ーダンジョンからの帰路ー
すみません、予約投稿し忘れてました
「ぐるぁぁあ!」
呆然としたまま立っていたユーグに襲い掛かったマジックフォックスの前に白い巨体が妨害する。それはブリューであった。ブリューが対峙していたマジックフォックスはユーグと戦っていたマジックフォックス同様水の輪を破壊し、拘束を解いていたが、ブリューの圧倒的な攻撃の前にすでに魔石へと変わっていた。自身の戦いを終えたブリューはユーグの方を見ると、ユーグはただショートソードを下して立っていた。そのすぐそばでマジックフォックスがユーグに襲い掛かろうとしたため、ブリューは主を守るためにその身を呈した。
「キュン!」
身体強化を施したマジックフォックスはブリューに体当たりを食らわすが、ブリューはものともせずにマジックフォックスを睥睨する。
「ゴブ×2」
その隙にブラブは闇の矢を2本マジックフォックスに向けて放つ。
「ぐるぁ!」
「キュイン!」
闇の矢は2本ともマジックフォックスに当たらず避けられるが、避けて硬直した直後を狙ってブリューが爪の1撃を与える。その1撃はマジックフォックスの身体強化をものともせず、マジックフォックスの身体を引き裂く。マジックフォックスは動きを止め、黒い煙へと変わり、魔石を残した。
〈ユーグよ!なんじゃ今の戦いは!
お主の魔法が壊されたからといって、動きを止めおって。
戦いの途中で動きを止めるなどお主は死にたいのか!〉
「うぅん、ごめんソタ。
それにブリューもブラブも」
「ぐるぅ」 「ゴブ」
〈ったくユーグよ、お主はまだまだ未熟なんじゃから、お主の魔法を破る魔物もおるのじゃぞ。
最近は上手くいってたから慢心しおって、また戻ったら剣の鍛錬に魔法の鍛錬も追加じゃぞ〉
「うん、わかったよソタ。
今回はホントに僕が悪かったよ。
街に戻ったら今まで以上に鍛錬しないと」
〈わかったのなら、いいのじゃが。
よし、気持ちの切り替えをするのじゃ。
依頼の魔石はまだ少し足りんからのう、この階層でもう少し狩りをするか。
マジックフォックスを狩るときは今まで以上に魔力操作で魔法を強化して放出するのじゃぞ〉
「わかった。じゃあマジックフォックスを探しに行こうか」
「ぐるぅ!」 「ゴブ!」
・・・・・
その後ユーグはマジックフォックスの魔石を求めて、2階層を歩き回る。再びマジックフォックスと遭遇した際はソタの忠告通り、ユーグは元々魔力操作で通常の魔法より魔力を込めていたのをさらに魔力を入れ強化して魔法を使う。より強化された魔法に拘束されたホワイトフォックスは打つ手なしにそのままブリューとユーグに倒される。
「ふぅ、やっと依頼の個数、魔石を集め終わったね」
「ぐるぅ!」 「ゴブッ!」
ユーグたちは2回目にマジックフォックスを倒した後もペイジモンキー、ホワイトアーミンとも遭遇し、それらの魔物も倒し、依頼の個数マジックフォックスの魔石を集めた。
〈うむ、依頼の個数あれば十分じゃろ、マジックフォックスの魔石以外もあるからの、これと依頼料でそこそこは稼げとるはずじゃ〉
「じゃあもう街に帰ろうか。
薬草の依頼は元々採集してあるのを渡せばいいからね」
〈うむ、そうじゃの、今回はなかったが、薬草採集の依頼があったということはこのダンジョンにも採集できる階層があるってことじゃからな。
これ以降の階層にあるんじゃろう〉
今回受けた依頼の薬草は、森の中ではわりと浅めのところで採れるものであった。アイアンランクでも活動範囲ではあるが、通常普通の森の浅い場所は戦闘職ではないものや村や町の狩人が入るとこでもあった。しかし今回の依頼はアイアンランクでの依頼であったため、ソタはダンジョンでも採集できるとこがあるゆえに出されたものだと考えた。
「へぇー!また次に来るときはそこの階層まで行きたいね!
どんなのが採れるんだろう?」
〈それは行かんとわからんな。
まぁでも冒険者ギルドには資料か何かがあるんじゃないのかのう。
そこも情報収集の練習じゃな〉
「うん、そうだね。
冒険者ギルドの職員の人に聞いてみるよ!」
ユーグたちは会話をしながら来た道を通り、ダンジョンの入口に戻る。帰りの道中でも何体かの魔物と遭遇したが、魔法で全て倒し魔石を回収する。ダンジョンから出ると昼過ぎくらいの時間であった。
「そういえばお昼食べてなかったね」
「ぐる!」
「ちゃんとしたご飯はグリムノーデンの冒険者ギルドに行ってから食べようね。
でも屋台で少し何か食べようね」
ダンジョンにいたため、昼食を食べ忘れていたユーグたち。その中でもブリューは昼食の話が出た瞬間にキラキラした目でユーグを見る。ブリューの期待に応えないわけにはいかず、屋台に寄ることになった。
「じゃあ早く帰ろうか!帰りも走って行こう!」
ユーグたちは行きと同じく走って帰ることに。
・・・・・
「止まれ!ってユーグたちじゃないか?
街の外にいるってことは、もうアイアンランクになったのか?」
「あっルイスさん、こんにちは!
はい、戦闘試験を合格してアイアンランクになりました」
「おう、それはおめでとうだ!」
「ありがとうございます!」
ユーグたちはグリムフォアまで戻ってきた。門のとこで門番をしていたのはルイスでユーグたちに気づき声をかける。
「ぐるぅ!」
「あっブリュー、ちょっと待ってね。
すみません、ルイスさん。ちょっとお昼を食べ忘れてしまって、ブリューが我慢できないみたいなんで」
「おう、そうかそれは大変だ。
じゃあギルドカードを出してくれ」
「はい!これお願いします」
ブリューが我慢できずにユーグに訴えかける。その願いに苦笑いしながらユーグはルイスに事情を説明し、ギルドカードを提示する。
「よし、これで大丈夫だ。
中に入っていいぞ!」
「ありがとうございます。
またお願いします!」
ユーグたちはルイスに別れを告げ、グリムフォアの中に入った。
・・・・・
「うわー、もうこんなに混んでる!
朝より人が多いよ!」
ユーグたちはグリムフォアを素通りし、グリムノーデンの冒険者ギルドまで戻ってきた。途中ブリューのために屋台で串焼きを買い、ブリューはユーグの近くで小型化した状態で食べながら待っている。
〈うむ、この時間がだいたい冒険者ギルドが混む時間なのか。
今度からは時間をずらして来るとするかのう〉
「そうだね、こんなに混んでると僕たちは邪魔になっちゃうもんね」
ユーグたちが冒険者ギルドに戻ってきた時間は、ユーグたちのように帰還し依頼の報告をしに来る時間であった。その結果ギルド内は冒険者で溢れかえっていた。
ユーグたちと違って普通の冒険者は体格があり、大きいものが多い。そのためユーグは小型化したブリューを含め小さい自分たちがこの時間では邪魔になると考えていた。
「あっそういえば、依頼の素材は解体場に持って行くんだった!」
〈じゃあその解体場に行くとするか、まぁそこも混んでいそうがな〉
ユーグは依頼の納品を解体場ですることを思い出し、解体場に向かうことにした。
・・・・・
「うわっ!ここも人でいっぱいだ」
〈そうじゃのう、仕方ないのじゃ、列に並ぶとしよう〉
冒険者ギルドの受付がそうであったように、解体場も案の定混んでいた。ユーグはその中で目についた列に並ぶことにした。
「おう、待たせたな!
依頼の報告ならギルドカードと依頼票、依頼の素材を、素材買取なら素材だけを頼む」
しばらくするとユーグの番になり、職員が依頼の報告と素材買取の案内をする。
「えっーと、ギルドカードと依頼票、素材はこれです!
それと魔石だけの買取もしてますか?」
「ああ、もちろんだ。ここで提出して大丈夫だぞ」
明日は忘れずに20時に投稿します!




