抗があるのだが、などと考えていると、様子で気付いたのか、マリカが、


「今日は、お城へは行かず、ちゃんと王都を案内しますので、警戒しなくてもいいですよ」


 可愛く笑いながら、こちらに向けそう言ってくるのだった。なので、さっきからこちらに冷たい視線を向けて来る皆に向かい、


「皆は行ってみたい場所などありますか? あるようでしたらまずそこを目指しますが」


 今日もまだ決まっていない目的地を、取り敢えず決めてしまおうかと、皆に質問してみると、


「楽しいとこ~」

「美味しいとこ~」

「綺麗な場所が良いです」

「市場で、綺麗な布を。あの姉妹に負けない様に」

「セオス様、王都は図書館が立派ですよ」

「セオ君、魔法使い用の杖を見に行こう、シールズの武器屋はいいの置いてないもんね~」


 見事なまでに、統一感のない、されど、それぞれの個性が良く出ている選択に納得しつつ、


「マリカ、図書館以外の場所を案内して頂いたら、今日中に回れるでしょうか?」


 馬車での移動時間が判らない為、マリカにそう訊ねつつも、機嫌が悪くなりそうなエリーナさんに、


「エリーナさん、図書館は我以外の皆が退屈しますので、今度二人で行きましょう」


 先手を打ち、そう声を掛けると、間に合った様で、笑顔を作りながら、


「そうですね、他の皆さまに強要するような場所でもありませんので、そうしましょう」


 彼女がそう言ってくるのだった。それを聞いた皆は、反論したいのだろうが、目的地が図書館の為、行きたくないのか、羨ましそうにしつつも、誰も一緒に行くとは言い出さないのだった。で、訊ねられたマリカの方は、


「図書館以外の場所、という事でしたら多分大丈夫だと思います。それぞれがその場所でどれ位の時間過ごされるのかが判りませんので、絶対に、とは申せませんが」


 こちらに向かい、申し訳なさそうにそう言ってくるので、 


「マリカ、それでも大変助かります。それにもし一日で無理ならば皆で明日も出掛ける事にすればいいのですから。皆はその方が喜ぶかもしれませんしね」


 皆にも笑顔で確認しつつ、彼女にそう話し掛けると、途端に笑顔を取り戻し、


「では皆さまが楽しまれて、ゆっくり過ごされ、今日中に間に合わなかった時は、明日もまた私がセオス様を案内しますね」


 我に向かい、そう答えて来るのだった。なので笑顔で肯定しつつ、待っている皆に向け、


「では、そろそろ行きましょう」


 馬車に乗り込むように促しつつ、そう声を掛けて行き、全員が乗り込み終わると、


「それでは、マリカ、行く順番は道順などもあるでしょうから、そちらにお任せしますので、案内を頼みます」


 彼女にそう話しかけると、御者をしている執事風の男に向かい、


「それではお願いしますね、ヴィタール」


 我に言われた後、すぐにそう声を掛けると、男もまたちゃんと話を聞いていたらしく、


「お任せください、マリカ様」


 馬車を滑らせるように出発させつつ、そう答えるのだった。で、何故かその様子を見ていた姉上が、悩んだような顔をしつつ、う~~ん、と唸りつつ、首を傾げているので、


「姉上どうかしたのですか?」


 悩みの理由を聞いてみると、こちらに向かい、


「なんか御者をしてくれている人が、全然知らない人のはずなのに、見た事あるような気がするのよね」 


 我に向かい、そう答えて来るのだった。マリカもその答えを聞き、きょとん、としていたが、御者を務める当の本人が、軽く笑いつつ、


「さすがの記憶力ですね、アイシャ様。セオス様がお生まれになる前に、アーカイド村で一度お会いしただけだというのに覚えてらっしゃるとは」


 楽し気にそう声を掛けて来るのだった。それを聞いた姉上は、


「あ~~、あの時の。王様の言葉を父に伝えに来た人だ。思い出したわ」


 悩みが晴れた顔で、皆にも聞こえる様な大きな声で、そう言うのだった。

出掛ける前の会話のみで一話カキコしてしまいましたです^-^;

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