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堕ちます

三月十日、東《あずま》中学校を卒業した。

 四月には地元《じもと》一《いち》の名門高校にS奨学《しょうがく》で入ることになっている。

 不足は無かった。父が離婚《りこん》して居ないだけで、全てが充実した家庭。良き友にも恵まれてる。

 不足が無い。しかし不満はあった。それは何もかもが充実し、幸福すぎる環境に感じていた。

 これまでいい子で通してきた。しかしそれは演技ではなく、体がそう動くのだ。いい子である状態が本性なのである。

 気に食わない。誰に言われるもなく私は勝手にいい子であろうとする。このまま成長すればこの延長《えんちょう》になるのも止《や》む無し。

 それだけは、それだけは避けねばならない。

 この物語のヒロイン、好《よしみ》は決意した。卒業を期に人生に汚点の一つでも作ってやろう。

 どうせなら大きな汚点を、万引きとか飲酒とかじゃ駄目だ。もっと痕《あと》が残る様な、取り返しがつかないようなこと。それらの点を踏まえた結果出した答えは。

 


 それは援助交際であった。処女《しょじょ》をドブに捨ててやるのだ。

 これなら相当な汚点になるだろう。

 

 今日、今日家を出よう。

 

 少女《しょうじょ》は静《しず》かに、固《かた》く決心《けっしん》した。



 作者より注意書き。

 本作品はコメディー要素が強い小説です。

 本作品は15歳未満の方でもお楽みいただける 作品となっております。

 では、次話をお楽しみに。

 

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