第26章 — 「港町へ」
第26章 — 「港町へ」
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朔継は宿屋の前に立っていた。
背後では、エイリウェン、レイヴナ、ミレルがそれぞれのリュックを背負い、準備を整えている。朝日が彼らの頭上に輝き、新たな旅の始まりを告げていた。
「行くぞ。」
彼らは小さな町を後にして歩き出した。
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港への道は半日ほどかかった。
彼らは街道を歩いた——幅の広い土の道で、荷車の轍と馬の蹄の跡が刻まれている。道の両側には、緑の畑がどこまでも広がっている。農夫たちが田んぼで働き、黄色くなり始めた稲の上で身をかがめている。
朔継が先頭を歩く。
エイリウェンがその隣。
レイヴナとミレルが後ろからついてくる。
「港町の名前は何だ?」と朔継が尋ねた。
「ヴァルドリス港だ」とレイヴナが答える。「この南方地域で最大の町だ。すべての海上交易はあの町を通る。」
「始原島に行ける船はあるのか?」
レイヴナは首を振った。
「わからない。あそこへ行く船の話は聞いたことがない。しかしもし知っている者がいれば、それはヴァルドリスにいるはずだ。」
朔継はうなずいた。
彼らは歩き続けた。
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数時間後、彼らは小さな丘の上に到着した。
目の前には——海が広がっている。
青い。広い。果てしない。
海辺には、一つの町が立っていた——大きな港町で、木製の桟橋が海へと突き出し、船が桟橋に沿って係留され、背後には高い石造りの建物がそびえている。
ヴァルドリス港。
朔継は丘の上に立ち、その港町を見下ろした。
「……思っていたより大きい。」
レイヴナが微笑んだ。
「ヴァルドリスはこの地域で最大の港の一つだ。様々な王国から船が交易に訪れる。」
エイリウェンは警戒した様子で町を観察した。
「人が多い。様々な種族がいる。隠れるには良い場所だ——同時に注目を集めるのにも良い場所でもある。」
朔継はうなずいた。
「気をつけよう。」
彼らは丘を下りて町へ向かった。
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ヴァルドリスの城門は、先ほどの町のものとは異なっていた。
より大きく。より高い。頑丈な灰色の石で造られ、両側に見張り塔が立っている。門の上には、青い旗が翻っている——船と錨の紋章が、海風に揺れている。
門の衛兵たちは——先ほどの町よりも多い。彼らは入ってくる者全員を注意深く検査している。
朔継が近づく。
一人の衛兵——大柄な男で、濃い髭を生やしている——が疑わしそうに彼を見つめた。
「目的は?」
「船を探している。」
「何の船だ?」
「北東への航海だ。」
衛兵は眉をひそめた。
「北東? 北東には何もないぞ。海と霧だけだ。」
「行く理由がある。」
衛兵は一行を観察した——簡素な服装の朔継、濃い青色のローブのエイリウェン、腰に剣を佩いたレイヴナ、そして手にぬいぐるみを握るミレル。
「……変わった連中だな。しかし悪人には見えん。通っていいぞ。」
朔継はうなずいた。
「ありがとう。」
彼らは門をくぐった。
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港町は活気に満ちていた。
先ほどの町よりもはるかに生きている。
商人たちが商品を叫んで売っている——新鮮な魚、香辛料、絹織物、金属、そして見たことのない様々な品々。
桟橋には、帆をたたんだ大型の船が係留されている。甲板の上では船員たちが走り回り、箱や俵を運んでいる。
市場では、様々な種族が入り混じっている。
人間。
エルフ。
ドワーフ。
獣人。
さらには魔族も——赤い肌と頭の小さな角を持った者たちだ。
朔継はすべてを観察した。
ここは世界が交わる場所だ。
ここは交易の中心地だ。
ここは船を探すのに最適な場所だ。
彼らは桟橋沿いに歩いた。
朔継は係留されている船を観察した。商船。漁船。軍艦。すべてが異なる大きさと形をしている。
「始原島に行ける船を探す必要がある。」
レイヴナはうなずいた。
「船員ギルドで聞いてみよう。あそこなら利用可能な船の情報を知っているはずだ。」
「よし。行こう。」
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船員ギルドは主要な桟橋の近くにあった。
木造二階建ての建物で、扉の上に大きな看板が掲げられている。「ヴァルドリス船員ギルド — 1203年設立」。
朔継は扉を開けた。
内部は、木のテーブルに座ってビールを飲み、大声で話す船員たちで満ちていた。部屋の隅では、船長帽をかぶった老人が机の後ろに座り、鋭い目で彼らを見つめている。
レイヴナがその机に近づいた。
「船を探している。」
老人は彼女を見た。
「何の船だ?」
「北東への航海だ。始原島へ。」
老人は沈黙した。
その目——灰色——が読み取りにくい表情でレイヴナを見つめた。
「……始原島だと?」
「ああ。」
老人は首を振った。
「始原島へ行く船なんてない。」
レイヴナは眉をひそめた。
「ない?」
「ない。定期便もない。商船もない。漁船もない。誰もあそこへ行きたがらない。」
「なぜだ?」
老人は息を吐いた。
「始原島は呪われた場所だからだ。嵐。海の魔物。未知のダンジョン。誰もが迷い込む魔力の霧。あそこから戻ってきた者はいない。」
彼は真剣な表情でレイヴナを見つめた。
「あそこへ行くべきじゃない。私の言うことを信じろ。」
レイヴナは朔継を見た。
朔継はうなずいた。
「それでも行くつもりだ。」
老人は彼ら全員を見つめた。
「……お前たちは正気じゃないな。」
「よく言われる。」
老人は首を振った。
「一人だけいる。年老いた船長だ。かつて始原島について話していたことがある。お前たちを連れて行くかもしれない唯一の人物だ。」
「どこで会える?」
「桟橋の突き当たりの船員酒場だ。あそこに一人で座って酒を飲んでいることが多い。だが——」
老人は真剣な表情で彼らを見つめた。
「——奴は簡単に話す相手じゃない。そして正当な報酬なしにはどこにも行かない。」
朔継はうなずいた。
「話してみよう。」
彼らはギルドを後にした。
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【次章 第27章 — 「誰も行きたがらない海」へ続く】
朔継は桟橋の突き当たりにある船員酒場の前に立っていた。
店内では、白く長い髭を蓄えた老人が一人でテーブルに座り、目の前の空のグラスを見つめている。
年老いた船長。
始原島を知る唯一の人物。
朔継は扉を開けた。
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【第27章へ続く……】




