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クジで決まる転生ギフト~火災で死んだ俺だけが仲間を救う側だった~  作者: たま


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3話 水の魔法使いエレナ

数ある作品の中から本作をお選びいただき、ありがとうございます。

拙い部分もあるかと思いますが、最後までお楽しみいただければ嬉しいです。

3話 水の魔法使いエレナ

ゴブリンロードが地面を踏み砕きながら突進してくる。

ドン、ドン、ドン。

その足音だけで恐怖を感じるほどの威圧感だった。

リュウは歯を食いしばる。

「……でかすぎだろ」

普通のゴブリンの二倍はある。

筋肉の塊のような体。

手には巨大な棍棒。

農民は完全に腰を抜かしていた。

「に、逃げてくれ……!」

だがリュウは首を振った。

「無理だ」

背中を見せれば一瞬で追いつかれる。

それなら——

正面から戦うしかない。

リュウは魔力を集中させた。

体の中で三つの力が渦巻く。

風。

水。

火。

「三つ同時に……できるのか?」

試したことはない。

だが、なぜかできる気がした。

ゴブリンロードが棍棒を振り上げる。

「グォォォ!!」

振り下ろされる。

リュウは叫んだ。

「風の加護!」

体が軽くなる。

一瞬で横へ跳んだ。

ドゴォン!!

地面が砕ける。

その隙にリュウは手を突き出した。

「火球!!」

炎の塊が飛ぶ。

ドン!

ゴブリンロードの胸に直撃。

だが——

「……効いてない!?」

炎が弾かれた。

皮膚が硬すぎる。

ゴブリンロードが怒りの咆哮を上げた。

「グアアア!!」

再び棍棒が振り上がる。

その瞬間。

森の奥から声が響いた。

「水槍!」

次の瞬間。

空気を裂く音。

シュン!!

鋭い水の槍が飛び、ゴブリンロードの肩に突き刺さった。

「グォ!?」

魔物がよろめく。

リュウは驚いて振り向いた。

そこに立っていたのは——

少女だった。

長い金色の髪。

澄んだ青い瞳。

白と青のローブ。

そして手には、木の杖。

「大丈夫!?」

少女が叫ぶ。

リュウは一瞬言葉を失った。

「……エルフ?」

耳が少し長い。

だが人間にも見える。

不思議な美しさだった。

ゴブリンロードが怒り狂う。

「グルルル!!」

少女へ突進。

だが少女は落ち着いていた。

杖を掲げる。

「水壁!」

地面から水が湧き上がる。

ドン!!

ゴブリンロードが水の壁に激突した。

リュウは思わず叫んだ。

「今だ!」

少女が頷く。

二人の視線が合う。

一瞬で理解した。

——共闘。

リュウは魔力を集中させた。

「風刃!」

空気の刃が飛ぶ。

ゴブリンロードの腕を切り裂く。

「グォオオ!」

怯んだ瞬間。

少女が魔法を放つ。

「水槍!!」

今度は胸に直撃。

魔物が後ろへ下がる。

だがまだ倒れない。

リュウは拳を握った。

「だったら……」

体の中の三つの魔力を一つにまとめる。

風。

水。

火。

少女が驚いた顔をする。

「三属性……?」

リュウは叫んだ。

「これで終わりだ!」

三つの力が渦を巻く。

炎が風に包まれ、水の圧力で凝縮される。

リュウは手を突き出した。

「トリニティ・バースト!!」

光が弾けた。

轟音。

爆風。

ゴブリンロードの体が吹き飛ぶ。

数メートル先の地面に叩きつけられた。

そして——

動かなくなった。

静寂。

風が草を揺らす。

リュウは大きく息を吐いた。

「……倒した」

少女がゆっくり近づいてくる。

驚いた顔をしていた。

「すごい……」

そして少し笑った。

「三属性魔法なんて、初めて見た」

リュウは苦笑した。

「俺も初めて使った」

少女は杖を胸の前で握った。

「私はエレナ」

「この近くの村に住んでる」

青い瞳がリュウを見る。

「あなたは?」

リュウは少し迷った。

異世界だ。

本当のことを言うべきか。

だが。

不思議と、この少女には隠したくなかった。

「リュウ」

「……異世界から来た」

エレナの目が丸くなる。

だが。

なぜか笑った。

「そういう顔してると思った」

「え?」

「この世界の人じゃないって」

風が吹く。

森が揺れる。

エレナは真剣な顔になった。

「でも、ちょうどよかった」

「え?」

エレナは静かに言った。

「最近この森、魔物が増えてる」

「しかも普通じゃない」

リュウは眉をひそめた。

「普通じゃない?」

エレナは小さく頷く。

「誰かが操ってるみたいなの」

その瞬間。

リュウの頭にあの声がよみがえった。

仲間を救え

胸の奥がざわつく。

エレナが言った。

「村に来て」

「あなたの力、必要になると思う」

リュウは空を見上げた。

異世界の空。

ここから。

すべてが始まる。

そしてまだ知らない。

この戦いが——

仲間の魂を救う旅につながることを。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたなら、

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