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はるまげ☆どーたー  作者: 葵・悠陽
グリモワール第1巻
19/33

断章・ほのか日記(5月31日)

5月31日(木)曇り



日記を見返したらご飯の事ばかり書いてあることにショックを受けた。


か、完全に餌付けされてなくない?わたし。

パパを夢中にするどころかパパのご飯に骨抜きにされてるっ!?


このままだとパパのお嫁さんになるどころか、

パパをお嫁さんにしちゃう流れだよ…!

案外パパはそっちの方が喜びそうだから悩むっ。


ちなみに今日のご飯はひつまぶしというやつだった。

鰻のお茶漬け?とかいうやつ。

これがまた美味しくて…ハッ!?

またご飯の話になってる……。

気を抜くとついご飯の事を思い出しちゃってダメだぁ。

パパは「日記には楽しかったことを書けばいいんだよ」って

言ってたから間違ってはないんだろうけど、

これじゃ食いしん坊みたいでいやだよぅ。


ええと、別の話題。


そうそう、パパに誰かに見られてるみたいだって話したんだ。


「ほのかを誘拐でもするつもりなのかな?

変な大人についていっちゃだめだぞ?

……って言っても、無理やり攫うってパターンもあるのか。

うーん、防犯ベル持たせとくかぁ」


って、なんかわたしが誘拐されるのかって勘違いされたけど

そういうのじゃなくて私達を監視してるような感じ、

何となく魔法の気配があるんだって伝えたの。


「………天使、って事か。

もう目をつけられた?

何か目立つようなことは…って、千場駅での一件か?

いや、それだけ監視網がきっちり張り巡らされてたって事か?」


むぅ、と呻ってパパは考え込む。


わたしとしてはパパが天使相手にどうするのかが気になるところだ。

パパは所詮は人間だ。

天使はたかが下級天使でも翼生やして空も飛べるし武器の具現化もする。

この時代の、特に日本は武器の携帯なんてしないって話だし

そんなもの持ち歩けばお巡りさんが飛んで来るって言う。


そうなると、パパを護りながらわたしが天使と戦うってことで、

相手の数によっては今のわたしじゃ結構辛いかもしれない。

数人ならまとめて灰にできるけど、そう何度も連発出来ないし

何よりパパを巻き込まないようにするとそうそう強力な炎は出せない。


本音を言えば戦うなんて面倒だから天使には無視してほしいんだよね。

わたしはパパと楽しく暮らせればそれでいい。

パパをじっくり誘惑して、ずっとずっと一緒に楽しく暮らすんだ。

その邪魔をしないなら天使なんて別に相手にしたくないんだよ。


でも喧嘩売られたら買わないと気が済まないし、

わたしはともかくパパに手を出すつもりなら生かしておくわけにもいかない。

パパに手を出す奴は天使でも悪魔でも許さないんだから!

パパは私だけのものだもん。


……いっそ、パパが天使を殺してくれればいいんだけどな。

そうしたらパパの魂はきっと今以上に美味しい『カルマ』を…

ウフフ、想像したら涎がたれそうになっちゃった。


わたしが強くなるには『カルマ』を吸わないといけない。

カルマ』を吸うためには『カルマ』を抱えてる人から吸わないといけない。

そして『カルマ』を抱えてる人は罪人や悪人がほとんど。

腐ったどぶ川の水よりも不味いはずの『カルマ』の放つ瘴気が、

何故かパパのそれは蜜のように甘くて、脳が痺れるくらいに刺激的。

時々漏れ出す「それ」を啜らせてもらっているだけで

腰が砕けそうなくらいに気持ち良くなってしまう。


これがオセが『受肉』にこだわった理由だと考えるなら実に納得がいく。


パパの『カルマ』を味わっちゃったらとてもじゃないけれど

他のまっずい瘴気なんて吸いたくもない。


うーん、もうちょっと力が増せばパパに加護をつけられるんだけど。

加護の件はパパには内緒なの。

驚かせたいしね?

不味くても我慢して他の人の瘴気吸うのがいいのかなぁ?


………監視されてるとするならやめた方がいいかも。


無害な親子だよー、って油断させた方が絶対にいいよね。


「そうだなぁ、基本はその方針で行きたいよな」


パパも同じ考えみたい。

それだけじゃなくて、


「ところでほのか、天使ってどのくらい強いんだ?

人間で勝ち目はあるのか?」


とちょっとやる気な声。

パパ素敵だよっ!

ほのかの想いが通じてるねっ!


という訳で戦う気のあるっぽいパパに知る限りの天使の戦力については伝えた。


天使の軍団は主として9つの位階に分かれてるんだよ。

上から、

上位三隊 「父」

熾天使してんし  セラフィム

智天使ちてんし  ケルヴィム

座天使ざてんし  ソロネ


中位三隊 「子」

主天使しゅてんし  ドミニオン

力天使りきてんし  ヴァーチャー

能天使のうてんし  パワー


下位三隊 「聖霊」

権天使けんてんし  プリンシパリティ

大天使だいてんし  アークエンジェル

天使てんし  エンジェル


これらを「天軍九隊」、もしくは「九歌隊」って呼んでる。

人間が普通にやり合って勝てるのは下位三隊くらいかな。

大天使以上は理力っていう天使の魔法を使うから、

まともにやり合ったらまず勝ち目はないんだよ。

空飛ばれて上から光の槍でも延々投げられて終わり。


身体能力自体は大したことないけど、

飛べることと理力を使えることは人間と比べて大きなアドバンテージかな。

理力は上の階級程無茶苦茶な力を使うから、

上位天使には人間じゃ絶対に勝ち目がないと思う。


「………うーん、ソレって銃火器でもどうにもならないのか?」


そうパパが聞いてくるので参考に今の時代の銃火器を

もばいるで見せてもらったんだけど。


えっと、対物ライフル?とかいうのなら

上級天使相手にも普通に通用するんじゃないかな?って思った。


っていうかナニコレ、今の時代こんなに武器がおかしな威力になってるの!?

魔法障壁とか意味なくない!?

お巡りさんの持ってるというぴすとるという銃ですら、

普通に中級天使の障壁くらい破るんじゃないだろうか。

わたしの起きてた時代の銃だと下級天使くらいにしか効かなかったから

銃なんて舐めてたんだけど…威力上がり過ぎだよぅ!


わたしが唖然として動画というのを見ているのを見て、

パパがぽつりと呟いた。


「………オセがほのかを欲しがったのは、現代戦への対処の為か。

不死鳥の再生能力を…」


なるほど、この時代に長くいるらしいあの食わせ者の事だ。

パパの言う通りわたしの力をこういったトンデモ兵器への対応に

使うつもりだったに違いない!


次に会ったらまた燃やしてやらないと!



大雑把な戦力の説明と、現代兵器との威力比較をした結果、

パパから色んな対応案が出た。

わたしが今使える力とか、連中の行動のパターンとか、

そういうのを元にして基礎的な戦術案をいくつか教われた。


「……ねぇ、パパ?

今更なんだけど何でこんなにポコポコ案が出てくるの?」


戦いの素人のはずのパパから出てくる随分と生々しい作戦案に、

どうしても納得がいかない。

机上の空論とかではなく、ものすごく実践的な案ばかりだったし。

あ、内容は秘密。

内緒でこれを読んでる誰かがいるかもしれないし。


ちなみにパパの答えはこうだった。


「案を出すだけならそうは難しくないぞ?

俺よりえげつない事考える連中なんて、物書きの中にはたくさんいるし。

問題は実際にその場面に出くわした時に、期待通りに動けるか。

そっちの方が問題だよ」


正にその通りだと思う。


で、パパはそんな風に謙遜しながら絶対に躊躇わずに動く。

だってわたしのパパだし。


次は11日です。

次の断章で1章の断章は終わり~

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