W家出
バットエンド一直線ではありません。
「どこ行ってたんだよ。心配したぞ。」
「気を揉ませてしまったのなら、申し訳ありませんでした。」
「いや、謝んなくてもいいが・・・・・」
何だろうか、好が珍しく物憂げな雰囲気を醸している。調子狂うったらありゃしない。
その空気に好自身も気付いていた。沈黙はマズイ。何らかの話を振らなければ。
「そう言えば、沙凪さんに、日和子さん・・・・・ホント変わってますねぇ。」
名前の話。一応本当に気になっていた事ではある。
「バカにしてんのかぁ。言っとくが、親は別に酔狂で付けた訳じゃねぇぞ。」
空気は変わってくれた。まあ、沙凪が気を遣ったこともあるが。
「ちゃんとした意味があるんですか?」
「おうよ。結構、深イイ意味だ。」
「聞かせてくださいよ。」
沙凪の焦らしに、我慢できず催促する。
「サナギもヒヨコも発展途上とゆう意味だ。サナギは蝶になるし、ヒヨコは鶏になる。まだまだ先があるって意味だ。いつまでも向上心を忘れずに、ってね。」
「ちゃんとした意味があったんですねぇ。」
本気で感心したご様子。
「好ってのは、単に可愛い名前って感じだな。」
「いやぁ、とゆうか一つのジャンルで統一されてますね。妹が、恋と書いてレンですから。」
「でも、好って名前よく出たよな。恋は分かるが、そこは普通、愛が来るんじゃないか?」
何気ない一言のつもりだった。
「・・・・・・・・・そうですね。」
しかし、場に空気は信じられないほど重苦しくなる。あの反応の意味を尋ねたいが、何か訊けない。訊くわけにはいかない。そんな感じ。
其の空気の中で、好は決断をした。
「ちょっと・・・・家帰ります。」
「・・・・・・は?」
スッと立ち上がり、流れるように玄関へ向かう。
おいおい、ちょっと待て。




