ーグリムノーデンのダンジョン2ー
今日から20時に投稿しています。
「うわー!
2階層はまた全然違うね!
洞窟の中だったのに、ここは外みたいだ!」
〈これがダンジョンじゃよ。
魔素、魔力を使って周りの環境を再現した空間を作り出す、同じ階層型のダンジョンでもこのダンジョンのように階層によっては全く異なる空間になるのじゃよ〉
階層型ダンジョンは魔素、魔力を使いそのダンジョンができた周囲の環境を階層という複数の空間に再現する。そのため階層によっては異なる環境を再現されることもある。グリムノーデンのダンジョンはそういったダンジョンであり、1階層は洞窟タイプの階層であったが2階層は草原タイプの階層になっていた。
「ホントに凄いや、さっきまで洞窟の中だったのに階段を下りたら、もう外で太陽もある!」
「ぐるぅ!」 「ゴブブ!」
さきほどまで薄暗く窮屈な洞窟タイプの空間にいたこともあり、明るく広い草原タイプにブリューたちも興奮を抑えきれない。
〈コラコラ、ブリューたちも少しは落ち着くのじゃ!
ここにも罠はあるからな、気をつけて進むのじゃよ〉
「ぐるぅ」 「ゴブ」
その様子を見て、ソタは注意をする。その注意を受け少し落ち着いたブリューたちとユーグは先へ進む。
・・・・・
「あっこの先に何か魔力の反応がある。
たぶん魔物かな?」
〈ふむ、この反応は魔物じゃな。
見たところまだ出遭ってない魔物のようじゃのう。
少し慎重に動くのじゃ〉
1階層への階段からユーグたちが移動してからすぐにユーグは何かの魔力の反応を見つける。ソタもその反応を確かめ、魔物と断定する。ソタの見立てではまだ出遭ったことの魔物だったため慎重に動くことに。
「あれはサル型の魔物だね」
〈そうじゃの、あれはペイジモンキーじゃ。
武器を使うサル形の魔物じゃが、ダンジョンの中だとこん棒で戦うみたいじゃの〉
ユーグたちが見つけた魔力の反応はソタの言う通り魔物のものであった。その魔物はサル形の魔物でペイジモンキーと呼ばれる魔物であった。
ペイジモンキーは討伐ランクはアイアンランクで武器を手に取り戦う魔物である。武器を手に取り戦うのはゴブリンと似ているが、ゴブリンより膂力はあり、武器を使う技量もある。そのため対峙するのにある程度の戦闘技能が必要ではあるが、最低限の戦闘技量があれば討伐できるため討伐ランクはアイアンランクになっている。ちなみにゴブリンは1番下の下位種であれば武器を持った大人で討伐できるため討伐ランクはウッドランクである。ペイジモンキーから取れる素材はあまりなく、魔石と肉が最低限の価格で売れるくらいである。また所持している武器もものによっては買い取れるものもある。
「ペイジモンキーって言うんだ。
ちょうど3体いるから1対1で戦おうか!」
「ぐる!」 「ゴブ!」
「でもその前に……ウォーターバインド×3
よし!行くよ!」
「ぐるぁぁ!」 「ゴブァァ!」
ユーグは攻撃を仕掛ける前に水の輪を3つペイジモンキーたちに飛ばす。水の輪が飛ぶのと同時にユーグは号令をかけ、ユーグたちはペイジモンキーに突撃する。
「「「ウキッ!?」」」
「ハッ!」 「ぐるっ!」 「……ゴブブ×2」
水の輪がペイジモンキーたちを捉える。突然の魔法に驚き動こうとするが、水の輪で動きを止められる。その隙にブリューとユーグはペイジモンキーに近づき、ブリューは自身の爪で、ユーグはショートソードでペイジモンキーの首を斬る。ブラブは土の矢を2本飛ばし、ペイジモンキーに当てる。そのままペイジモンキーたちは倒れ、黒い煙となり魔石を残した。
「あれ?簡単に倒せちゃった」
「ぐる?」 「ゴブ?」
〈そりゃユーグが魔法を使えば簡単に倒せるじゃろうな。
お主の魔法自体はあまり大したものじゃないが、魔力操作で本来のものより強くなっておるからのう。
ブリューの強さもペイジモンキーを優に超えておるし、アイアンランク程度のものならこんなもんじゃろ〉
「そうなんだ、それなら剣だけで戦った方が良かったかも」
〈そうじゃな、初めて遭遇する魔物は魔法を使って、今まで出遭った魔物は相手のレベルに合わせて戦えばええじゃろ。
ペイジモンキーならユーグも近接で戦ってブラブが魔法でサポートする形でちょうど良いのじゃ〉
「うん、わかった」
〈魔石を拾い終わったなら、先に進むとするか〉
ユーグたちはペイジモンキーの魔石を拾い集め、また先へ進む。
・・・・・
「あっまた反応があった。
魔物っぽい反応だけど、ペイジモンキーとはまた違ったものだね」
〈うむ、そうじゃのう、ペイジモンキーではないのなら見える位置まで行って確認するか〉
「そうしようか」
ユーグたちは移動し、反応があった魔物を確認しに行く。
「あれはなんだろう?
けっこう小さい魔物だね」
〈ふむ、あの魔物はイタチ形の魔物のホワイトアーミンじゃな〉
「そのままの名前なんだね」
〈アーミン系の魔物は冬季では白い毛に覆われ、種の判別が見た目だけでは難しくなるのじゃが、ホワイトアーミンは通年通して変わらない魔物なんじゃよ。
その色は扱う魔法や環境によって異なるように変化するのじゃ。ホワイトアーミンは白じゃからな、風属性の魔法を使ってくるぞ〉
ホワイトアーミンはイタチ形の魔物で見た目は白い毛を生やしているオコジョである。アーミン系の魔物はケモノ形では多くいるカラー系の魔物であり、その色は扱う属性や環境で異なる魔物である。ホワイトアーミンは通年通して毛の色は変わらないが、その他のアーミン系は珍しく季節によって毛の色が変わる魔物であった。ホワイトアーミンはその名、毛の色の通り風属性を使う。ホワイトアーミンの素材は毛皮と肉と魔石でその毛皮は白という比較的珍しいことから、討伐ランクがアイアンランクという低級ランクではあるが高値で取引される。
「風属性!?それならスピードは速いよね。
ミミックオウルくらい早く動かれると厄介だな」
〈そこまでの速さはないと思うのじゃが。
まぁまだ気づかれてないみたいじゃからな、今のうちに魔法で拘束すればええじゃろ〉
「うん、わかった。
じゃあ僕が魔法を放ったら、ブラブも魔法で攻撃して、それでも倒せなかったらブリューが仕留める感じで行こうか」
「ゴブ!」 「ぐるぅ!」
「じゃあ、行くよ!……ウォーターバインド」
「ゴブブ×2」
ユーグはホワイトアーミンに水の輪を飛ばす。その水の輪を飛ばしたあとブラブも水の矢を2本ホワイトアーミンに向け放つ。
「キュイ!?」
ユーグの水の輪はホワイトアーミンに当たり、その身を拘束する。水の輪が当たったことでユーグたちの存在に気づくが時すでに遅し。続けてブラブの水の矢が2本ホワイトアーミンに突き刺さる。ホワイトアーミンは動きを止め、黒い煙となり、魔石へと変わった。
「ふぅ、ウォーターバインド使ったから楽に倒せたね。
やっぱり動きを止めさせてからの攻撃は強いね」
〈そうじゃのう、ホワイトアーミンのように動きが速い魔物は耐久が低いからのう、ユーグたちの攻撃なら当たれば1発でも倒せるじゃろ。
でもバインド系を使わずに倒すのは少し今のユーグたちは難しいかもじゃな。
ペイジモンキーなら十分に倒せるのじゃが〉
「やっぱそうだよね。
もう少し魔法も覚えないとね、あと剣もね!」
「ぐるぅ!」 「ゴブ!」
「ブリューもブラブも頑張って魔法を覚えたり魔力操作も頑張って一緒に強くなろうね」
〈うむ、その意気じゃな〉
ユーグは、今回の戦闘では拘束系の魔法が上手く当たったことでホワイトアーミンの長所である素早さを封じることができ楽に討伐できた。しかし拘束系の魔法なしではホワイトアーミンのような素早い魔物を倒すのは少し困難になるというソタの意見を、素直に受け入れブリュー、ブラブと一緒に強くなろうとユーグは誓うのであった。
明日も20時に投稿します。
しばらくの間は平日の5日間は投稿で、
土日はお休みさせていただきます。




