天からの使いってやつ
頑張れ俺!
頑張れるか俺!?
寒空のした、早足でせっせと歩く。特に目的は無い。急いでいる訳じゃない。ならなぜ早足なのか。ただ彼は急ぐ理由なくとも急がずにはいられない性質なのだった。
この物語の主人公、沙凪、若干37歳は夜に何となく時間が余ると、何となく外へ出て、何となく歩く。歩き疲れるまでずっと早足で散歩し続ける日課があった。とはいえ、何となくなのでやらない日もちらほらとあるのだが。今日現在はその日課を実行中である。
ある時、公園の角を通りかかった。数本の橙の街灯で照らされた薄暗い公園のベンチにふと目を奪われる。
ベンチには年端もなさげな少女が俯いて座り込んでいた。
美しかった。
華奢な四肢。真っ白な肌、真っ白な髪。
いや、地なのか照明のせいなのかやや茶みがかって見える。
装いは黒いニーソにどこかでよく見たような、というか知り合いの娘さんが新しく着るものと同じ、いや、記憶にあるものと比べると若干ながらスカートの丈が長く見える。まあ、この子小さいし.....スカートが大きく見えたりするのかもしれない。
沙凪は運命的なものをひしひしと感じた。
少女漫画のような恋愛的運命か、怪談のような心霊現象的な運命なのか、はたまた感動秘話のような感動の再会的な運命なのだろうか?
彼の予想は『彼女は幽霊的なあれかもしれん』
どちらかといえば希望に近い予想。恋愛も感動的再会も面白みがない。心霊現象ならばあとで笑い話にできるし。体験したことないし、できるもんなら体験したいものであった。
さて、どうしたものか。
やはりフラグ建てが肝心だろう。話しかけようか?いやしかし、そうして彼女が顔をあげると口が裂けてるだののっぺらぼうだのというつまらんオチになるかも.....いやしかしそもそもそうなる感じの幽霊だとしたらもうどうしようもない。どんなフラグを建てようと顔が怖いだけの幽霊というオチは不可避である。
ここは幽霊の実力に賭けるしかない




