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街に出ようーその2-

前回の続きです。

 人通りのない裏手へまわると、さっそく釘を創り出す事にする。


「万物創造」


 どさっ、という音と共に、5000本もの釘が現れる。それを平然と手をかざしながら、バックへと即、収納していく。


 うむ~、これで依頼はOKなのだが、今納めに行くのは早すぎるな。それにこれは偶然なのか故意なのか?確認してくるべきかの。そう思い立つと、露店がある通りではなく、店舗を構える商店が並ぶ通りへと足を運ぶ。しばらく歩き、商店がある通りにつくと鍛冶屋がある一角を探し、武器などの看板でなく、生活用品と判る看板はないものかと探していると、表の棚に鍬や鎌が飾られ、中をのぞけば包丁などが飾られている店を見つける。


 うむ、この店のようじゃの、取り敢えず店は開いている様じゃが。そう店先を覗き込み人の有無を確認し、


「ちと、すまんが誰かおるかな?」


 店の中へと、そう声を掛けると、奥より、


「いらっしゃい、君お使い? 何を買いに来たのかな?」


 此方に向け声を掛けつつ、十七、八歳位であろう娘が出て来る。なので、


「うむ、買い物という訳ではないのだが、ギルドの方で釘不足という依頼を受けてな。で、こちらの店主が病気だと聞いたのでちと、見舞いがてら、治療するかと・・・・」


 娘へと言いかけると、


「君、治療魔法が使えるの? そんなに小さいのに?」


 疑わしそうに聞いてくるので、


「うむ、使えるぞ」


 自信満々にそう言うと、いきなり手をつかまれ、


「いや~、助かるわ~父じゃないと出来ない仕事が溜まりだして困りだす寸前だったの、って自己紹介がまだだったわ、私、此処の娘でアルティっていうの。で今風邪で寝込んでる父がヴェルガーね」


 突然名前を言ってきたが、礼儀としてこちらも名を名乗りながらも、


「うむ、我はセオスという。で聞きたいのじゃがアルティの父君が風邪をひいたというのは理由はあるのかの?」


 きちんとした理由があるのかと訊ねると、


「うん? この前仕事が忙しかった時、鍛冶で汗かいたのをいきなり水浴びで済ました後、隣の旦那と飲みに出かけたんでそのせいだね。」


 アルティの言う答えに、心の中で、うむ、何もないのに風邪をひいたのなら、また娘たちが気を配ったのかもと思うとこだが、今回は偶然のようじゃの。そう考えつつ結論づけ、彼女に向かい、


「うむ、では、治療するかの」


 笑顔でそう話しかけると奥へと通され、熱で意識が朦朧としているのか、二人が部屋に入ってきたのにも気づかず横になっているヴェルガーのそばへ行くと、


「神癒」


 小声でそう呟き、治してやる。すると意外に早く意識が戻り、幾分楽になったのか、アルティの方へ顔を向け、


「う~~ん、アルティすまない、だいぶ迷惑を掛けたみたいだな、ってその坊主は?」


 此方を向きそう言ってきたのに対し、アルティは、


「セオス君っていうんだけど、なんかギルドに出てた依頼を見て、父の治療をと来てくれたそうよ。で、さっそく治療してもらったらこの通り、て具合に腕がいい治癒術師なの」


 今の状況を父親に、矢継ぎ早に説明していた。なので、


「うむ、今回釘不足分の依頼をうけてな、それまでは我がさせてもらうが、街の皆や次の分は早く元気になって、そちに頑張ってもらわんとな、それと一応風邪は治しておいたが体力までは戻らんので、余り急に無茶はせぬようにな」


 すぐに無理をしない様、付け足しておくと、


「う~ん、かなり世話になったようだな、坊主。治療費は幾らだ? それとこちらだけ助けてもらうばかりという訳にはいかないんで、なんか困ったことがあったら何でも言ってくれ」


 恩は返すという様な言葉に、


「いや、治療費はいらぬ、見舞いのついでじゃしな。それと、困った事や頼みたい事が出来たら、その時は頼むことにするので、気にせずともよいぞ」


 返すほどの恩ではない、と返事を返し、また顔を出すことを約束させられながらも店を出ると、見送りに来たアルティに、


「セオス君、ほんと~~に、ありがとね、用事がなくても遊びにだけでもきてね」


 真剣にそう言われ、余りの感謝に照れながらも、


「うむ、またよらせてもらおう」


 彼女へとそう答えながらその場を去ると、ギルドへと向かい歩き出す。商店を見て回ることも今までなかったので、辺りを見ながらゆっくり進んで行くと、酒場兼料理屋という感じの店も何件か見かけたが、美味しい料理というよりも、お酒のつまみか、冒険者や労働者向けのガッツリ料理という印象であった。


 うむ~、こっちで美味しいものは各家庭で食べるのが基本なのかの? などと考えながら、ギルドへとたどり着くと中へと入り、カウンターを見回して、うむ、おるな。と居る事を確認し、彼女の受付の列に並び、順番を待ち、我の番が来ると、


「ヴィオラお姉さんや、依頼済ませてきたぞ」


 そう言い放ち、バックより5000本もの釘を出す。すると、呆気にとられたというか、数えるのが大変そうというか、何とも言えぬという感じの顔をしながら、


「セオス君、お疲れさまです。どこから仕入れたのか知りませんが、途轍もなく速い達成でしたね。とても隣の街に行ったような日数がかかった訳でもありませんし、街には無いはずでしたし、どうやったのか聞きたいのですが、教えて頂けますか?」


 笑顔を向けつつ、そう詰め寄られると、


「うむ~企業秘密なのでな、また今度」


 誤魔化す様にお茶を濁すと、


「まあ、教えて貰えるとは思ってませんでしたしね。で、依頼達成の25000Gです。ご確認ください」


 残念そうな顔をしながらも、そう言って依頼料を渡して来たので、


「うむ、ありがたい、この様な依頼が明日もあればいいのだが。取り敢えずまた明日来ることとするかな」


 ヴィオラにそう言いながら、報酬を受け取ると、挨拶を済ませ屋敷へと戻る事にして、一日を終えるのだった。


 

登場人物が増えてきましたが、まだ5歳の為色気が・・・たりない。もすこし気長におまちくださいませ。・・おねがいしますです。

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