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第33話:『死角の暗号』

     1. (起:現在)

【暗い地下通路。キヨシは、かつて自分が仕掛けた「暗号」を思い出している。】


キヨシ 「(……あの日、俺が図書室に隠したあの資料。まさか、自ら取り出して他の者に見せることになるとは……)」


【回想:深夜の図書室。誰にも見られないよう、入り口脇の棚に屈み込むキヨシ。】


     2. (承:暗号の全貌)

【図書室に入り振り返る。人指し指で側頭部を叩くキヨシ。】


キヨシ 「(暗号は R05-B01-L01-P35。……ドアを起点に右5列、最下段、左端の本。35ページ……。ここなら、屋敷の誰も気づかない。緊急時、俺が真っ先に回収して逃げられる場所だ)」


【一度はそこに隠し、完璧な隠匿を完了したキヨシ。】


     3. (転:ヴァレットの懐柔)

【しかし数日前、書斎での話し合い。ヴァレットが「忠誠」を盾に提案してくる。】


ヴァレット 「キヨシ、その暗号がバレればお前自身が真っ先に狙われる。資料は私が預かり、万が一の時は私が盾となろう。どうか、私を……ファミリーを信じて託してくれないか?」


【その「覚悟」に打たれ、キヨシは自ら図書室の隠し場所から資料を出し、ヴァレットに手渡してしまう。】


     4. (結:現在の恐怖)

【回想終了。現在の地下通路。キヨシは絶望に近い表情で背後の闇を睨む。】


キヨシ 「(俺が自分の手で、虎口に毒を放り込んでしまったのかもしれない。ヴァレットさん……頼む、俺の勘違いであってくれ……!)」


(最善の策が、最悪の罠に変わる瞬間――。)

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