表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/42

第32話:『密語の行方』

     1.(起)

【地下通路の暗がり。ヴァレットが、不審な物音の正体を確かめるため闇の奥へと消える。その姿を見届けたキヨシがハルに寄り添い、声を潜めて耳打ちする。】


キヨシ 「ハル、少しいいか。……ヴァレットさんのことだ。元軍人としての勘だが、あの人は何かを隠している気がする」


【ハルは目を見開く。そして……神妙に頷いた。】


ハル 「……私も同感だわ。あの資料、保管を名乗り出た彼に預けたけれど……。怪しい……でも何も証拠がないし、憶測の域を超えていない。……ただ私の直感が『彼に気を許すな!』……そう言ってるの」


     2. (承)

【前方を歩くアランたちの背中を見据えながら、葛藤するキヨシ。】


キヨシ 「冷静に考えれば、彼と軍の繋がりなんてどこにもない。さっきだって殿しんがりを買って出てくれた。……仲間を疑うなんて、俺はどうかしているのか」


ハル 「いいえ。私も独自に調べたけれど、一つだけ引っかかることがあるの」


     3. (転)

【ハルがさらに声を潜め、確信に近い推測を口にする。】


ハル 「あの密輸船の時の将校……彼が最後に言ったわ。『タダで済むと思うなよ』と。もし彼が軍という組織ではなく、個人としてヴァレットさんに接触していたとしたら?」


【キヨシ、静かに息を呑む。】


キヨシ 「組織ではなく、個人としての接触か……!」


     4. (結)

【ハルの瞳に鋭い光が宿る。】


ハル 「ええ。あまりに直近の、個人的な繋がりであれば……私の情報網でも、まだ網の目に掛かっていない可能性があるわ」


【通路の先を見据える二人。その疑念の正しさを証明するかのように、背後の闇から冷たい風が吹き抜ける。】


(信じるべきは、仲間か。それとも「違和感」か――。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ