ー朝、冒険前ー
今週は頑張って平日5日間で投稿します。
「おはよう、皆!
今日はどうしようか?」
〈うむ、おはようじゃ。
そうじゃのう、今日は冒険者ギルドに魔道具の詳細が届くみたいじゃからのう、それをまず聞きに行ってみたらどうじゃ?
朝の段階ではまだわからんかもしれんが、いつ頃届くかわかるかもしれんし、今日も特に予定を決めてなかったのならそのまま依頼を受けてもいいじゃろ〉
「そうだね。
特にしなきゃいけないことは今日はないし、そうするよ。
昨日[熊の腕]の人たちとアイスボアを戦った感じだともう少しくらいなら大丈夫そうだったから、中層の手前くらいまでは行ってみようか。
依頼は浅層の魔物だったらその道中で狩れるだろうしね。
よし!それなら魔境の森に行く準備をしてから食堂に行ってそれから冒険者ギルドに行こう!」
「ぐるぅ!」 「ゴブッ!」
ユーグたちは魔境の森へ行く準備を整え、食堂へと向かうのであった。
・・・
「ユーグ君、ソタ君、ブリュー君、ブラブ君おはよう!」 「おはよう!ユーグ君」
「おはようございます!
アンネさん、マリーさん」
「ぐる!」 「ゴブ!」 〈おはようじゃ〉
食堂に来るとそこにはアンネとマリーが配膳をしながらユーグたちに挨拶をしてきた。
「その恰好ってことは今日も冒険者活動をするのかな?」
「はい、そうです。
昨日[熊の腕]の皆さんが食堂で話してた魔道具の詳細がわかるみたいなので、それを聞きに行くがてら依頼を受けて魔境の森に行く感じです」
「そうなんだ。
昨日もちょっとしか聞いてなかったけど、なんか大変そうだね」
「そうですね。
あの大きさの魔道具を魔境の森で探すのは難しそうですよね。
数も何個あるのかわからないし、隠されている可能性の方が高いしで。
でも僕も冒険者の1人なんで頑張ります!
まぁまだ探すことが決まったわけじゃないんですけどね」
「良いこと言ったわね、ユーグ君。
ユーグ君の頑張りに応えるために今日の朝ごはんはおまけするわね」
そう言うとユーグの朝食をマリーは多めによそい配膳する。
「ありがとうございます、マリーさん!」
「あら、ユーグ君もう起きて来てたの?」
「あっ、ロッテさん、カールさん、ニーナさんおはようございます」
「ユーグ君、おはようございます」 「おはよう」
マリーがユーグに朝食を持ってきたタイミングで[熊の腕]のロッテ、カール、ニーナが食堂にやってきた。
「ニルスさんとクラウスさんは?」
「あの二人はまだ寝てるわよ。
いつも通り飲みすぎでね」
ロッテはあきれたようにそう言う。
「それでユーグ君も冒険者ギルドに魔道具のことを聞きに行くのかな?」
「はい、そうです。
ついでに依頼を受けて魔境の森まで行こうと思ってました」
「ユーグ君は働き者ですね」
ニーナはいつも通りの感じでユーグのことを褒めた。
「本当そうね~。
昨日、一昨日と行ったのにまた行くなんて、あの2人にも見習ってほしいわ」
「[熊の腕]の皆さんは今日何するんですか?」
「私たちは今日はお休みよ。
ただユーグ君と同じで魔道具のことは冒険者ギルドに聞きに行くと思うわ。
まぁ2人が起きてから行くからこんなに早くは行かないけれどね」
「ですよね。
この時間に行ってもまだ詳細は来てないですもんね」
「そうね。
来るとしたら昼頃じゃないかな。
もしかしたらもう少し早いかもね」
「じゃあ朝は依頼を受けるだけになる感じかな」
〈うむ、それなら良い依頼を受けれるように早めに行くとするか〉
「そうだね、じゃあ急いでご飯を食べないと。
すみません、僕たち依頼を探さないといけないのでお先に」
「どうぞ、私たちはゆっくりしてるから気にしなくていいから」
ロッテからそう言われたユーグたちは急いで朝食を食べ冒険者ギルドに向かうのであった。
・・・
「よし、依頼はこれにしようかな」
〈どれどれビックマンティスの翅の納品か。
いささか納品の数は多いかもしれんが、それくらいなら見つけ際すれば対処できるから問題ないじゃろ。
報酬金も中々じゃしの〉
通常は依頼で要求される魔物の素材は10という数が多い。これはグリムノーデンなどの魔境やダンジョンに隣接している冒険者の多い都市で活用されているものであった。冒険者の多い都市では特定の素材等を除けば依頼を出さなくても素材の売買で冒険者ギルドに集まってくる。冒険者ギルドはそれを商業ギルドや薬師ギルド、錬金術ギルドなどの必要なギルドに卸し、そして各ギルドから商会や薬師、錬金術師などに渡されるのであった。しかしこの場合だと緊急時や大量に欲しい場合などには対応していなかった。そのために依頼で必要な分を冒険者に出し、卸の金額より多く払い素材を手に入れることができるようになっている。その際多くの冒険者にいきわたるよう1回の依頼の上限を設け、それを複数出すことで少数の冒険者ではなく万べくなく依頼を受けれるようにしていた。
その依頼の素材の納品数の上限が10ではないのだが、数えやすくまとめやすくそして1日で取れる数でもあるため多くの冒険者ギルドでは納品数の基準を10にしている。基準といっても全ての依頼が納品数を10にしているわけではなく、希少な薬草等の素材であったら納品数は1などの時もあり、10というのはあくまで基準であった。
またユーグたちが今回選んだ依頼はビックマンティスの翅の納品で、その納品数は20であった。こういった依頼はまれにあり、20という数は中々1日では集めづらいため、多くの魔物を1日で狩れる冒険者以外からは避けられている依頼であった。ユーグたちはその歳では破格の魔力探知を持っており、またブリューも嗅覚を使用した生命探知ができることもありソタはこの依頼を受けることを認めたのであった。
「じゃあ並びに行こうか。
ロッテさんはああ言ってたけど、ついでに魔道具のことも一応聞いとこうか」
ユーグたちは依頼票を片手にカウンターの列に並ぶ。
「おはようございます、ユーグさん
依頼の受注ですか?」
「はい、この依頼をお願いします」
カウンターには以前ユーグが初めて依頼受けたときに説明してくれた職員がいた。この職員にはそれ以降もたびたびユーグは世話になっていたため顔と名前を憶えられていたのであった。
「ビックマンティスの翅の納品ですね。
かしこまりました、ギルドカードをお願いします」
ユーグはギルドカードを職員に手渡す。
「あのー、1ついいですか?」
「はい、何でしょうか?」
「今日に調査をお願いした魔道具の詳細が送られてくるって聞いたんですけど、それっていつごろかわかります?」
「その件ですね。
正確な時間はわかりませんが、多分昼頃には送られてくると思いますよ。
いつもその時間に送られてくることが多いので。
はい、依頼の受注も完了しました、ギルドカードと依頼票をどうぞ」
「ありがとうございます。
じゃあ、またお願いしますね」
「はい、良い冒険をなさってください」
ユーグはギルドカードと依頼票を受け取りカウンターを離れて冒険者ギルドを出た。
〈ふむ、昼頃か。
聞きに来るのに戻るのもめんどうじゃから、依頼を終えたら戻るとするか〉
「そうだね、その方が良さそうだね。
アイスボアとももう1回戦ってみたかったけど、難しいそうかな?」
〈そうじゃのう、まぁ浅層の奥、中層の手前辺りでも出てくるらしいからのう、探知で見つけたら狩ってもいいじゃないか〉
「そっか、じゃあ早くそこまで行くためにちょっと急ごうか」
〈なんだか今日は朝から忙しいのう〉
こうしてユーグたちは急ぎ目に魔境の森へと向かうのであった。
次の投稿は明日20時です。




