都での滞在ーその5-
続きですです^-^
翌朝、王都での二日目、宿の為家事や仕事が一切ない、アルギュロス家一行は、早起きの必要がない為朝食までの時間をゆっくりと過ごしていた。大人達は数日後の登城の準備を今日より行うとの事なので、朝食時子供達は集まって何をしよう? という話をしていると、アルフォンスが、
「坊ちゃん、後で少し時間を宜しいですか? 皆と出掛ける前がいいのですが」
皆の前で誰にも気づかれぬ様目配せをしつつ、普通にそう話し掛けてきた。なので、ああ盗賊かと思いあたり、気を遣ってくれたのだな、と思いつつ、
「判りました。この後すぐに時間をとりましょう」
アルフォンスに向け、そう返事を返しておくのだった。なので、返事の後には他の皆に向け、
「アルフォンスとの用事が済んだら、皆で王都見学に行きませんか?」
違う予定で皆が揃わなくなるといけないので、後の予定を空けておいて貰う為そう告げると、
「セオ君とお出掛け? いいわね。行きましょう」
「若旦那様とお出掛けですか? 今回は何処に行けるのでしょう」
「若旦那様とお出掛けです。新しい味に出会えるといいのですが」
「いっしょに~お出かけです~」
嫌な顔の者は一人もいない、笑顔の集団がそれぞれ出掛ける事を承諾する返事を返してくれたので、
「では、なるべく早く用事を済ませて戻りますね」
笑顔で皆にそう伝えると、アルフォンスと共に宿を後にするのだった。
宿を出て、家族の目がなくなると、堂々と声に出し、
「坊ちゃん、盗賊たちは王都の騎士団に渡しに行きましょう。昨日に続きまた城ですが中ではなく外に建物がありますから」
今から行くべき目的地を明確に告げてくれるのだった。王都には元より伝手などない為、
「お任せします、場所の方の案内もお願いしますね」
昨日、城へは行ったばかりとはいえ、騎士団の詰所の場所など判らないので、そう告げると、
「はい、お任せください」
進むべき道の先へと立ち、歩みを進め案内をしつつ、王都の騎士達の話をアルフォンスがしてくれたので、退屈することなく目的地へと辿り着けるのだった。
目的地の騎士団の詰所へと行くと、そこには普段そこに滅多にいる事の無い人がいて、アルフォンスの口より、
「きょ、今日は何故此処に居るのです? 近衛隊長のイアン様。王の元では?」
驚きつつも目の前の相手にそう告げていると、
「今日は珍しく非番を貰えてな、王より多分お前が此処に来るだろうと、連絡を受けていたので待っていたのだ」
筋肉の塊の様な年を感じさせない、それでも威厳を放つ目の前の男は続けて、
「盗賊たちが倒されていると報告が上がってきているので、もしや、と思ったが本当に此処に来るとは。で、盗賊たちは何処なのだ? 久しぶりの息子よ」
笑顔でそう話しかけてくる、隊長に、
「非番ということなら、しょうがないか。久しぶりです、父上。で紹介しますが、こちらがセオス・アルギュロス様です。盗賊たちを倒されたのも当然この方です」
親子の対面を果たしつつ、紹介をしてくるアルフォンスの言葉に続き、
「初めまして。近衛騎士隊長イアン様。セオス・アルギュロスと申します。よろしくお願いします」
頭を下げつつそう話し掛けると、
「こちらこそ。息子が役立つどころかお世話になっているそうで。父親のイアン・カーディロスです」
冗談を交えつつ笑顔を向け、そう言ってくる相手に、
「いやいや、父上、いや非番なら親父、この方相手なら親父すら役立たずだって。俺が仕事してなかった訳じゃないぞ。というか、最初は飛ばされたかとかも思いはしたけど、すぐに王と親父の真意に気付いたし、何よりカイン様のいる今のシールズは良い街なので気に入ってるからな。此処と違い比べられ続ける事もなくなったので、専念できたよ」
照れたような笑顔で久しぶりの父親に今の心境を語る様に話すアルフォンスに、
「それは中でゆっくり聞くが、肝心の盗賊たちは?」
疑問に思いつつそう訊ねてくるイアンに、
「そうだった。騎士たちを集めてもらえるかな、親父。多いほどいいが」
この後の事が思い浮かぶアルフォンスは、笑いを堪えて顔に出さぬ様、注意しながらもそう告げると、聞いたイアンは詰所に向かい、
「おい、今いる手の空いている者は全員集合」
響くような声でそう告げると、詰所内より、慌てて騎士たちが出て来て整列をし、
「何事でしょうか? イアン様」
何事を言われるかと恐々とした様子で訊ねる騎士たちをしり目に、
「これでいいかな?」
訊ねるようにそう告げると、アルフォンスが状況を確認し、これでいけるかな? そう考えると、
「では、坊ちゃん、お願いします」
目配せしつつ、そう促して来るのだった。なので何時もの如く、バックへと手を入れつつ、その場へと、氷漬け盗賊たちを”ひょい”という感じで次々と出してゆくのだった。全部出し終わり辺りを見回すと、唖然とした騎士たちはもちろん、イアンまでも驚愕したような顔立ちで、
「これだけの盗賊たちを王都へと来る駄賃に倒して来るとは。聞いていた以上だな」
現物を見せられては否定しようがないと言わんばかりにそう呟くと、聞いていたアルフォンスはしてやったりと言わんばかりの笑顔で、
「だろう。これでお世話になっているとは、言わないでくれよ」
父親に向け、そう勝ち誇った顔で、今回の事件を報告するのだった。
まだまだ続きます、都のおはなし^-^;




