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王都へ向かおう!ーその11-

旅の続きですです。^-^

 翌朝、皆目が覚めると開口一番、


「賊達はどうなりました?」


 心配そうに聞いてきたので、アルフォンスと共に事実は隠し、


「無駄だと判るまで続けていたので、疲れ果てて帰ったんじゃないでしょうか」

「そうですね。多分帰ったんでしょうね」


 皆へとそう誤魔化しておいた。若干名誤魔化しきれてない方々も<殆ど?>いらっしゃるようでしたが、賊達がいない事には変わりなく、安堵のため息をつきつつ、


「無事に出発出来るようですので問題はないですね」

「そうだな、今夜は村に着くだろうから野宿はしないで済むしな」


 この後の予定をエルネストと父上が話し、朝食を済ませたのち、出発の準備をして、その場を後にするのだった。その後は然したる問題もなく順調に進み、夕方には1つ目の村に辿り着き、宿を兼ねた民家に泊まり住人の農民から、とれたての野菜などを購入した。なので、


「父上、この村まではシールズ領で、次の村からは王都側の領だと聞いているのですが本当ですか?」


 父上にそう訊ねると、


「ああ、確かにこの村までは、シールズの領地内だな」


 間違いない。との答えが返ってきたので、


「では、この野菜などを使い、街の広場で炊き出しをして、親睦会をしましょう。そして今の領主は何かあった時はきちんと聞いてくれる方だ、という認識を持っていただきましょう。前領主のイメージを払うためにも交流を持つのは良い事だと思います」


 父上へと、そう言うと、エルネストも、


「そうですね。前のイメージが悪すぎるので、周囲の村までは伝わらない事も色々あるでしょうし、そういう事でしたら交流を持つ、という事には賛成ですね」


 こちらに向け、そう言ってきたので、父上は、


「という事なので、大変だろうが、エリーナ、メイドの子達も頑張ってもらえるかな?」


 メイド達へと、そう声を掛けると、


「此処で頑張っておけば、今後我が領が周りも含め良くなっていくというのであれば、是非もありません」

「若旦那様の提案ですので頑張らせて頂きます」

「お手伝いだけだけど~がんばるです~」


 皆嫌な顔一つせず、即答で引き受けてくれた。なので、我も少しは手伝いにと、


「では、野菜と一緒に煮込む肉の手配はお任せくださいね」


 すぐに村の外へと行き、野兎やボアなどを仕留めて帰って来るのだった。その肉と野菜での鍋の炊き出しは、村人たちにとって普段食べれないご馳走になるみたいで、大変感謝され皆でワイワイと盛り上がりつつ広場で騒いでいると、話の流れで領主だと判り、途端に恐縮していたが、父上の、


「そんなに恐縮する必要はありません。ほんの数年前までは、アーカイド村という処で、私も皆さんと同じ農民でしたから。なので苦労も判るつもりですので気遣いは無用ですよ」


 村の皆へとそう言い、さっきまでと変わらぬ態度を貫き通していると、村人たちも、


「本当にこのままでいいんでしょうか?」


 念を押して聞いてきたので、


「気を使われる事の方が、正直嫌なので普通にして頂けた方が、助かります」


 笑顔でそう答える父上に、やっと村人たちも心を開き、盛り上がりも戻って来て、賑やかな夜を過ごすのだった。で民家の宿で朝を迎えた翌日、準備を済ませ村を出ようとすると村人総出で見送りに来てくれて、尚且つ、


「昨日出してもらった料理分には足りないでしょうが、今食料以外で出せる分の野菜です。持って行って下さい」


 一軒一軒より少しずつ持ち寄り届けてくれた。なので、


「帰りも寄らせてもらいますね。その時は王都で食料を買ってきますので、また皆さんと盛り上がりましょう」


 我も皆へと声を掛けると、村人たち全員笑顔で、


「はい、是非。お待ちしていますので、必ずお寄り下さい」


 手を振り我らを見送ってくれるのだった。気持ちの良い別れに皆元気よく馬車の旅を再開し、


「いい村でしたね」

「です~みんな、良い人なのでした~」

「楽しかった~」


 村人たちとの交流を思い出しつつ進んで行くと、アルフォンスが、


「ですが、今日はまた野宿ですので、場所を確認してきますね」


 この前と同様、そうこちらに声を掛け、先行して偵察に出るのだった。その話を聞いた他の者は、


「回復した賊達がまた襲ってこないといいけど」


 心配そうに、そう言ってきた。疲れて帰ったと言い訳していたので、そう思うのか、と思いつつも、


 この中に、賊達は全員いるので大丈夫ですよ。と、バックを見つつ考えながら、


「この前で懲りたのなら、魔法が使えるものがいる事が判っているので、もう来ないと思いますよ」


 皆を安心させるための言葉を掛けておくのだった。すると守りの壁の中で見ていた賊達を思い出したのか、笑い出し、吹き出しながら、


「本当にきつそうだったもんね~」

「武器を必死に振り回したり、魔法を使い続けたりと、大変そうでしたね~」

「なかなか懲りない人達でした」


 滑稽な賊達の事を話しつつ、もお不安などない顔で会話を弾ませながら、今日進むべき分の行程を消化しつつ、目的地を目指して過ごしていくのだった。

頑張って~カキカキ^-^

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