都での滞在ーその7-
うにゅ~うにゅ~・・・・
「大変お待たせしてしまい、申し訳ありません」
恐縮しながら、こちらを窺うように話しかけてくる受付嬢に、
「そこまで気にする必要はありませんよ」
笑顔で、不安を取り除こうと優しく話し掛けると、
「この国の騎士団の長であるイアン様直々の署名の入った証明書を子供に持ち込まれれば、普通は真偽の確認をすると思うのですが・・・・結果間違いなく本物だと確認が取れました。それと、登録カードを発行したシールズにも確認したのですが、ギルドマスターより、くれぐれも粗相のないようにと、厳しく念を押されました・・・・貴方は何者なのでしょうか?」
困った顔で、対応の仕方が判らないとばかりに、問いかけて来る受付嬢に、何と言おうかと考えていると、横からアルフォンスが、
「シールズの領主様の御子息でセオス様です。こちらに顔を出された時は、よろしくお願いします」
我の悩みを無視するかのように、余計な紹介をしてくれるのだった。なので、
「セオスです。ブロンズ冒険者ですがよろしくお願いします」
ギルドへの登録通りの事を言うと、
「貴方様の討伐された盗賊たちは名の売れた者も入っていて、ブロンズです。と言われても、はいそうですか、というには余りにも無理があると思うのですが」
尚も聞いてくるので、
「魔法が少々使えますので、それと此方の騎士アルフォンスが手伝ってくれたおかげですので」
納得させる為、そう言うと、少し表情を和らげつつ、
「そうだったのですか、騎士さまと。で、報酬なのですが懸賞金が掛かっていた者が結構はいっていましたので、高額になりました。こちらです、どうぞ」
大量の貨幣の入っていそうな袋を金額を説明しつつ手渡して来た。なので素直に受け取りつつ、
「手続きありがとう御座います、お姉さん」
受付嬢に向かい、そう話し掛けると、慌てたように急いで、
「申し訳ありません、動転していて遅くなりましたが、王都ギルドで受付をしているシエーヌ、と申します。以後お見知りおきを」
改めて、そう挨拶をしてきたので、こちらも、
「シールズの領主の息子ではありますが、冒険者ギルドではブロンズランクのセオスと言います。王都滞在中、こちらに顔を出した時はよろしくお願いしますね、シエーヌお姉さん」
笑顔でそう今後お世話になるかもしれない彼女に挨拶すると、向こうも、
「はい、よろしくお願いします、セオス君」
やっと普通にそう挨拶を交わせたのだった。で、報酬を受け取った後は、皆を待たせている為、依頼を受けるわけにはいかないので、どんなものがあるのか興味はあったのだが、見る事もなく、ギルドを後にし、宿へと急ぐのだった。帰りの道中もアルフォンスは、脇目もふらず、良い場所、良い店を紹介することもなく、真っ直ぐに宿への道を引き返す。なので、
口調と態度の割には、凄く真面目な男なのだな~などと、先ほどの親子の会話を思い出しつつ考えていると、見透かされたように、
「思い出して笑うのは結構ですが、皆にはくれぐれも内密にお願いしますね」
念を押して、辿り着くまでに頼んできたので、悪い事をしたな、と思いつつ、
「うむ、内密にするので心配はいらないよ、アルフォンスさん」
真面目な顔に変わり、彼へとそう答えておくのだった。で、宿へと辿り着くと、お役御免とばかりに去りそうなアルフォンスへ、
「先程から聞こうと思っていたのですが、皆で回るのに、都での良い場所や良い店を知っていたら、教えて頂けないでしょうか?」
素直にそう訊ねると、しまった、という顔をしつつ、
「行く前か、向こうにいる時に聞いて頂ければ、それ程は知りませんがお教え出来たのですが」
ふと考える様な様子を見せたあと、付け加える様に、
「まぁこちらにいる時は騎士として過ごしていましたので、坊ちゃんだけが喜びそうな武器防具の店や、冒険者向けの雑貨屋は紹介出来るかもしれませんが、女性を連れて遊びに行くようなところは、余り詳しくないですね。お役に立てずすいません」
目的に沿わないだろうと、紹介するのをためらっていた。なので、
「アルフォンスさん、今日ではなく、今度一人で都の街を探検に行くので、その時の為に、知っている場所を後で教えてくださいね」
ちゃんと聞いておこうと、そう伝えると、
「はい、そんな場所だけでもいいのなら、喜んで」
話をするのは今度という事になったのだが、教えてくれると約束をし、アルフォンスはやるべき仕事へと戻り、我も待たせていた皆の元へと向かうのだった。
「皆、ただいま。お待たせしました」
待ってくれていた女の子達に、そう声を掛けつつ部屋へと戻ると、出掛ける準備を済ませた彼女達が、
「セオ君、用事はすんだ?」
「若旦那様、おかえりなさいませ」
「おかえりです~、若旦那様~」
それぞれが我に、お帰りの挨拶をしてくれた。なので、トンボ返りだな、と思いつつも、皆の喜ぶ顔を見る為、
「それじゃあ、都見学に参りましょう」
彼女達に向け、そう声を掛けるのだった。
ストーリーの進行が遅いような気が・・・・;-;




