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ー再び[熊の腕]とー

すみません、

今週もストックがなく月水金の投稿になります。


「そうじゃ、見ての通りドワーフの特徴である低い身長に長い髭そして筋骨隆々の体躯をしてるじゃろ。

 だいたいこのような特徴を持っとる人がいたらその人はドワーフかドワーフの血を引く者じゃ」


「エルフも同じですよ。

 ドワーフほどの特徴はありませんが長い耳で少し背が高い人はだいたいエルフですね。

 まぁエルフの方が数が少ないと思うのでそれほど街で見かけることはないと思います。

 この街でもエルフは私だけですからね」


「へー、そうなんですね」


 ハンスとナディネは自身の人種のことをユーグに教える。

 ドワーフはハンスの言うような低い身長に筋骨隆々な体躯、そして長い髭が特徴でそのような見た目をしているものはドワーフかその血を引く者と言われている。ドワーフはその身体的特徴で優れた戦士としてもしくは生産者として知られている。

 エルフは身体的な特徴としては長い耳と高身長そして容姿端麗がある。エルフの場合その血を引く者は全て長い耳を有しており、身長と容姿はその血の濃さにより変わる。

 エルフとドワーフは長寿の種族であり、人族や獣人族などに比べるとその数は少ない。それに加えほとんどのエルフは基本的に里がある場所に住みそこから出ることはあまりない。里は森の奥深いとこにあり、そこを訪れるものも少なく、また認められた人しか訪れることが許されていないためエルフだけがそこで暮らしている。しかし少数のエルフは里の中の生活をつまらないものと感じ、そこから飛び出し街の中で生活を始めるものもいた。ナディネもその一人であり、そういったエルフがドライツェン王国と里の仲介役となっていた。ドワーフはエルフと違い元々山岳地帯に住んでおり、他の種族とも交流を持っていたこともあり町にもそれなりの数のドワーフが暮らしている。


「うむ、とりあえず今回の件は調査の結果を待つだけじゃな。

 さすがにこれだけの件だけでは魔境の森を封鎖するわけにはいかんしな。

 もしかしたら[熊の腕]やその他の冒険者には魔境の森の探索依頼を出すかもしれんがその時はよろしく頼む」


 ハンスは話を魔道具の件に戻し、こう結論付けた。

 

「わかりました」


「それじゃこの件はこれで終いじゃ。

 二度手間で話をさせて悪かったのう」


「いえ、今回の魔道具とアイスボアの件は重要のことだとわかっていたので大丈夫です」


「ふむ、それでも手間をかけさせたのは変わりはないのじゃ。

 もしまた魔境の森に行くことがあるのなら、少し注意して見ておいてくれると助かる」


「もちろんです。

 他にも今回の魔道具がないのか探してみます」


「よし、それじゃあ頼んじゃぞ。

 ユーグも浅層域でこういった物がないか見ておいてくれるとありがたい」


「はい、わかりました」


「調査の結果がわかったら[熊の腕]とユーグたちにも知らせるからのう。

 その時はまた頼むのじゃ」

 

 支部長との話を終え、ユーグたちと[熊の腕]は支部長室を退出する。


「うーん、今日はどうしようか。

 少し時間が昼に近づいたからな、これから依頼を受けて魔境の森に行くのもな」


 ニルスは冒険者ギルドの1階に降りて来てそう言う。


「そうね、じゃあとりあえず狩りだけでもしに行く?

 昨日もそこまで魔物と戦闘したわけじゃないから、そんなに疲れはたまってないし」


「そうだな、それでいいか。

 ユーグはどうするんだ?」


 ロッテの提案にニルスは賛成し、ユーグにこれからの予定について聞く。

 

「僕も魔境の森に行こうと思ってました」


「そうか、それなら昨日の詫びを込めてまた俺たちと行くか?

 昨日は中層の魔物とユーグは戦えなかったからな、どんな感じか見ただけじゃわからないだろ?」


「いいんですか?

 昨日グレーウルフの素材ももらったのに、また一緒に連れてってもらっても?」


「もちろんだ。

 グレーウルフの素材もそこまでしないだろ?

 それに昨日は中途半端に終わったからな、しっかりと中層の最初の方だけだが案内してやらないとって思ってな」


 ニルスは再びユーグを魔境の森に誘った。昨日は途中魔道具を見つけたこともあり、ろくに中層を探索することが出来ずにいたためニルスがユーグにまた提案したのであった。

 

「ありがとうございます!

 ご一緒させてもらいますね」


「よし、それならさっそく行くか!

 ユーグも準備は終わってるだろ?」


 ユーグたちが[熊の腕]と一緒に魔境の森に行くことが決まり、クラウスがすぐに魔境の森への出発を促す。


「はい、大丈夫です」


「じゃあ行こうか」


 ユーグたちと[熊の腕]は魔境の森へと向かう。


 ・・・・・


「ここまでは順調に来れたな」


「そうね、浅層でもあまり戦闘せずに通れたから思ったより早く来られたわね。

 これなら十分に中層で探索や狩りの時間もとれるわ」


 ユーグたちは[熊の腕]と共に魔境の森の中層の浅部まで来た。浅層では1回ほど避けられない魔物との遭遇がありその際に戦闘しただけで、あとは魔物を避けながら中層に来ることができた。


「カールどうだ?

 今回は魔物の気配はありそうか?」


「ああ、あるな」


「どっちの方向?」


「こっちだな、距離はそんなには離れてはいないな。

 この感じだとアイスボアだな」


 カールは魔物のいる気配を指さしながらそう答える。


「ユーグたちはどうだ?」


「僕もそっちの方で魔物の魔力を感じました。

 魔力がこないだのアイスボアと似ているので、たぶん僕もそうだと思います」


「ぐるぅ!」


「ブリューもアイスボアの臭いがするって言ってます」


 ユーグもブリューもカールと同じ方向に魔物の存在を感じていた。


「それなら幸先いいな、アイスボアならこないだと同じだけど一応俺らでまたお手本を見せるか。

 昨日は戦闘と呼べるほどのものではなかったしな」


「そうね、どう戦うのかユーグ君たちに見せてあげないと一緒に来た意味がないものね」


「じゃあアイスボアの方に向かうか」


 [熊の腕]とユーグたちは魔物の気配があった方へと向かった。


 ・・・


「アイスボアだな、それに今回は普通の動きだ」


 ニルスの見ている方向にはアイスボアがいた。昨日のアイスボアとは違い、何かに集中している様子もなく歩いていた。


「数は2体だ、昨日と同じでクラウスとカールで初手を行い、1体は俺がもう1体はロッテが相手をする感じでいこうか。

 ニーナはところどころサポートを頼むぞ」


「わかりました」


「よし、じゃあクラウス、カール頼むぞ」


「わかった!じゃあ行くか。

 ……アースランス×2」

 

「ああ。

 パワーシュート!」


 クラウスの前に2本の土の槍が現れアイスボアへと向かう。クラウスの呼びかけにカールはすぐ矢を弓につがえ矢を闘技に変え放つ。その矢はクラウスが狙ったアイスボアとは別のアイスボアへと向かった。


「「フガガアアア!」」


 2体のアイスボアは魔力の高まりで[熊の腕]に気づき、自身の魔力を動かした。魔力はそのまま氷属性へと変換されアイスボアの身体に纏われる。氷をまとった姿はまさしくアイスボアと呼ばれる姿にふさわしいものであった。

 そのまま土の槍と矢はアイスボアに当たる。2人の攻撃は纏われていた氷をものともせずアイスボアに深く突き刺さった。


「スラッシュバースト!……スラッシュ!」


 クラウスの魔法とカールの矢が放たれたと同時にロッテは駆け出しアイスボアに近づいていた。クラウスたちの攻撃が当たったあとすぐに1体のアイスボアに闘技を連続で放つ。

 

「フゴゴォォ……」 


 飛ぶ斬撃で氷を破壊され、続けて同じ場所に闘技を喰らいアイスボアは致命傷を負い横たわる。


「……アースインパクト!」


「ヘビーアロー、スナイプシュート!」


「フゴォ……」


 クラウスは魔法で地面に干渉し、アイスボアの動きを邪魔する。そのアイスボアに向かって重い一撃となる矢を放ち、頭部の氷を破壊し続けて狙い研ぎ澄まされた矢を放った。その矢が破壊された氷がある頭部に当たりアイスボアは倒れたのであった。


 

次は水曜20時に投稿します。

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