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ー[熊の腕]とー

今週も20時に投稿していきます。


「おはようございます!

 今日はよろしくお願いしますね」


「ぐるぅ!」 「ゴブッ!」


「おう、おはよう!

 今日はよろしくな」


 ユーグたちが『嵐豹』の受付で待っていると準備を終えた[熊の腕]が揃って客室がある2階から降りてきた。


「おはよう、ユーグ君、ソタ君、ブリュー君にブラブ君。

 今日は大船に乗った気でいて大丈夫だからね」


「おい、ロッテそんな大口叩いてユーグに酷い面見せても助けないぞ」


「大丈夫よ、クラウス。

 今日はいつもより準備をきちんとしてるから失敗はしないわよ」


「ならいつもちゃんとしてくれよ、失敗のフォローするのも大変なんだぞ。

 ほら見ろユーグ君たちもあきれているだろ?」


「ハハッ、そんなことないですよ。

 それよりこれから冒険者ギルドでいいんですよね?」


「ああ、そうだぞ。

 最初に冒険者ギルドに行って依頼を見てから今日の行動の確認をする感じだな」


「あっそういえば、僕まだこんなに早く冒険者ギルドに行ったことなかったです」

 

 クラウスの言葉に戸惑いながらも否定をし、これからの予定をニルスに確認する。ユーグは話しの中で早朝に冒険者ギルドに行ったことがなかったのを思い出す。


「そうなのか?

 普通はアイアンやウッドの間に依頼の早取りを経験するもんだが、流石はユーグたちだな」


「はい、ここ数日は午前中は闘技の鍛錬で午後から冒険者ギルドに行かずにそのまま魔境の森に行ってたので。

 こんなに早くは初めてです!」

 

「なら人の数に驚かないようにな、夕方よりも朝の方が冒険者ギルドは混むんだ。

 だから気をつけろよ」


「ユーグ君も冒険者ギルドに行くならシルバーランクの依頼受けてみたら?

 浅層の魔物なら中層に行く間に狩れるでしょう。

 ダメなら探せばいいんだし」


「いいんですか?」


「ああ大丈夫だ。

 ロッテが言ったように中層へ行く途中で遭遇するだろうから問題はないよ。

 じゃあそろそろ冒険者ギルドに行こうか」


「はい、わかりました。

 マリーさん、行ってきます!」


「はい、行ってらっしゃい。

 ユーグ君たちも[熊の腕]の皆も気をつけるのよ」


 ユーグたちと[熊の腕]の皆は『嵐豹』を出て冒険者ギルドへと向かう。


・・・

 

「うわっ!

 いつもより人が多い!?」


「な、言ったとおりだろ?

 この時間が一番混むからな。

 しかもシルバーランクはグリムノーデンで最も数が多いランクだから、依頼取りに行くのも大変だぞ」 


 ユーグたちが冒険者ギルドに入ると多くの冒険者が掲示板の前で依頼を見つつ受付で依頼を受けていた。その混み具合は依頼終わりの夕方の時間を超えていた。

 

「そうだな、この人数の中でユーグが依頼取りに行くのは少し危険かもな。

 ニーナ、ユーグたちに一緒に依頼見に行ってくれないか?

 ニーナが一緒なら問題も起きんだろ」


「それなら俺も一緒について行くわ。

 浅層の魔物でも遭遇しにくい魔物もいるからな、そういう依頼を選ばないようユーグに教えるわ」

 

「それはありがたい。

 頼むわ、クラウス」

 

「私もわかりました。

 じゃあユーグ君行きましょう」


「はい、ニーナさん、クラウスさんお願いします」

 

 ニーナとクラウスはユーグたちを連れてシルバーランクの掲示板の前まで行く。


「でも本当にここは人が多いな、よし依頼を見るか」


「うーん、ここからだと依頼が見えない」


「それならもう少し前の方に行きましょうか」


 人込みをかき分けユーグたちは掲示板の前に出る。ユーグは他の冒険者より小さく前に出ることは難しいことではなかったが、踏まれないように気をつけながら進む。


「少し出遅れたかな、いい依頼があんまりないな。

 仕方ないか、ユーグこれなんかどうだ?」


 クラウスは1枚の依頼票を指さしユーグに見せる。

 

「どれですか?

 えっーとマジックフォックスの毛皮の納品ですか。

 数は10枚で依頼料は1000ドーラ」


「ユーグもすでにマジックフォックスとは魔境の森で出遭ってるだろ?

 マジックフォックスはこの辺だと珍しい魔物じゃないからな、依頼料は買取価格に少し色足したくらいだけど探すほどの魔物じゃないからすぐに依頼の分の素材も集まるだろう」


「そうですね、冒険者ギルドでの依頼はあまり受けたことないんでわからないんですけど、クラウスさんが勧めてくれた依頼が良さそうなのでそれにします」


 そう言うとユーグは依頼票を手に取った。


「じゃあ受付に行きましょうか。

 この時間だと全てのカウンターが開放されているので比較的早く受付は通りますよ」


 ユーグたちはニーナに連れられ受付へと移動した。


「あっホントですね!

 いつもより職員の人が多くいますね」


 受付はニーナが言うように全てのカウンターが開放されており、冒険者ギルドの職員が依頼の受託の仕事をしていた。


「じゃあ俺たちは入口の方で待っているから依頼の受託が終わったら来てくれ。

 たぶんそろそろニルスたちも受諾が終わって来るだろうからな」


「わかりました。行ってきますね」


 ユーグたちは受付の列へと並びに行った。


 ・・・


「お待たせしました!」


 程なくしてユーグたちは依頼の受託を終え[熊の腕]の皆が集まっているところに来た。


「おう、クラウスから聞いたぞ、マジックフォックスなら中層行く途中で十分狩れるだろう」


「そうね、でももう少し難しい依頼でも良かったのに」


「だからお前じゃなくてニーナとクラウスに頼んだんだよ。

 じゃあそろそろ行くか、ここで時間取ってもしょうがないからな」


 ユーグたちと[熊の腕]は揃って魔境の森へと向かうのであった。


 ・・・


「そういえばユーグがシグルズさんと知り合う原因となった出来事冒険者ギルドの職員から聞いたぞ」


「なんか大変だったみたいじゃない、ユーグ君はあの後も大丈夫だったの?」


 グリムノーデンの門から出て魔境の森へと向かう途中にニルスたちはユーグに冒険者ギルドでの騒動について聞いてくる。


「はい、大丈夫ですよ。

 あれ以降あの冒険者パーティーとは顔も合わせてないので」


「職員が言うにはあのパーティーは冒険者ギルドにも顔出してないみたいだ。

 だが魔境の森側の門は高頻度で通っているみたいだから、なんかしらの活動はしているらしいぞ」


「そうなんですね、魔境の森でか……、あまり森の中では会いたくないですね」


「そうだな、ユーグからいたら因縁のある相手だからな、何が起こるかわからない魔境の森の中では会いたくないよな」


「でも大丈夫じゃない?

 魔境の森は広いし今回はマジックフォックス狩ったら中層に行くでしょ、あの森は奥に行くほど広くなってるからそうそうに会わないでしょ?」


「うーん、それだと良いんだがな」


 少し何かを不穏な影を感じつつニルスはそう答えるのであった。


〈ユーグよ、魔境の森へ入る前に改めてわしの紹介をした方が良いんじゃないか?〉


「ああ、そうだったね」


「うん、今の声はどこから?」


「すみません、皆さんには黙ってたわけじゃないんですが今の念話はソタです。

 実はソタは普通に会話できるんですよね」


「えっ、ソタ君の声、喋れるって」


「ちょっと待ってくれ!

 今の念話はけっこうしっかり聞こえたぞ。

 幼稚な感じもなく、ハッキリと」


「魔物中でもテイマー以外と会話できる魔物って相当高位じゃないのか?

 しかも片言じゃなくしっかりと話せるものなんてあまり聞いたことないぞ」


「「「……」」」


 ソタの声が聞こえたためハンスとクラウスは驚き声を上げる。ロッテ、ニーナ、カールは驚きのあまり立ち尽くしていた。


「そうなんですか?

 でもソタは昔からこうですし、僕ともテイムの契約が結ばれているので違うんじゃないかな?」


「そうなのか?

 俺らは魔物には詳しい方だと思ってんだが実際は違ったのか。

 でもまだ話せる魔物には会ったことないんだが」


〈わしのことはもういいじゃろ。

 そろそろ魔境の森にも着くしのう〉 

明日も20時に投稿します。

平日の5日間は投稿で、

土日はお休みさせていただきます。

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