責め立てる声
くぁwせdrftgyふじこlp;@:(謝罪機能故障中)
6月に入って暑い日が続く。
夏バテ対策に食事に梅干しのおにぎりをセレクトしたり
こまめな水分補給を心掛けたり。
水の飲み過ぎは逆に良くないとはいうものの、
警備業で外立ちの仕事をしているとどうしたってがぶ飲みしたくなる。
そういう意味で2ℓボトルのペットボトルドリンクはマストアイテムだ。
贅沢を言えばキンキンに冷えたのをゴクゴクいきたいものだけど
確実に腹を壊すので仕方なく常温の物をセレクト。
スポーツドリンクは糖分の取り過ぎの懸念からパス。
ウーロン茶はトイレが近くなるのでトイレに行けない現場だとパス。
まぁ、ここマイキさんは1時間ごとに店内巡回もしているので
その時にトイレを借りられるだけましだ。
塩分対策で最近は塩飴やら塩タブレットが人気。
だけどあれ、食べ過ぎると高血圧の人には結構な致命傷になる。
「■■、■■!!」
暑い夏、セクシーの夏。
沢山のセクシーで溢れる血圧急上昇なこの季節は
高血圧な人にとっては生きるだけで命懸けの夏、ともいえる。
今日も今日とて俺はマイキー・オルテで警備のお仕事だ。
ここ最近嫌な夢にうなされてちょっと寝不足だったりするが
プライベートはお客様には関係ない。
今日も笑顔でご挨拶。
「■■、■■■■■■■!■■■!」
脳裏にノイズが走る。
疼く様なチリッとした痛みと身体に纏わりつく妙な感触を振り払いながら
気分を入れ替える様に深く深呼吸。
さ、仕事仕事。
「いらっしゃいませこんにちは~、お車にお気をつけてお進みくださ~い」
◆
ぐちゃ、ぐちゃ…べちゃり
ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゃ………
薄暗い闇の中。
足元に転がる大量の白い塊。
首の折れた白いハトが、大地を埋め尽くさんばかりに散らばっている。
見上げれば薄闇、見下ろせばハトの死骸。
叫ぼうにも声は出ない。
歩けばハトの死骸をなぜか避けられずに踏み抜いてしまう。
足に伝わる不快な感触。
靴、靴は履いている。
それでも生々しい肉の感触は靴底を貫く様に足裏に伝わる。
死だ。
ここには死しかない。
右も左も前も後ろも、全て、全て、全て!
歩みを止めたくても足は勝手に進んでいく。
何処へ?
分からない。
分からなくとも進むたびに足はハトの死骸を踏み抜き、
否応なく俺に「死」を、「殺した罪」を突き付けてくる。
殺した罪、罪、罪、罪、罪、罪!
そう、罪だ!
俺は罪を犯した。
深い、重い罪を犯した。
数多の命を奪い生きる罪人でありながら
それだけに飽き足らず、罪を重ねた!
尊い命を奪った!
己のエゴで、エゴで?
分からない。
罪を犯した?犯させられた?
頭に走るチクリとした痛み。
考えようとする意志を妨げる様に、足元のハトたちが口を開く。
それはどこかで聞いた誰かの声で。
何処かの誰かが吐き出す怨嗟が、心を、身体を蝕んでいく。
「お前は騙されているのだ」
「■■は餌なんだから!」
「悪魔は改心などしない」
「餌」
「人間失格」
「クズが!騙されているとも知らずに天に牙をむくとは!」
「ダメ人間」「ほんとお前使えねえな」
「人間なんて所詮は餌」
「騙されるほうが悪い」「この■殺しっ!」
「恥を知れ」「なんでアンタ、生きてるの?」
「先輩って最低ですね」「貴方の顔見るだけで吐き気がします」
「悪いけど存在自体、無理」「同じ空気吸ってると思うだけで吐くわぁ」
「仕事する気ないならさっさと辞めてくれんかな」「自分が必要な人間だと思ってるの?」
「豚は豚らしく飼い殺されればいいのにな」「その不細工な顔こっち向けんな」「太り過ぎだろお前」「なんだお前相撲取りかなんかか?」「はぁ?鏡見てから物言えば?」「臭いんだよおっさん!加齢臭まき散らすんじゃねえ!」「警備員なんて人間の底辺だろ?話しかけないでくれるか」「お前みたいな友達はいねぇよ」「うっわ、脂ついた、キモッ」「あはっ、豚が棒振ってるよ」「うちの子に触らないでくれますか?」「生きてる価値なくない?」「最低のクズ」「さっさと死ねばいい」「死ねよ」「死ね」「死ねば?」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」「死ね!」
「■■■っ!たの■■ら■■■■■ぇ…っ!
俺■…■は…■■で■■■ん■■■っ…」
言葉が言葉にならない。
何かが喉に絡みつく様に、胸を抉る様に、邪魔をする。
責め立てる声、罪を問う声、怨嗟の声
それらの合唱はただひたすらに「死」を謳う。
言葉はそのまま圧となって降り注ぎ、逃げ惑う俺を飲み込んでいく。
「■■■■■■■■…♪」
「死」に押しつぶされそうな俺の前に、
どこからか黒い靄が蛇の如く這い寄ると、足元から逃がさぬとばかりに俺を縛り上げる。
喉元まで這いあがってきたその靄は、そっと囁く。
「どうせ■■は『餌』としての価値しかないんだから、そうでしょ?
ねぇ、『親失格』の、■・■♪…………ふふふふふ♪」
靄の囁きと共に薄闇の世界がガラガラと崩れ始め、
全てが闇に飲まれていく。
逃げようにもまとわりついた靄が身体を束縛し動きもままならず
空が、大地が、罅割れ崩れ
俺の身体もボロボロと塵の様に崩
俺は
■レ…
…
◆
「~~~~~~~~~~~~~!!!」
声にならない悲鳴をあげ、飛び起きる。
身体が重い。
体中から気持ち悪い汗が噴き出して、意味もなく泣きそうになる。
ゼえゼえと息は切れ、まるで深い水の底に潜っていたかのように
頭の中がチリチリする。
酸欠から来る激しい頭痛の痛み。
睡眠時無呼吸症候群持ちの身としては比較的慣れた痛みではあるが
それでも今日はいつにもまして酷い痛みだ。
身体に纏わりつく様な重み。
頭の中にノイズが走る。
重し付きの拘束具で頭を締め付けるような酸欠性の頭痛とは違う、
脳が焼けるようなチリチリする痛みを伴うそれは
ここ最近…と言っても何時からかが曖昧だが急に起きる様になった不快な痛み。
…………本格的に病気を疑いたくなるな。
べたつく身体を流そうとシャワーを浴びる。
冷たい水を出したら悲鳴が聞こえたような気がした。
ここ数日こんな事ばかりだ。
頭がうまく回らない。
どこか現実感が無い日常。
白くもやがかかったかのように、全てが曖昧で。
だけど現実なのは確かだという実感だけがある。
不快で不愉快で落ち着かない。
何か大事なものを失くしてしまったような、見失っているような、
そんな焦燥感が沸き上がるのに、気が付くと感情がフラットに戻っている。
胸に溢れるのは、意味の分からない罪の意識。
何にこんなに罪悪感を抱いているのか?
自分の身に何が起きているのか?
わからない。
ただ、左目の熱さが時折妙に気になるくらいで。
さっきも嫌な夢を見たような気がするんだけどなぁ。
さっぱり内容が思い出せない。
まぁ、夢なんてそんなもんだって言うけれど
それにしたってなぁ?という気にはなる。
冷水で頭を冷やしても、霞むような意識の感覚はそのまま。
起きているのか寝ているのか?
起きているはずなのにどうにも認識が曖昧だ。
なんとも気持ちが悪いこの状況で俺に出来る事は……
「まだ7時じゃんか、寝よう…」
寝るくらい、だ。
◆
「うぅ…やっぱり、パパに認識してもらえない…」
布団の中に潜ってしまったパパを見つめながら、
わたしは深い後悔の念に苛まれる。
布団越しにもこの目に映る、パパから溢れ出す膨大な瘴気と
その魂に絡みつく「言の葉の呪詛」
天使を撃退したあの日、わたしが意図せずにパパにかけてしまった呪い。
意図せずに掛けたが故に解く方法が自分でも分からない、
という間抜けな状況もそうだけど……
それ以来、パパは「壊れて」しまった。
わたしは悪魔だから、パパはあくまでただの「餌」
………だから、これは別に普通の事、よくある事。
それなのに
何でわたしはこんなに悲しいんだろう。
何で、こんなに後悔しているんだろう……………?
この感情が、わたしは理解できない。
この後悔が、わたしは受け入れられない。
わたしは……
次はパパがお馬鹿になっちゃったせいでほのかがどれだけ悲しい思いをしたかのお話しだよ!
パパがこれ通報案件だよなぁ、って嘆いてたけどそんなことほのかは知らないもん!




