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お金をかせごう!ーその5-

かせごう!はここまでかな。

 ヴィオラに案内され、建物の奥へと進み、三階の突き当りまで来ると、ある部屋の前に立ち、彼女が扉をノックしながら声を掛ける。 


「頼まれた通り、セオス君をお連れしました」


 すると部屋の中より、


「中へお通しして下さい」


 聞こえてきたその言葉を聞き、ヴィオラはドアを開け、


「失礼します。マスターが呼ぶように申されたのは、この子で間違いないでしょうか?」


 我を促しながら二人、部屋へ入ると前にいる人物へと確認する。


「間違いありません。ヴィオラご苦労様です。この方とお話がありますので、あなたは下がって業務に戻って下さい」


 目の前の人物に、そう言葉を掛けられ、心配そうな顔を向けながらも、


「了解しました」


 頭を下げつつ、そう言って部屋を出て行った。それを見送りながら何の用事で呼ばれたのかと、視線を前の人物に戻すと、いきなり地面へと座り込み頭を下げ、


「初めましてクレアツィオーネと申します。クレアとお呼びください」


 突然の行いに、うむ? と疑問を浮かべながらも質問をしてみる。


「クレアさん、と呼べばいいのかな? ギルドのマスターたる森の民のあなたが、なぜにこのような子供に頭を下げるのだ?」


 疑問に対し、そう優しく問いかけると、


「我らをエルフ、ではなく森の民と呼ばれるあなた様にうちのギルドの者が失礼をしたみたいですので」


 許しを請う様にそう答えながら、頭をあげぬ相手に向かい、我は、


「うむ、その様子からすると大体我の正体を察したようだが、今は普通に生活しておる故に、そこまで気を使わずとも好い。しかしなぜに気付けたのだ? 教えてはくれぬか。他の者に悟られぬ様参考にするのでな」


 彼女にそう笑顔で話しかけると、やっと頭をあげたクレアは、


「私の能力の一部である魔眼があなた様より一切の魔力を感知しません、なのに風を纏って使っていらっしゃいました。更に何より、我らの種族の友にと遣わされた精霊たちが、あなた様のそばで、くつろぎ、纏わりつき、喜び飛び回る姿は動かぬ証拠。この星では長寿の者である私達ですが、そう出来る方々を一つしか知りません。それは・・・・我ら種族を救いし神のみです」


 此方を見つめ真剣に話す、その返答を聞き、


 うむ、森の民故か、ならばあまり心配せずともよいかの? などと考えながら、


「さっきも言うたが、今は普通に暮らしている故、そなたも普通の者に接するように相手をしてくれると我も嬉しいのだが」


 仰々しいクレアに対し、そう話を促すと、


「判りました、ではそのようにさせて頂きます、とりあえずソファーに座りましょう」


 この部屋に接待用にと備え付けてある広めのソファーへと移動し、相対し座る。そして我は徐に、


「で、森の民のそなたが何故ここに?」


 ラヒューレ大森林に居るはずの森の民である彼女へ、そう言うと、


「見て頂けると判る通り、私は種族には珍しく火の、それも強力な精霊に仲良くしてもらい、森での生活には何かと不便で、幼き頃制御が効かず何度か村人達にも迷惑をかけていたので、ある程度大きくなったら村外へと思っていたので、出て耳を隠し冒険者として生活していたのですが、過去この街が魔物に襲われたとき精霊魔法で助けたのを知り、冒険者として王に呼び出され、種族を知られてしまったのですが、今の王は逆に恐縮され頭を下げられ、過去の事を詫び、この街のギルドマスターに任命されてしまいました。なのでそれからここで頑張っておりました」


 話を聞き、


 うむ、今の王は噂通りの賢王のようじゃの。それに森の民たちも無事なようでなによりだな。そう思い直し、


「うむ、これから我もここにはちょくちょく顔を出すことになると思うので宜しく頼む」


 クレアに向けそう言うと、彼女は、


「下にいる者達にも伝えておきますので、私で出来る御用のある時はいつでもここの部屋にお出で下さい」


 それに対して、我も、


「うむ、ありがとう、頼みごとが出来たときは頼らせてもらおう」


 笑顔でそう言いながら、しばらく今の森の民の様子などを話し、ある程度時間もたったので、


「では、またの」


 部屋を出ようと、最後にそう言い、もう一度頭を下げるクレアに笑顔で挨拶をし、その場を後にする。元いた下の受付前へと戻ると、其処には興味の視線に満ちた野次馬職員と、心配そうにしているヴィオラが待っていたが、


「何のお話だったのですか?」


 心配してのヴィオラの質問に、


「先ほどの無礼な冒険者の詫びと、世間話だけだったな」


 簡潔にそう答えると、安心半分、困惑半分という感じで、


「青ざめていたように見えたのは体調が悪かったのかな?」


 周りに聞こえない様な小声で呟いていたのは無難にスルーする事にした。やっとの事で初依頼を終えたとこちらにも挨拶をし、ギルドを出て屋敷へと帰る。無事に戻るとエリーナを探し、


「エリーナさんただいま、これが今日の成果なのだが食材にして欲しい」


 バックより肉の塊を渡し、そう言うと、驚く顔を見ながら、


「今日の夕食は皆で食べよう、今日あった事を話すのが楽しみだな」


 去り際にそう言って、部屋へといったん戻り、夕食時集まった皆に、薬草採取と猪狩りの冒険譚を楽しく話して聞かせ、今日一日の残りの時間をゆっくりと過ごすのだった。


読んでいただき有難うございます、皆様の、ポチッ、に励まされてがんばってますです^-^

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