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ー謎の魔道具ー

今週は月水金の投稿です。


「みんな!ちょっと、こっち来て!」


 ニルスたちはアイスボアの行動に不審な点を感じていた。そんな中アイスボアの止めを刺すため一番近くに接近していたロッテは何かを見つけていた。


「うん、どうした?」


「ちょっと、これを見てよ。

 何か箱状のものがこんなところに」


 ロッテの声を聞き、ユーグたちとロッテ以外の[熊の腕]の面々が倒れたアイスボアの近くに集まる。その場でロッテは四角い箱を指差していた。


「これは何だ?

 魔道具っぽいけど、でも何でこんなところに?」


「そうだな。

 うん?少し壊れているな、そこから何かこぼれている?」


 ニルスとクラウスが四角い魔道具らしきものを観察していると、少し破壊されている箇所を発見しそこから何かの粉が漏れていた。


「本当ですね。

 位置的にアイスボアが壊したのでしょうか?」


「そうかもな。

 違ったとしてもこの箱の何かに集中していたのは間違いないな。

 その証拠に壊れているとこに何かの汚れがついている。

 たぶんこれはアイスボアがこすった跡だろ」


 ニーナの問いかけにカールが答える。その指摘通りに魔道具らしきものの壊れているところに汚れが付着していた。


「ぐるぅ?」


「ブリューどうしたの?」


「ぐるぅうぐる」


「この粉から変な臭いがするって」


 [熊の腕]が魔道具を観察している最中ブリューは魔道具から漏れている粉に反応した。

 

 〈ふむ、これは魔道具で間違いないようじゃの。

 魔力の反応が微弱じゃが出ているようじゃ、他のスイッチのような魔道具に反応して動くもののようじゃのう〉


「やはり魔道具なのか、しかも別の魔道具に反応して動くというのは少しここにあるのは不自然か。

 これは持ち帰ってギルドに提出した方がよいみたいだな。

 ユーグ、今日はすまないがこれで魔境の森の探索を終わりにしてもよいか?

 急ぎでこの魔道具をギルドに持ち帰らないといけないみたいだからな」


「はい、もちろん大丈夫です!

 僕もこの魔道具はここにあるのはおかしいと思うので、早くギルドで調べるべきだと思います」


「ありがとう、よしじゃあこの魔道具をマジックバックに仕舞って持ち帰るか。

 帰りは急ぎで戻るから中層は魔物を避けて移動し、浅層は道中の邪魔な魔物は排除しながら進もう。

 浅層なら時間かけずに倒せるからな。

 じゃあ行くか」


 ニルスたちは魔道具をマジックバックの中に入れて、ユーグたちを連れそこから立ち去るのであった。


 ・・・・・


「おう、[熊の腕]の皆とお前はユーグだったか、今日は戻ってくるの早いんだな」


「ああ、ちょっと魔境の森であってな、急ぎで戻って来たんだ。

 とりあえず俺たちの分の依頼とユーグの分の依頼を頼むわ」


 ユーグたちは魔境の森から急いで戻り、冒険者ギルドへ到着していた。帰りの道中はほとんど魔物と遭遇せず、2体のグレーウルフのみであったためう時間をかけずに戻ることができた。まずは依頼を報告するため解体場に来て職員に依頼の素材と依頼票、ギルドカードを渡す。


「ふむ、何か事情があるみたいだな。

 よし依頼はこれでいいぞ。

 早く受付へ行って報告してこい」


 ニルスが詳しくは説明せずに話すと職員は何かの察知しすぐに依頼の処理をしてくれた。


「ありがとう。

 じゃあ受付へ行こうか」


 ニルスたちとユーグは依頼票とギルドカードを受け取り受付へと向かった。


「あら?[熊の腕]の皆さんとユーグ君ですか、ずいぶんと早いお帰りですね」


 ユーグたちが受付へと向かうとちょうどナディネがカウンターに立ち仕事をしていた。


「そうなんですよ、また支部長に直接相談することができて、今度は魔境の森のことで」


「魔境の森ですか、それは早急に話した方が良さそうですね。

 でも今支部長は外出中でして戻ってくるのはいつになるのかわからないですよね。

 急ぎの話のようなので私だけでも大丈夫ですか?」


「もちろんです。

 あっでもその前に依頼の完了を終えていいですか?」


「はい、では依頼票とギルドカードをよろしくお願いします」


 ニルスとユーグはそれぞれ依頼票とギルドカードをナディネに渡す。ナディネは渡された依頼票とギルドカードを手元の魔道具に通し確認をする。

 

「はい、確認を終わりましたのでギルドカードとこれが報酬金です。

 それでは2階の応接室へ案内しますね」


 ナディネは[熊の腕]とユーグたちを連れ2階へと上がった。


「それで魔境の森では何があったのですか?」


 2階へと上がり応接室に案内されたユーグたちにナディネは訊ねる。

 

「はい、ユーグと一緒に依頼を受けて魔境の森に入ったのですか……」 


 ニルスは簡潔に話をまとめアイスボアたちがおかしな挙動をしていたこととその場で魔道具らしきものがあったことを話す。


「そんなことが、確かにアイスボアは自ら人を襲う魔物ではないですが、攻撃を受けたなら反撃出るのが普通。

 それが無視して何かに集中するとは異常な行動ですね」


「はい、それでそのことの報告と魔道具を持ち帰って来たのでなるべく早く見てもらおうと思って」


 そう言うとニルスはマジックバックからアイスボアの近くにあった魔道具を取り出す。


「これがその魔道具ですか。

 確かに微弱の魔力を感じますね。

 私では魔道具にそこまで詳しくはないのでこれ以上はわからないですが、もし冒険者ギルドへ提出なされるのでしたら支部長に報告したのちにたぶん軍の調査部へと回されると思いますけどよろしいですか?

 今ならまだあなた方の方で戦利品として処理することもできますけど」


「はい、それで問題はないです。

 俺たちで所持していても使い道はないですし、売れてもそこまではしないでしょうし。

 それに魔境の森に何か異変が起きてるとしたらその魔道具が原因になりそうですから、早めの解析をして方がいいですしね」


「ユーグ君もそれで大丈夫かしら?」


「はい、大丈夫です」


〈その魔道具じゃがナディネも感じたように微量の魔力を流しておるのじゃが、本来は魔力は使うときに流れるもんじゃ。

 それが常に流れておるのは別のスイッチのような魔道具と関係があるとわしは見ておる。

 じゃから魔道具を作動させないために魔力を遮断させる何かで覆った方がいいじゃろ〉


 ソタがナディネに魔道具で分かっていることを説明する。


「わかりました。

 冒険者ギルドにもソタ様が言うような魔力を遮断する道具があるので、そのように手配しておきます。

 このほかに何か魔境の森でおかしなことはなかったですか?」


「そうですね……。

 あっそう言えば、中層域と浅層域の境目のところに魔物がほとんどいなかったですけど、これは別におかしなことではないですよね?

 珍しいこととはいえたまにはあることなんで」


「でもそのあとにアイスボアとその魔道具を見つけたので、何か関連性があるのか少し疑っています」


 ニルスとロッテがアイスボアと出会う直前の出来事についてナディネに話す。


「そうですか、今ここでは確実な断定はできませんが、関連があってもおかしくはありませんね。

 ただその場合もこの魔道具が原因なのか何かほかに要因があるのかは解析を待たないとわからないです」


「わかりました、とりあえず今回起きたことはこの2つくらいなんですけど……、ユーグも何か気づいたことはないか?」


「僕は浅層までしか行ったことなかったので中層のことはわからないんですけど、浅層はいつもと変わらなかったと思います。

 ただその魔道具から漏れている粉にブリューが反応していたのでその粉も何かあるのかと、ブリュー曰く変な臭いがするそうです」


「変な臭いですか?

 うーん、私では何も臭わないですね。

 [熊の腕の]の皆さんはどうですか?」


「どうですかね?

 ちょっと嗅いでみますね」


 ナディネの問いに[熊の腕]のニルス、ロッテ、カールはそれぞれ粉に近づき臭いを嗅ぐ。


「ダメですね。

 人族やエルフよりは獣人の方が嗅覚が鋭いですけど何も臭わないですね」


「私もダメね」 「俺もだ」 


「わかりました。

 この粉も調査するように手配します」 

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