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ーグリムノーデンのダンジョン3ー

今週から20時に投稿しています。


「ぐるぅ!」


「ブリュー、そっちの方に魔物がいるんだね。

 その魔物は今まで出遭ったことのある魔物?それとも初めて遭遇するの?」


「ぐる、ぐるぅ!」


「ペイジモンキーか、数は多くはないみたいだね。

 まだ僕の魔力察知には反応がないから正確な数はわからないけど、近づいてみようか」 

 

〈ペイジモンキーか。

 魔法を使わずに戦う練習をするんじゃな?〉


「うん、そうだよ。

 ブリューの嗅覚だと、数は少ないみたいだからね。

 まぁブリューの生命察知ももう少し近づかないとわからないから正確ではないけど」

  

 ホワイトアーミンを倒した場所から移動してさほど時間を要しないで次の魔物をブリューが発見した。まだ生命察知や魔力察知では反応を捉えられていないが、ブリューの嗅覚でペイジモンキーだとわかった。ユーグたちはペイジモンキーとはすでに遭遇し、倒したことから今度は魔法なしで戦うことを目的としてペイジモンキーに近づく。


 ・・・・・


「うん、確かにペイジモンキーだ。数は2体だね」


〈2匹ならブラブの魔法の助けがあれば、余裕を持って対峙できるのう〉


「ホントはこっちに気づかれない内に先制攻撃をした方がいいんだけど、魔法を使わずに剣で戦う練習だからね。

 ブリューと僕がペイジモンキーに突っ込むからブラブは魔法でサポートしてね。

 魔法を使うのは僕たちがペイジモンキーと対峙してからでいいからね」


「ゴブ!」 「ぐる!」


「じゃあ行くよ!」 「ぐるぁぁぁ!」


 ユーグとブリューはペイジモンキーに向かって剣を抜きながら走る。声を上げて走り出したためペイジモンキーたちにすぐに気づかれた。


「「ウキャ!」」


 ユーグたちに気づいたペイジモンキーたちは、こん棒を構えユーグたちに備える。


「ハァ!」 「ぐるぁ!」


 ユーグはショートソードを振りかぶり、ペイジモンキーを斜め上から斬ろうとするが、ペイジモンキーのこん棒に止められる。ペイジモンキーはユーグのショートソードを押し返し、そのままユーグの頭を叩こうとする。


「……ゴブ!」


 しかしペイジモンキーがこん棒を振り下ろそうとした時、ブラブの闇の矢がペイジモンキーに飛ぶ。その闇の矢に気づいたペイジモンキーは振り下ろすのを止め、後ろに飛び退いて、闇の矢を避ける。


「ウキッ!」


 すぐにペイジモンキーは態勢を整え、ユーグに向かう。しかしすでにユーグも態勢を整えて迎撃の準備をしていた。


「ハァ――!」

 

「ウキウキッ!」


 ユーグは身体強化を使いながらショートソードに魔力を流し、ペイジモンキーのこん棒をガードする。ペイジモンキーは2回連続してこん棒を振り下ろしたが、それはショートソードに阻まれる。


「……ゴブ×2!」


「ウキャ!?」


 ペイジモンキーがこん棒を振り下ろしている間にブラブは闇の矢を2本ペイジモンキーに放つ。ペイジモンキーはユーグに注意を向いていたため、闇の矢への対応が遅れ、2本ともペイジモンキーに突き刺さる。


「ハァ!」


「ウギャァー」


 闇の矢が突き刺さり、痛みで驚き一瞬ユーグへの注意が逸れた瞬間にユーグはショートソードでペイジモンキーを斜め斬りにする。ペイジモンキーは断末魔の叫びを上げ、そのまま倒れる。ペイジモンキーはすぐに黒い煙へと変わり、魔石へと変わった。

 

「ふぅ、剣だけだと中々大変だったよ。

 ブリューの方は、もう終わってるか」


「ぐるぅ!」


 ペイジモンキーを倒したユーグは残心しながらブリューの方を見る。ブリューは最初の攻撃の時点で、ペイジモンキーのこん棒を受けながら噛みつき、そのまま倒していた。


「流石にブリューはこういった魔物はものともしないか。

 それとありがとうブラブ、ナイスアシストだったよ!」


「ゴブ!」


〈ブラブの魔法のサポートは良かったのじゃ、ユーグも最初から身体強化を使っていたらペイジモンキーに押し負けることもなかったはずじゃの。

 まぁ剣に魔力を流してこん棒をガードしたのは良かったの、流していなければ剣にダメージが入ったかもしれんからのう〉


「いつも魔法ばかりだったから、身体強化を使うの忘れてたよ。

 ペイジモンキーに力で押し負けたときに気づいたよ、剣に魔力を流すのもね」


 ユーグは基本的には後衛の役割を今までしていたことが多かった。そのためとっさに身体強化を使うのに慣れていなかったのである。通常前衛で戦うものは探索時は身体強化をせずにいるが、戦闘が始まる直後に身体強化を使い、戦闘を行う。ユーグは最近はブリューが十分に前衛を熟すことが多いため、身体強化を使わずにいたため、身体強化を瞬時に使うことに慣れていなかった。


〈ユーグの魔力量は多いのじゃから、魔力切れの心配はそこまでせんでもいいが、剣に魔力を流すときは注意するのじゃよ。

 身体強化より消費は多いのじゃから〉


「うん、わかった!」


〈うむ、それじゃあ魔石を拾って先に進むか、まだ依頼の魔物には出遭ってないからの〉


 ユーグたちは魔石を拾い、再び先へ進む。


 ・・・・・


 「あっまた魔力の反応があった、これはペイジモンキーともホワイトアーミンとも違う反応だ!」


〈ふむ、新しい魔物のようじゃな。

 今回は魔法使って戦うのか?〉


 「うん、そうだね。

 初めての魔物だから慎重に対処するよ」


 〈わかっているようじゃの、ユーグよ。

 ではどんな魔物か見に行くとするかのう〉

 

 ユーグたちは新しく魔力の反応があった場所へと近づく。先ほどと同様、慎重に気づかれないよう隠密も使いながら進むと魔物が見えてきた。


「あれはキツネ?」

 

〈うむ、あれは依頼の魔物である、キツネ形の魔物マジックフォックスじゃな。

 名前の通り魔法を使う魔物じゃな〉


「あれが、依頼の魔物なんだ。

 じゃあ確実に倒さないと!」


〈気をつけるのじゃよ、ホワイトアーミンみたいに魔法を使ってくるが、あの魔物よりも魔法の扱いには長けている魔物じゃからな〉


 マジックフォックスはキツネ形の魔物で討伐ランクは同じ階層にいるホワイトアーミン、ペイジモンキーと同じアイアンランクだが、その中でも上位にいる魔物である。他の魔物より個の身体能力は劣っているが、魔力操作には長けているため身体強化を使い、同ランク帯の魔物を超えた力を持つ。それに加え魔法も使ってくるため、中々厄介な魔物である。しかしその魔法も1撃では冒険者を倒すまではいかないため、アイアンランクになりたての冒険者はマジックフォックスを相手に魔法の対処を覚える。素材は肉と毛皮、魔石である。


「よし、2体いるからね。

 いつも通り僕がウォーターバインドで拘束してから、ブリューは僕と一緒に近づいて攻撃で、ブラブは魔法でサポートね」


「ぐるぅ!」 「ゴブ!」


「よし、行くね……ウォーターバインド×2」

 

 ユーグの目の前に水の輪が現れ、マジックフォックスに向かって水の輪が飛ぶ。


 「「キャン!」」


 水の輪はマジックフォックスに当たる直前にユーグたちの存在に気づいたマジックフォックスは水の輪を避けようとしたが、一歩遅くマジックフォックスに当たり拘束する。


「ぐるぁ!」 「ハァ!」


 ……キィン


「えっ?」


 拘束されたマジックフォックスに近づいたブリューとユーグは攻撃を仕掛ける。しかしユーグのショートソードがマジックフォックスに当たる前にマジックフォックスは水の輪を破壊した。ショートソードはそのままマジックフォックスの首に向かって振り下ろされたが、甲高い音をたてて弾かれる。


「……ゴブ!」


 その様子を見ていたブラブはすぐに闇の矢を放つ。


「キュン!」


 しかし身体強化を使ったマジックフォックスを捉えることができず、避けられる。闇の矢を避けたマジックフォックスは近くで呆然と立っていたユーグに向かって襲い掛かった。

 

明日も20時に投稿します。

しばらくの間は平日の5日間は投稿で、

土日はお休みさせていただきます。

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