ー魔境の森〜浅層~ー
来週も20時に投稿していきます。
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新しいショートソードについての説明を追加しました。
「おめでとうございます!
ユーグさん、魔境の森への試験合格です」
「ありがとうございます!」
「ぐるぅ!」 「ゴブ!」 〈おめでとうじゃ〉
ユーグとシグルズが稽古をした日から3日が経ち、巳の日になり魔境の森への入るための試験があった。試験までの間ユーグはシグルズに稽古で教えてもらったことと並行して勉強をし試験に臨んでいた。元々試験の内容は魔境の森の植生に関わるものであったため、森で生活をし錬金術も少しかじったことがあるユーグは短期間の勉強でも問題はなかった。その結果試験も無事に合格をもらえたのであった。
またその間に『グスタフの店』にも行き新しいショートソードを受け取りに行ったのだが、グスタフの方が急ぎの仕事が入りユーグのショートソードを作る時間が無くなったため完成まで2週間遅れることになってしまった。その分グスタフはユーグのショートソードに自身が持っていた素材を使い最初の注文より良いものを作ってくれることにはなり、ユーグは残念ながらも内心よろこぶのであった。
「それでは昇格の時と同様にギルドカードへ情報を加えるので、この魔道具にお願いします」
職員はそう言うと四角いいつもの魔道具をカウンターの上に置いた。ユーグはそれにギルドカードを置き、魔力を流す。そして職員が魔道具を操作し情報を書き込んだ。
「はい、これでユーグさんは魔境の森での活動ができるようになりました。
今回の試験の内容が特に魔境の森での注意事項になりますので気をつけてください。
浅層でも通常の森よりはるかに危険な場所なので十分に準備なども怠らないようにしてくださいね」
「はい!わかりました!」
そう言ってユーグたちは受付を離れる。
〈うむ、これで魔境の森に行けるようになったのじゃ。
それでこれから今日はどうするのじゃ?〉
「うーん、何しようかな?
思ったより早く終わったからね。
あっそうだ!少し魔境の森の雰囲気でも見に行かない?
ダンジョンよりすぐに魔境の森へ行けるみたいだし」
〈そうじゃのう、ちゃんと探索を始める前に1度見に行ってもいいかもな。
時間もそこまでかからんみたいじゃし、浅層ならいざという時でも戻って来れるしのう〉
「よし、じゃあ行こうか!」
「ぐるぅ!」 「ゴブッ!」
ユーグたちは冒険者ギルドを出て北東の門へ向かう。
・・・
「君は冒険者か?
こっちの門を出るならギルドカードを出してくれ」
北東の門は南西の門と同じく衛兵の門番が門の近くにいて、門の通行を管理していた。また北東の門は南西の門と違い大きく開く門はなく人が通れる高さしかない普通の扉が通用門であった。
「はい、わかりました」
ユーグは門番にギルドカードを渡す。
「……うん、問題ないようだな。
よし、通っていいぞ。
初めて通るようだが、気をつけて探索を行うんだぞ」
「はい、今日は少し様子を見に来ただけなのですぐ戻ってきます」
「慎重に行くことはいいことだな。
もし対処できない魔物と遭遇したらすぐに逃げ出し門の付近まで戻って来るんだぞ。
浅層に出てくる魔物はこの門の付近には近寄らんからな」
「はい、アドバイスありがとうございます!
行ってきます!」
ユーグたちは北東の門を通り、グリムノーデンを出る。その先には歩いて十数分の距離に木々が生い茂る森が拡がっていた。
「あれが魔境の森か、見た感じは普通の森とそんなに変わらないね」
〈うむ、でも奥が深そうじゃのう、それに感じる魔力の量も普通の森とは違うのじゃ〉
「うん、そうだね。
色々と普通の森とは違う部分もあるみたいだから職員の人に言われたように慎重に行こう!」
ユーグたちは魔境の森へと入っていった。
・・・
「うわー、浅層でもいつもの森と全然違うね!
薬草とかもけっこう生えてるし」
〈魔力が濃いからのう、生育速度が普通の森とは違うのかもしれんな。
この薬草は魔力が多い環境を好む植物じゃしな〉
ユーグたちは魔境の森に入ってすぐの浅層で薬草の採取をしていた。今までは必要な分だけ採取し自分たちだけの分のポーションを作っていたが、魔境の森は普通の森とは違い薬草が多く生えており、その生育速度も普通の森とは違っていたのでユーグは売るためのポーションを制作するために薬草を採取していた。その時ユーグは魔物の魔力を捉える。
「うん?この魔力はウッドオウルかな?
どうする?向こうはまだこっちに気づいてない」
〈またウッドオウルか、ダンジョンでも散々戦ってきたのにまたか。
本当に多いのう〉
「数は6体くらいだね。
魔境の森での初戦闘になるから、対策方法もわかってるこのウッドオウルたちが最初の相手としてはちょうどいいと思うんだけど、どうかな?」
〈うむ、わしもそれでいいと思うのじゃ。
まぁ1つ注意するのなら、戦闘をする前に魔力探知を広げて周りに他の魔物がいないのを確認するのも忘れるじゃないぞ。
忘れてはいないと思うが、ダンジョンと違って野良の魔物は近くにおることもあるからな。
戦闘中に他の魔物がやって来て想定外の戦闘が起こるかもしれんからのう〉
「うん、忘れてないから大丈夫だよ。
じゃあもうちょっと近づこうか」
ユーグたちはウッドオウルに近づく。
〈あれだけ戦ってきたからのう、もうウッドオウルの反応範囲はだいたいは把握しているようじゃのう〉
「ダンジョンで戦ってきた魔物なら大体はわかるようになったよ!
じゃあ先手取って行こうか、ブラブも今回は魔法での攻撃をお願いね。
ブリューは討ちもらしたのがいたら対処頼むよ!」
「ゴブッ!」 「ぐるぅ!」
ブラブはこの3日間の間に約束通り近接用の武器を買ってもらっていた。その武器は先に棘が生えた丸い球状のものがあるメイスであり、ユーグが闘技のための鍛錬をしている間、一緒に鍛錬をし基本的な扱い方は学んでいた。
「よし、行こうか!
……ウォーターアロー×10!」
「……ゴブブ×5!」
ユーグの目の前に水の矢を10本現れ、ブラブの目の前に闇の矢が5本出現した。その魔法の矢はユーグたちの前で広がり、そのままウッドオウルに向かって飛ぶ。
ウッドオウルはユーグたちの魔力の高まりに気づき魔法の矢が放たれると同時に回避行動を取るべく飛行をし始める。ユーグとブラブは魔法の矢のスピードを上げ、回避行動をしたウッドオウルに向けてそのまま飛ばす。魔法の矢は6体の内5体のウッドオウルに当たり、ウッドオウルたちは地に落ちる。
「ぐるぅあ!」
上手く逃れた1体はそのまま逃げようとしたが、魔法の討ち漏らしを狙っていたブリューは自身の爪に氷爪を生やしウッドオウルを斬った。
「……ふぅ、他の魔物の反応はないね。
とりあえず今はこのウッドオウルたちは保管庫に入れてって、ブリューこの近くに川か何か水の匂いはする?」
「ぐるぅる」
「ないのか、じゃああとで解体しようか」
〈うむ、今この場だとな血の臭いで他の魔物が来るかもしれんからのう。
それでユーグこのあとはどうする?また薬草を探しにいくのか?〉
「そうだね、まだ少し暗くなるまで時間があるからもう少し探索しようか」
ユーグたちは暗くなり始めるまで魔境の森を探索する。
・・・・・
「そういえばここの解体場って使わせてくれるのかな?」
ユーグたちは魔境の森での探索を終えて冒険者ギルドに戻って来ていた。すでにギルドは帰還した冒険者で混んでいたため、ユーグは解体場の列に並んでいた。
〈うむ、見た感じスペースは余っておるように見えるのじゃ。
じゃから貸してくれるんじゃないか?
順番が回ってきたら聞いてみたらどうじゃ〉
「うん、そうするよ」
ほどなくしてユーグに順番が回ってきた。
「おう、今日は何をしに来たんだ?
依頼の報告か、それとも素材の買取もしくは解体か?」
「はい、素材の解体と買取をお願いしたいんですけど、もしここの解体場を貸してくれるのなら買取だけお願いしたいです」
「ああ、自分で解体したいのか。
解体場の貸し出しはしているぞ、1時間で10ドーラだな」
「うーん、どうなんだろう?
このウッドオウルの解体を頼んだらいくらになりますか?」
そう言って保管庫からウッドオウルに取り出す。
「ウッドオウルの解体か、基本的には解体料金はその魔物の全ての買取金額の1割だな。
だいたいウッドオウルの相場は魔石と肉で30ドーラだから、3ドーラだな。
ウッドオウルの解体なら4体以上なら貸し出しの方がお得だな」
土日はお休みです。
来週も20時に投稿します。




