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第11話:『特権の行使』

      1. (起)

【ハルに叩きのめされた男Aが、震えながら白状する。】


男A 「わ、分かった!……横浜の港だ!『紅龍ホンロン』っていう海外の密輸船に引き渡す手はずになってる……!」


ハル 「横浜ですって?……あなた、正気?お嬢様が消息を経ってまだ1時間も経ってないわ。まだ最寄りの駅にも着いていないわよね?」


男B 「へっ、甘いな。あのお嬢様は、すでに駅へ着いている。もうすぐ『特別仕立ての貨物便』が発車するぜ」


     2. (承)

ハル 「まさか、こんな短時間に!どういうこと?答えなさい。お嬢様をどうやって運び出した!」


【ハルは凍てつくような眼差しを男Bに向け、手刀を振りかざした。】


男B 「ひっ……! 」


男A 「ま、待て!……あの上にある『緊急用の信号所』からトロッコに乗せて、別の仲間に下の貨物駅まで運ばせた。そこにはもう、横浜行きの『特別貨物』が待っていたってわけさ」


ハル 「なんですって!」

    

【そこへ、騒ぎを聞きつけたアランとキヨシが合流する。】


アラン 「ハル! 無事か!……おい、これは一体……」


キヨシ 「……ハルさん、これ、あなたが一人で?」


【倒れている二人組とハルを見比べ、驚きを隠せないアランとキヨシ。】


ハル 「そんなことより旦那様! 急がないと、汽車が出てしまいます!」


アラン 「汽車だと!?」


     3. (転)

【ハルに制圧された男たちを横目に、事情を把握したアランは冷静に指示を飛ばす。】


アラン 「こいつらを地元警察へ突き出だすぞ。それと……我がエヴァンス家では、亡き父リチャードの代からのよしみで政府要人にちょたツテがある。この件を公にせず秘密裏の協力要請をしてみよう」


キヨシ 「……えっ!政府の要人ですか!……そんな方とお知り合いだなんて知りませんでした!」


【アランの告白にキヨシはおろか、ハルも目を見開いていた。だが、ハウスキーパーは眉ひとつ動かさなかった。その違和感をハルは見逃さなかった。】


ハル 「(ん?……ひょっとしてハウスキーパーさんは、そのことを知っていた?)」


     4. (結) 

【アランは男達の足元に落ちていた『ボタン』に気づき拾い上げた。それにはエヴァンス家の象徴である鷹の紋章が入っていた。】


アラン 「(なぜ、これがここに落ちている。まさか、こいつらが……)」


アラン 「あとで要人と駅で合流したい。ハウスキーパーは警察に残り要人とのコンタクトを頼む。そのあと屋敷に戻り、周辺の警備を固めてくれ。キヨシ!ハル!お前たちは私と一緒に来てくれ!駅に向かうぞ」


キヨシ&ハル 「はい!承知いたしました」


【アランは『ボタン』を上着のポケットへ滑り込ませた。】


アラン 「(エヴァンス邸に、内通者がいる……?)」


【指先に触れる冷たい金属の感触が、拭いきれない疑惑を煽る。】


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