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街に出ようーその3-

今回のは、長くなりそうな・・・・

 今日も朝より街へ出て、軍資金の増額を目指す。色々な物を見て回りながらギルドへと向かうため、昨日に引き続き今日も歩きだ。で、ウロウロ、てくてくを繰り返しながらも進んで行くと、ギルドの前に子供達の集団ができている。何事かと思いつつも、中へと入り何時もの如くカウンターを見回すと、最近見慣れた受付嬢がやはりいた。


「おはよう、ヴィオラお姉さん」

「おはようございます、セオス君」


 今日は前に誰もいなかったので、すぐに挨拶を交わす。そして、


「表に子供達の集団があったが何事かの?」


 理由が判らずそう訊ねると、


「あれはね、街の外の農地が今日は収穫日なので、手伝いの依頼を受けた子供達を、危険防止の為、元冒険者のうちのギルドの職員が引率して連れていくので、その為の集団ね」


 子供向けの依頼という話を聞き、


 うむ、父上がしている農地の改正がうまくいってるのだな。その手伝いか、う~ん、資金増額も捨て難いがここは我も参加すべきか。などと考え、


「ヴィオラお姉さん、まだ募集はしてるのかな?」


 依頼が我もまだできるか確認すると、


「人数は多いほど良いそうなので、まだまだ大丈夫そうよ。でもお小遣い程度なのだけど受けるの?」


 心配してか、逆に確認してきたので、


「今回は父上の手伝いみたいなものなので、問題ない」


 金銭面の問題ではない。そう答えると、


「じゃあ、こちらで手続きはしておきますので、表の集団の所に引率のマトスさんって方がいらっしゃると思うので、そちらに依頼でと伝えてください。それで大丈夫です」


 ヴィオラはそう手続きをしつつ、笑顔で教えてくれたので、


「ありがとう、じゃあ行ってくる」


 彼女へとそう告げて、その場を離れ表へと向かった。で、先ほど見かけた集団の元へ行くと、三人ほどの大人と十五人ほどの子供が集まっていた。三人の大人を見て、皆に説明している中心にいる人物にヴィオラから言われた通りの事を伝えると、


「おう、坊主も依頼を受けてくれるのか?俺はマトスといって、今回の引率の責任者だ、よろしくな」


 自分の名を名乗りつつ、そう言われ、


「我はセオスという、宜しく頼む」


 此方もそれに対し、名乗り返すと、


「出発までの集合時間が、もうしばらくあるので、そこらで皆と一緒に待っていてくれ」


 最後にそう言うと他の二人と打ち合わせに戻るようだった。なので、


 うむ、我は時間までどうするかの。などと考えながら、空いている場所へ進んでいると、七人位で集まっている集団の方より、


「おい、そこの新入り」


 誰かを呼び止める様な声がする、はじめは、うむ? という感じだったが、


「おい、呼んでるだろ、ちょっとこっちに来い」


 怒った顔の、十歳位の男の子が、こっちに向かい怒鳴っている。なので、


「うむ、我のことか?」


 怒鳴っているその子に向かいそう言うと、


「お前以外、新入りはいないだろ」


 強い口調で、そう言ってきたので、うむ、言葉遣いの悪い子供だの。と考えながらも、


「我に何か用か?」


 相手に対しそう言うと、その横にいた八歳位の男の子が、


「おい、兄貴が呼んで話しかけてるのに態度がでかいぞ」


 横から話に加わり、いきなり怒り出した。


 訳が分からず、うむ? この者達はなんなのだ? 尚更判らなくなり、もう一度、


「我に、何か用でもあるのか?」


 目の前の子供達にそう訊ねると、怒った顔をひくつかせながらも、


「おい、お前見た事ない顔だが、この街の子か?今から行く場所は、俺の親父が働いている農場で、ここにいる皆で何度も手伝いに行ってるが結構大変な仕事なんだぞ。お前みたいなチビが手伝えるのか?」


 尚も、こちらに向かい、そう言ってきたので、


 なんだ、口は悪いが親の手伝いをしに行く良い子みたいではないか。という事は心配して声を掛けてきたという事かの? と、頭の中で考えながらも、


「街に出て来きたのは何度かしかないが、一応街の子だの。それと、我は魔法も<魔法じゃないが>使えるので手伝えると思うぞ」


 胸を張りそう言うと、七人位の集団は、皆でぼそぼそ話しながら、


「ちょうど俺たちは男三人、女四人だったんでお前も仲間に入れてやるよ」


 さっきまで怒っていた男が最初に声を掛けてきたと思ったら、他の者も、


「はじめまして、これからよろしく」

「兄貴が言ってるんで入れてやるよ」

「よろしくね」


 笑顔を向けつつ、皆で声を掛けてきてくれたので、うむ、まあ、一緒にいってもいいかの。そう決めて、


「うむ、セオスという、よろしく頼む」


 皆に向け、そう自己紹介すると、女の子では一番年上らしき子が、


「セオス君っていうんだ、私はペーシャっていうの。八歳だよ、っていうか、セオス君可愛い顔してるのに、喋り方変だよね。なんか最初、威張ってるのかと思ったけど、それが普通なの?」


 その会話を皮切りに、


「俺も最初カチンと来たぜ、でおれが一番年上のダイグ、十歳だ」

「弟分のリブロ、八歳だ。兄貴のいう事を聞くんだぞ」

「ラクス、六歳です」

「ファムだよ、七歳なのよろしくね」

「メニーナ、六歳です」

「ルサラです、メニーナちゃんと同じ六歳です」


 残りの皆も、それぞれ自己紹介を兼ねて挨拶をしてくれた。


 うむ、我の言葉遣いは変なのかの? ・・・永い永い悠久なる時間を、まず一柱で過ごして来た時は、誰も何も相対することなく過ごすしかなく、さりとて子供達とよぶ神々を創り出しし後は、皆より父神と呼ばれ、親としてず~~と過ごして来たからの~。その感覚がぬけぬのだな。なにせ子供たちが創りだしし世界の者達は、孫、曾孫にみえるからの。これは気を付けて直さねば、家族以外には通用せぬかもな~。などと、新たな悩み? を作りながらも、話を続けるのだった。

まだ続きますです;-;

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