異世界人と書いてチート持ちと読む
「転移者ってのは。
俺たちが住むこの世界とは、また別の世界の住人だった連中のことだ。
俺たちからみた異世界人ってわけだ」
リンにしてみれば、初めてきく存在だ。
ちらり、と特定班、スネーク、配信者をみる。
特定班とスネークは別に驚いてる様子はない。
配信者だけが、困惑してリンを見ていた。
どうやら配信者にとっても、初めてきく存在らしい。
「転移者は、なんらかの理由によりこちら側へ転移してきた存在だ。
厄介なのは、チートと呼ばれる能力が備わってる可能性が高いんだ。
そして、善意か利己的な理由で世界を引っ掻き回す」
そこで考察厨は言葉を切り、リンへきいた。
「なにか質問は??」
「いろいろあるけど。
その人?人たち??が魔族側についてるとして、それが現状にどう関わってくるのか、繋がってくるのかわからない。
世界を引っ掻き回すって、そんな簡単に出来るとも思えないし」
「世界を引っ掻き回すことが、いい方向に行けばいいが、まぁ、大抵は良かれと思って地獄を作り出す。
そう、たとえば、無能組織から
『この世界のスキル持ち達は、無能達を迫害してる』
とか
『紋章持ちは特権階級で、好き放題して一般人を困らせてる』
って言って、信じ込ませられれば、向こうの味方をする。
んで、
『魔族はそんな迫害されてる自分たちに協力してくれていて、平等で平和な世界をつくるために頑張っているんだ』
とか説明されて、この世界の本来の情報を制限すればコロッと落ちる。
即落ちするはずだ」
そこで配信者が口を挟んだ。
「そう、上手くいくかね??
情報を制限たって限度があるだろ」
「だから、リンにも使われた洗脳魔法が役に立つ。
自分たちの言葉を信じ込ませるには充分だ。
なにせ、リンの無効化すら効かない魔法を作り上げてる。
つまり、チート持ちでイレギュラーな存在である転移者、これである程度は操れるはずだ。
操れなくても、自分たちのことを正義側と信じ込ませるくらいはできると思う」
「転移だのなんだの荒唐無稽だろ。
そんな都合よく転移者を仲間に引き込めるもんなのか??」
配信者は質問を続けた。
「転移の方法はいくつかあるんだ。
ワームホールっていう世界に空いた穴に落ちた場合。
そして、意図的に召喚された場合だ。
たぶん、後者の方法でこっち側に来させられた連中が、関わってると思う」
そこで考察厨は配信者から、特定班とスネークへ視線を移す。
「リンにカチコミさせて、それに乗っかるんだから、そろそろ本気出して動いてもらっていいか?」
特定班とスネークは楽しそうに首を縦に振ってみせた。
「あとは、邪神だなぁ。
たぶんこいつも、転移に関わってると思うんだ。
つーか、黒幕の可能性高い気がする。
封印されてる魔王についても気になるが」
リンが再び口を挟む。
「なんでここで邪神??」
「神様のフリして、転移者を騙すにはうってつけだから」
リンにはよくわからなかったが、そういうものらしい。
ひとまず、打ち合わせは終わった。
しばらくは、特定班とスネークからの調査報告待ちになる。
アーサーへの報告に関して、リンが考察厨へ確認したところ、
「お前の好きにすればいい」
と言われてしまった。
数日後。
色々考えた上で、謹慎が明けると同時にリンはアーサーに話すことにした。




