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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第三章 騎士編
70/310

Ep:70 返信

 ダギル中尉が報告書を王都に送ってから早十五日。今日も外は雨が降っている。


「いつになったら団長からの返事が来るのやら…」


ダギル中尉はそう呟く。その時、支部の建物の前に、馬車が止まる音が聞こえた。ダギル中尉と同じ場に居た僕とエル、そしてヒネーテ上等兵は、建物の玄関に向かった。扉を開けると、そこには配達員の人がが立って居た。


「エルは何か拭く物を、ヒネーテは暖かい茶を持って来てくれ。ライトはここに残れ」


ダギルさんとエル達のやり取りを見届けてから、配達員の人は口を開く。


「お待たせしました。返事を頂くのに時間が掛かったのと、連日の雨の所為で遅れてしまいました…」


「こちらこそ、ご苦労様です。この雨です、少し休んで行って下さい」


そう言ってダギル中尉は配達員の人を上げる。それと殆ど同時に戻って来たエルから、タオルを受け取って配達員の人に渡す。配達員の人はタオルで手を拭き、少し体を拭ってから書簡を取り出した。


「こちらです」


ダギル中尉が受け取った書簡には、しっかりと銀鷲騎士団の紋章が描かれていた。


「何か頼む事があるかも知れません。それまで休んでいて下さい」


配達員の人は体をある程度拭き、その場を通りかかった他の騎士に客室へと送ってもらった。


「行くぞ」


ダギル中尉は僕とエルに言う。そして、僕達はダギル中尉の執務室へと入った。ダギル中尉は椅子に座り、書簡を開く。


「読むぞ…」


そう言ってダギル中尉は、アードラー団長からの返信を声に出して読み始めた。


『ライト二等兵及びエル二等兵が出会ったと言うフードの二人組についての返答。報告書に書かれていたフードの男二人組、以下男達が身に着けていたコートの特徴と似た物を身に着けている者達が、最近王都でも多々目撃されている。その処理が、返答の遅くなった原因の一つでもある。その男達が放った()()()()と言う言葉が妙に気になる。更に、王都ではお前達が出発する少し前、王立リッター騎士養成学園の魔術教師、グラマー=ミシオネルが何者かに殺害されていた』


「え…!?」


エルが呟く。


「良いか?続けるぞ」


「は、はい…」


『お前達の同期でもあるブルート=フランメに聞いたところ、グラマー=ミシオネルにお前達の事を調べるよう頼んでいたそうだ。そう思い至るきっかけとなったのは、魔力適正を調べる水晶をお前達が使った時、水晶玉が赤黒く染まり弾け飛んだ事だとも言っていた。以上の事から、グラマー=ミシオネルが殺害された理由は、お前達を狙う何者かを知ってしまったからでは無いかと考えている。その後から、お前達に関わりのある場所にその男達が現れている。以上が私個人の見解である』


グラマー先生が…


「ブルートがそんな事を頼んでたなんて…」


「ちょっと待て、まだ何か書いてある」


『追記。今すぐにという訳では無いが、状況次第ではお前達を王都に呼び出す可能性がある。いつそれが来ても問題の無いように準備しておけ。健闘を祈る』


「これで終わりだ…」


ダギル中尉は少しの間黙る。


「こちらはこちら、あちらはあちらで調査を進めていく。俺や団長が動いているのは、お前達の為だけでは無い。万が一の場合、この国の人間全てが危機に瀕する可能性がある。そうなる前に、俺達は出来る事をやるだけだ。良いな!?」


「はッ!」


僕とエルは、ダギル中尉に敬礼した。

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