ー魔境の森ー~中層~
連載再開です!
まだストックが少ないので今週は
月水金
の投稿です。
「ふぅ、これで10体目ですね。
思ったより早く集められたかな?」
「まぁこんなもんだろ、よし早めに昼休憩を取ったら中層に行こうか」
ユーグたちは最初にマジックフォックスを遭遇してからそれほど時間をかけずに続々とマジックフォックスだけを狩り、依頼の分量である10体のマジックフォックスの討伐に成功していた。マジックフォックス以外の魔物もブリューやユーグ、カールの探知には引っかかっていたが、事前に確認していたようにそれらは避けて行動していた。
「そういえば僕まだ魔境の森で1日過ごしたことないんですけど、どうやってお昼や休憩を取るんですか?」
「ああ、それはな普通の森の時と同じで魔除けの石を使うんだよ。
浅層ならこれを使えば魔物は寄って来ないからな、まぁそれでも魔境の森だから匂いを出すような食事は出来ないんだがな」
「へぇー、そうなんですね。
まだ魔除けの石持ってないんですけど買った方が良いですよね?」
「そうなのか?
まぁ持っておいて損はないから買う金があるなら買った方がいいが、ユーグは森の中で生活していた時はどういう風にしていたんだ?」
ユーグはグリムノーデンに来てからまだダンジョンでしか野営含め魔物がいる場での長時間の休憩をしたことがなかった。ダンジョンではある程度魔物の活動範囲は限られているかつ魔物を倒したら再びその場で魔物が現れるまで時間がかかるため、その間に魔除けの石等がなくても休憩が取れるのであった。野営をする場合もダンジョンの難度にもよるが、入り口のあたりもしくは階段の付近には近づいて来ないためそこで取ることが多い。
「森の中ですか?
そうですね、洞窟を生活の拠点にしていた時は基本的にはその洞窟付近で行動してすぐ帰って来れるようにしてました。
そこから移動するようになってから野営や休憩の時はブリューやソタが周りを警戒してくれたので大丈夫でしたね」
〈あの森じゃとブリューの気配を感じて近づいてくる魔物はほとんどおらんかったからのう。
じゃからそれでも平気じゃったが、魔境の森じゃとちぃと難しいかもしれん〉
ユーグが生活していた森や移動したときに通った森などは強くてもアイアンランクまでの魔物がほとんどでそう言った魔物はブリューの気配を感じると位階の差を感じ近寄って来なかった。そのためユーグは魔除けの石のような道具がなくても平気であったのである。
「そっか、それなら買わないとダメだね。
戻ったらこないだ行った商会に行かないとだね」
「話は終わったかしら?
もう魔除けの石は配置したから休憩しましょう」
「あっ、すみません、ありがとうございます」
ユーグたちは魔境の森浅層域で休憩を取るのであった。
・・・・・
「地図上だとここからが中層だな。
まぁ魔物の活動範囲だったら中層の魔物でも中層域の近くだったら浅層でも行動することがあるからな。
逆もあり得るから浅層の魔物がいたから勘違いするなよ、それでも中層の方が危険な魔物が多いから活動するときは気をつけろよ」
「ここが中層か……。
雰囲気とかはあまり浅層と変わらないですね」
ユーグたちは浅層での休憩を終え中層へと入っていた。中層も浅層とはあまり変わりなく地図がなければわからないほどであった。この間魔物気配は近くにはなく、近づいてくる魔物もいなかった。
「まだここは浅層と近いからな。
自然の魔力の量もそんなに変わりはないし、こんなもんだよ」
「でもね奥に行けば徐々に魔力の量も増えていくから森の雰囲気も大分変わってくるのよ」
「俺たちでも深層の浅いところしか行ったことないからその先のことはわからんけどな。
それでもこことはかなり違うのはわかるな」
「へぇー、そうなんですね」
[熊の腕]の面々はユーグに中層や魔境の森について説明しながら進んで行く。
「うーん、あまり魔物の気配が感じられないな。
カールやユーグはどうだ?」
「俺もあんま感じられないな。
遠くの方にはかすかに感じられる程度だな」
「僕もそうですね。
感知できる範囲内にはいないっぽいですね」
「そうか、中層でこれほど魔物がいないのも珍しいのだが……。
カール遠くの方っていうのはどこの方角だ?」
「こっちの方だな、しかし気配が微妙すぎてアイスボアとは判断できん」
カールはユーグたちが来た逆の方を指差す。
「ぐるぅるぅう」
「ブリューもそっちの方向からかすかに魔物の臭いを感じるそうです。
ただ初めてなのでそれが度の魔物かはわからないみたいで」
「そうか、最初は浅層の近くで中層の魔物と戦いたかったんだが、しょうがないか。
アイスボアならこの辺でもいると思ったんだけどな。
よし奥へ進むとするか、カールとブリューは魔物の方へ案内してくれ」
ユーグたちはカールを先頭に中層を奥へと向かった。
・・・
「もう少しでアイスボアが見えてくるぞ」
中層を奥へと進みところどころカールとブリューの案内で魔物の気配があるとこへユーグたちは来ていた。途中近づいたためカールが魔物の判別がつき狙っていた魔物であるアイスボアであることが確定していた。
「見えてきたな、あれがアイスボアだ。
ここ中層ではアイツが最も数が多い魔物だな」
アイスボアはイノシシ形の魔物で討伐ランクはシルバーになる魔物である。しかし単体ではアイアンランクの冒険者パーティーでも倒すことはできるため地方によっては単体と確認出来たらアイアンランク向けに依頼は出されるところもある。イノシシというタフな身体と強靭な身体能力を持ち、氷属性という特性も持ち合わせている。けれどもその氷属性は魔法等の遠距離攻撃には使われはしない上に日の属性が弱点という欠点もあるためシルバーランク帯の魔物の中では狩りやすい魔物であった。採れる素材は肉と毛皮と魔石で個体によっては牙も採れる。
「数は3体か、ちょうど依頼の数と同じで良かったな。
ユーグたちは見つからないようにここに隠れて見ていてくれ、俺たちで相手するから」
「わかりました」
「それでどうする?
いつもの感じで大丈夫か?」
クラウスがニルスにどういった戦法で戦うのか聞く。
「そうだな、依頼の分を確実に確保しておきたいからな。
最初に早い一撃を入れて確実にダメージを与えておこうか」
「わかった、ならカールの弓で先制攻撃してから俺らで攻撃だな」
中層域に入り最初に見つけたアイスボアのためニルスは確実に倒すために素早い攻撃で相手にダメージを与える方法を取る。
「それじゃあ行くか。
カール頼むぞ」
「わかってる。
ファストシュート!ファストシュート!ファストシュート!」
カールは矢継ぎ早に矢を3本アイスボアに向けて放った。矢は闘技の力で通常の速さではありえないスピード進み、矢が放たれたのと同時にロッテが駆け出しアイスボアに近づく。
「「「……フガッ、フガッ」」」
「……アースインパクト!」
矢がアイスボアに当たるがアイスボアは特に反応を示さず、何かに集中していた。その隙にクラウスは魔法で地面に干渉しアイスボアの動きを妨害する。
「スラッシュバースト×2!……スラッシュ!」
ロッテが近づきながら闘技を放ち、まず飛ぶ斬撃で2体のアイスボアに当て、接近してからスラッシュを別のアイスボアに当てる。
「「「ゴフッ……」」」
ロッテの闘技が最後となり、アイスボアたちは動きを止め横たわるのであった。
「うん?……なんかおかしくないか?」
「どうしたんですか、ニルスさん」
「いや、なんかアイスボアたちの行動がおかしい感じがして」
「俺もそう思うぞ、ニルス。
アイツら、カールの矢が当たったのにこっちに反応せず、何かに集中してたぞ」
ニルスはアイスボアの挙動に何かを感じ、クラウスもそれに同意する。
「みんな!ちょっと、こっち来て!」
今週は月水金の投稿です。




