お買い物にいこうーその5-
続きです。読んでいただき有難うございますです。^-^
「・・・・という訳で、盗賊たちに攫われ、奴隷商に売られそうになってたところを、我が助けたのですが、そこから帰るべき場所がないという事なので、うちのお屋敷で働いてもらう事にしたんです」
詳しく説明する為、夜散歩に出掛けたシーンより延々と話をすると、ようやく納得半分と言う感じで、
「まぁ、セオス君が優しいのは、私達が困っていた時も即、助けてくれたことから判ってるんだけど・・・・よく4人も雇えたわね。セオス君のお家って大きいの?」
こちらにそう聞いて来るエミリアに、ルナールが、
「若旦那様のお家はこの街の中心にあるお屋敷です。領主様宅です」
自慢げにそう答えていた。すると今度はプレアが、
「え~セオス君が噂の領主様のとこの神童様だったんだ。でもなんか納得」
返事をかえしつつ、うんうん頷きながら話していると、サルトは、
「わ、私達家族は失礼な事はしてませんですよね?」
突然顔を青くして聞いてきたので、
「父上は領主を頑張ってらっしゃいますが、我はまだ何もしてませんので、そんなに気を使う必要はありませんよ。今まで通りで結構です」
サルトに向け、そう笑顔で優しく話し掛けると、
「いや~、何度も疑ったり、娘が嫌味にとれる様な事を言ったような記憶があったもので・・」
我の言葉で緊張を解き、そう言ってきた。なので、
「気にしてませんので大丈夫です。それよりルナールに生地を売っていただけますか?」
本題に戻し、そう訊ねると、
「ええ、構いませんよ。喜んでお譲りします。ところで・・・・」
こちらを見つつ、言い掛けて、娘とルナールを見比べて口ごもりだしたので、我が、
「ところで?」
続きを話すよう、そう促すと、
「いやね、うちの娘たちが君の服を作るのを楽しみにしてたんだが、其方のお嬢さんも服を作るようだし、どうするのかと・・・・」
訊ねる様にそう言ってくる。それに合わせ皆も、
「セオス君、もちろんここで作っていくわよね」
「お礼にお姉ちゃんと作ってあげると約束してましたよね」
「若旦那様、私がお作りしたいのですが駄目でしょうか?」
皆が詰め寄る様に、そう言ってきたので、素直に、
「あの~、服は毎日着る物なので、別に一着しか作らないという訳ではないので、ここでもお願いしたいと思いますし、ルナールからも勿論、喜んで作ってもらおうと思っていますよ」
彼女達にそう答えると、両者の間に見えない火花でも上がったかのように、
「作り終わったら、お互いセオス君に着てもらって見せ合いっこしましょう」
「ええ構いません。若旦那様にお似合いの服を作って見せます」
完成したあとの事を、もう言い合っている。
やれやれ、ルナール本人の為の服の生地を買いに来たというのに。などと考えながら、
「ルナール、サルトさんに生地を見せてもらったら、我のだけじゃなくて、ちゃんと自分の物も、良いのを選ぶんですよ。今日は本来、何も持たない君の為の物を買いに来たのですから」
ルナールへと、そう声を掛けると、言い合いを見られて恥ずかしそうに、
「は、はい、判りました。若旦那様」
言い争いを止め、そう答えてきた。その後真剣に、我の分と自分の分の服のイメージに合う生地を選び出し、どの位いるかなどを考え込んでいたので、
「まだまだ先もありますので、多めに買っておくといいですよ。今必要なくても気に入ったデザインの物も買っておくといいと思いますよ」
そう優しく言っておくと、嬉しそうに、
「ありがとう御座います、若旦那様」
お礼を言いつつ、そう答えながら、数点の生地を選び出していた。なのでサルトに値段を聞き会計を済ませながら、
「で、生地選びが終わったのなら、他にも足りない日用品なども見に行きましょう」
ルナールにそう声を掛けていると、突然、
「父さん、今日はお店暇よね? で、お店番してくれるわよね?」
父親へと、エミリアが言い出し、続いてプレアが、
「セオス君、近所に良い品物が置いてある日用品のお店があるんだけど、案内してあげようか? というか・・・・ついて行っていいかな?」
我へとそう言ってきたので、
「うむ? こちらとしては案内してもらえるのは有り難いのですが、本当にお店は大丈夫なのでしょうか?」
目の前の家族にそう訊ねると、姉妹二人して父親を無表情でじーと見つめる。その視線が何なのか察したサルトは、
「あ、あぁ、今日はお店も暇そうだし私も今は時間があるので、お店番をしておくよ」
娘二人にそう告げると、満面の笑顔になり、
「父さん、ありがとう。じゃあセオス君、さっそく行きましょう」
嬉しそうにそう言って、四人で連れだってお店を出るのであった。で、本当に近所というか、三軒程しか離れていないお店にたどり着くと、皆して中へと入り、姉妹二人の勝手知ったと言わんばかりの行動に付き合いながらルナールが必要な物を選んでいく。時折、他の子達の分も必要そうなものを見つけると、こちらを窺うように見て来るので、
「他の三人にも必要な物が有ったら、一緒に買ってあげてください」
ルナールが遠慮しない様、そう念を押しておくと、嬉しそうに店内を見て回っていた。で、いつの間にか、姉妹と打ち解けたのか趣味が合うのか、
「これはいいけど、これはあんまり。あ、これは可愛い」
置いてある品物を見つつ、三人かしましく、そう話しながらも選んでいたので、昨日の如く今日も、
うむ、二人にも一つづつプレゼントしておくかな。などと考え、欲しそうなものをリサーチしておく。日用品のお店なので普段使いの物が多いので、そこまで高い品物はないようだ。店主の元へと行き、昨日のと同じく内緒で包装してもらう。でルナールが選び終わるのをじっくり待つ事にする。で、選び終わるとそれを全部店主へ渡し会計を済ませ、バッグへと収納すると、昨日の露店へと今日も向かう。昨日売った野兎の食べた分との差額がまだあるので、今日は現金で食べる事にした。ここは街でも評判なのか、
「ここって美味しいのよね~」
「たま~に無性にたべたくなるのよね~」
「美味しそうな匂いです」
女の子達の、そういう感想を聞きながらも、
「こんにちは、今日も食べに来ました。大丈夫ですか?」
店主へとそう訊ねると、
「おう坊主、いまはまだ大丈夫だ。四人かい?」
こちらに向けそう言い、すぐに焼きに入ってくれた。で食べ終わるまで待って二人に、
「今日は我らに付き合ってくれてありがとう。ルナールはこれからも生地や道具を買いにお店に来ることもあるだろうから、仲良くして欲しい。で、これなのだが、我がギルドの依頼で稼いだお金で買ったプレゼントなので、四人で出掛けた記念に受け取って欲しい」
そう言って、さっきのお店で買った物を渡すと、
「あ、ありがとうセオス君。大事にするわ」
「ほんとに、ありがとう~」
手渡され、受け取った物を大事そうに抱えながらお礼を言ってきたので、
「お二人のお店のと、ルナールの作る服が完成したら、また皆で遊びましょう」
女の子達へと、そう言って笑顔を向け話し掛けると、真っ赤になりながらも、
「プレア、お家に帰ったらさっそくデザインをまとめるわよ」
「ええ、お姉ちゃん頑張りましょう」
姉妹で気合を入れていた。なので、
うむ、真っ赤になるほど気合を入れなくとも、などと考えながら、二人を店まで送り、別れの挨拶をし、ルナールと手を繋ぎながら、屋敷へと戻ってゆくのだった。
まだお買い物が続きますです。




