表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/87

京都から来たエリートさん

「新入り……白峰澪、でしたね?」


その言葉に、白峰は思わず固まった。

長めの黒髪を一つにまとめ、ダークグレーのスーツを完璧に着こなした美しい女性——御堂みどう かなでは、軽く腕を組んだまま、わずかに片眉を上げてこちらを見ていた。

京都訛りの入った、品の良いけれど少しツンとした声。

その佇まいは、特対室の地下オフィスにいながら、まるで別の世界から来たような洗練された気品に満ちていた。

白峰は慌てて頭を下げた。

「は、はじめまして……白峰澪です。よろしくお願いします!」

室長の相楽剛はコーヒーをすすりながら、いつもの厳つい顔で続けた。

「こちらは京都本部から出向中のエリート、御堂 奏だ。

当面、黒崎さんの代わりに御堂とコンビを組んでもらう」

その紹介を聞いた瞬間、御堂 奏は小さく顎を上げ、誇らしげな顔をした。

自信に満ちた、どこか得意げな微笑みが唇に浮かんでいる。

白峰は内心で少し圧倒された。

(……え、こんな綺麗な人がパートナー……?)


「明日から早速、任務だ」

室長は淡々と任務の説明に入った。

「渋谷区で通り魔の被害情報が相次いでる。

目撃情報によると、被害者は皆一様に『何か大きなものに押された』と供述しているそうだ。

負の感情が溜まりに溜まって、自然発生した妖怪の仕業が濃厚だ。

3日後の新月の晩に完全顕現すると予想されてる。

まずは現地調査に行って、発生源を特定しろ。

無駄な被害を出すなよ」

室長はデスクに置かれた資料を無造作に白峰の方へ滑らせた。

白峰は資料を受け取りながら、内心で小さく動揺した。

(黒崎さんがまだ入院中なのに……いきなりエリートさんとコンビ……?

しかも明日からって……急すぎる……)


御堂 奏は優雅に微笑みながら、静かに言った。

「では、明日からよろしくお願いします。

スマートに済ませたいので、よろしくね、澪ちゃん」

その笑顔は美しく、品のある京都訛りが柔らかく響いた。

しかし、どこか余裕たっぷりで、「この程度の事件、任せておきなさい」と言われているような自信が溢れている。

同時に、彼女の視線には新入りの白峰をじっと見つめる、わずかな案じるような色が混じっていた。

まるで「この子、大丈夫かしら……」と内心で測っているかのようだった。

白峰は思わず言葉に詰まりながら、小さく頷いた。

(……この人、すごい存在感……

京都から来たエリートさんなんだ……

私なんかじゃ、足手まといにならないかな……

でも、なんだか少し心配してくれている……ような気がする)


京都から来た女性は、美しくスマートで自信満々なエリートさんだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ