表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/87

憧れのOLライフ!

午前中の北海道支部は、穏やかな空気に包まれていた。

白峰澪はデスクに積まれた資料の山を前に、気合を入れて袖をまくっていた。

書類整理という、地味で繰り返しの多い作業が、激しい戦いの後の自分には不思議と新鮮に感じられた。

ページをめくり、内容を確認し、ホッチキスで留め、ファイルに仕分けていく——そんな単調な動作を繰り返しながらも、白峰は丁寧に手を動かしていた。

隣では御堂奏が優雅な手つきで書類を整理し、少し離れた席では雪華が派手な動きでファイルを振り回しながら「はーい、次はこれね~!」と楽しげに声を上げている。

「雪華さん、ちょっとその束、重すぎますよ……!」

白峰が慌てて止めに入ると、雪華は扇子をパチンと開いて笑った。

「大丈夫大丈夫! 雪華ちゃん、力持ちなんだから~♪

ほら、白峰ちゃんももっとテキパキいかないと、お昼までに終わらないわよ?」

御堂は書類を丁寧にまとめながら、くすっと小さく笑った。

「雪華さんは本当に元気ですわね。

澪ちゃんも、頑張りすぎない程度にね」

白峰は少し照れくさそうに頰を緩めながらも、手を動かし続けた。

三人で並んで作業をしていると、まるで普通のオフィスみたいに賑やかで、ほんのり温かい空気が流れていた。

書類の山が少しずつ減っていくにつれ、白峰はふと思った。

(……今日は、なんだか憧れのOLライフみたい!)


午前中の作業が終わりに近づいた頃、雪華が明るく声を上げた。

「よーし! 午前中はここまでね~。

午後はお見舞いに行きましょうか!

黒崎さんと室長、きっと退屈してるはずよ♪」

御堂が優雅に髪を払いながら頷いた。

「ええ、そうね。

お見舞いに行った後、せっかくだから札幌で少しゆっくりしていきましょうか」

白峰も笑顔で頷いた。

「はい! 楽しみです」

午前中の書類整理は想像以上に体力を奪っていた。

長時間同じ姿勢で目を酷使し、肩は凝り、指先は軽い痺れを感じるほどだった。

戦いの疲労がまだ残る体に、地味で繰り返しの多い作業は予想以上に堪えていた。

しかし、雪華の明るい提案と御堂の優しい言葉を聞いた瞬間、そんな疲れがふっと軽くなった。

午後のお見舞い、そして札幌での少しの息抜けという楽しみが、疲労を忘れさせるくらい心を弾ませてくれた。

こうして、三人は午後のお見舞いへと向かう準備を始めた。

書類整理の疲れなど微塵も感じさせない、軽やかな足取りだった。

白峰はデスクの書類を最後に一束まとめながら、胸の内でそっと微笑んだ。

(……きっと楽しい一日になりそう)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ