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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第三章 騎士編
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Ep:65 着任

 ヴィルの街に着任してから一週間が経った。特に大きな出来事も無く、僕達は平和に過ごしていた。


「ライト、荷物運び手伝ってくれ」


「は~い!」


仕事と言えるのは、街の困っている人を助けたり、街の至る所に居る酔っぱらいを取り締まるくらい。僕は渡された書類を資料室に運んでいた。


「そんな所で寝るのは止めて下さい!」


外からエルの声がする。窓の外を見ると、エルが騎士団支部の目の前で寝ている二人組の男の人に注意していた。


「煩いな!そんあの俺達の勝手らろ!ひっく…!」


「ほら!呂律が回ってないじゃないですか!」


「分かったよ…!行こうぜ…!」


「チッ!」


男の人達はエルに悪態を付きながらも、その場から離れて行った。


「ライト、どうした?」


「あ、いえ、何でも無いです」


「なら良いけど。というより、ライトが来てからもう一週間も経ったんだね…」


「早いですね」


「君を運ぶ途中の野営地でヘルハウンドの群れに襲われたのは驚いたけど、あの時は助けてくれて有り難うね」


資料室に入って、書類を片しながらヒネーテ上等兵に言われる。


「そんな事もありましたね」


「一ヶ月くらいしか経ってないのに、大人っぽくなったね…」


「アハハ…」


僕も資料棚に持っていた書類を置いて、資料室を出る。


「じゃあ、訓練があるから。手伝ってくれて有り難うね」


そう言ってヒネーテ上等兵は、去って行った。


「どうしよう…」


これと言って仕事がない所為で、この後の予定が無い。巡回も兼ねて散歩でもしようかな…?そう思って支部の外へ出る。エルが掃除した後だから、道に何も落ちてない。


「エル。掃除終わった?」


「もうちょっとで終わるよ。何で?」


「巡回も兼ねて散歩でも行こうかなって…」


「分かった。ちょっと待ってて」


そう言ってエルは箒を持って、小走りに建物の中に入って行き、少しして戻って来た。


「良いよ。行こう」


僕はエルと一緒に街の中を歩く。王都でも色々あったけど、ここでも色々あったな…


 暫く歩いていると、焼け焦げた屋敷の前に着いた。建物は半壊状態で、窓ガラスは割れて、とても人が住める状態ではない。


「ここ、クレイ家の屋敷の跡だよね…」


エルが僕に言う。


「うん…あそこの窓から飛び降りたの、よく覚えてる」


あれ…?誰だろう。焼け焦げた建物の中に、誰かが動いてる。


「ねぇ、あれ誰?」


僕は指を差してエルに聞く。


「行く…?」


エルの呟きを、僕は聞き逃さなかった。僕は小さく頷き、屋敷の敷地内に入って行く。


「誰!?」


僕とエルは同時に言う。その言葉に振り返ったのは、二人の男の人だった。男の人だとは分かったけど、二人共フードを被っていて、顏は良く見えない。


「何だ…!」


「子供…?いや、銀鷲の騎士か…!」


「面倒だ、始末するぞ」


男の人達はそう言うなり、僕達に向けて剣を抜いた。

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