心の図書館ー必要な時に開くものー
この物語を開いてくださり、ありがとうございます。
ここに書かれているのは、特別な誰かの話ではありません。
もしかしたら、あなたの心の中にもあるかもしれない、「心の図書館」のお話です。
四年ほど前、
本来の自分を思い出してから、
記憶との向き合い方も少しずつ変わっていった。
最初は、
自分でも何が起きているのか分からなかった。
けれど、
今なら、
少しだけ言葉にできる気がしている。
不思議なことに、
わたしは、
話を忘れているわけではない。
その場の言葉にしっかり耳を傾け、
心が動いたことを、
そのまま受け取っている。
そして、
話が終わると、
その記憶は静かにしまわれていく。
まるで、
心の中にある図書館へ、
一冊の本を戻すように。
だから、
普段は、
思い出そうとはしない。
無理に探そうともしない。
頭の中は、
静かなまま。
けれど、
必要な場面になると、
その図書館の扉が、
自然と開く。
相手の何気ない一言。
ふと目にした言葉。
心が動く出来事。
その一つひとつが、
図書館の扉を開く鍵になっている。
鍵が差し込まれると、
必要な一冊が、
静かに手元へ届く。
考えているわけではない。
思い出そうとしているわけでもない。
頭の中は空っぽのまま。
けれど、
開かれたページから、
言葉が自然とあふれてくる。
昔は、
忘れないように覚えておかなければと思っていた。
今は、
本当に大切なものは、
なくならないことを知った。
必要になるまで、
大切にしまわれているだけだった。
そして、
気づけば、
本で読んだこと。
誰かから教わったこと。
自分が体験したこと。
そのすべてが、
心の図書館の中で、
ひとつにつながっていた。
だから、
新しく何かを探し続けなくてもいい。
必要なことは、
必要な時に開かれる。
空を見上げる。
今日もまた、
誰かの何気ない一言が、
心の図書館の扉を開いてくれる。
わたし、
今日も、
その出会いに耳を傾けながら、
静かに歩いている。
この物語は、「覚えておかなければ」という思いから、
「必要なものは、必要な時に開かれる」という感覚へ変わっていった、
わたし自身の気づきから生まれました。
また必要な時に、この物語を開いていただけたら幸いです。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。




