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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第二章 学校編
59/310

Ep:59 開会

 四日経って今日は叙任式の日。僕達は王宮の近くの叙任式会場に馬車で向かっていた。


「時が流れるのは早いもんだな。もう一週間経っちまったぜ。ほんと、色々と…」


そこでブルートさんの言葉が止まる。今日はレーラール先生は居ない。その所為で僕達の会話は途切れる。少しの沈黙を挿んで、もう一度ブルートさんが口を開く。


「悪いな、二人共。仕事で会う事があれば、また会おうな」


「うん。また会えると良いね」


僕はエルの顔を見てから、ブルートさんの顔をしっかり見て言う。


「叙任式、ちゃんとやろうな」


ブルートさんがそう言った直ぐ後会場に到着し、僕達は馬車を降りた。


「じゃあ俺の方はあっちだから。じゃあな、ライト、エル!」


「じゃあね!」


「またね!」


僕達はそう言って別れた。ブルートさんと離れるのはやっぱり寂しい。産まれて初めてできた友達との別れる。それはエルも同だと思う。


「じゃあ行こうか」


僕はエルに言ってから、銀鷲騎士団の集合地点に向かう。そこに居た銀鷲騎士団長アードラー=スィルヴァさんが、僕とエルに気付いて振り返る。


「来たか。こっちだ」


そう言われ、スィルヴァさんに付いて行く。


「少しの間本部に居候したお前達が、この短期間で騎士に成り上がるとはな。驚きだ」


言葉とは裏腹に、表情を変えずに淡々と話す。


「お前達はこの先の会場の舞台袖で待機しててくれ、良いな?」


「はい」


僕とエルは同時に返事をして、言われた通りに待機する。暫く待っていると、もう一度スィルヴァさんが来た。


「お前達はここから見て手前側の一番前の二席に座ってくれ。お前達の為に用意された席だ。陛下に感謝するんだな」


忙しい所為なのか、スィルヴァさんは汗で少し額に張り付いた茶色い髪を拭う。


「もうすぐ叙任式が始まる。早く準備しろ」


「は、はい…!」


スィルヴァさんに急かされ、慌てて言われた席に座る。振り返ると、スィルヴァさんはもう居なくなっていた。


------------------------------------


 三桁は行きそうな大人数の騎士候補達を見回しながら、僕とエルは叙任式が始まるのを待った。


「色んな人が居るね」


エルが小声で僕に言う。確かに色んな人が居る。僕達と同じくらいの人や、がたいの良いおじさんまで沢山。


「静粛に」


突然声がして、舞台に居る僕達やそれを見守る観客が静かになる。


「これより本年の各騎士団合同叙任式を執り行う」


一拍置いて、司会の人は続ける。


「我らがストゥール王国の国王陛下、ファイント=ケーニヒ王の御成りである!」


その瞬間、割れんばかりの拍手が響いた。それと同時に、舞台の真ん中に銀の長髪の男の人、王様が瞬間移動してくる。


「新たな騎士の諸君。そなたらの門出を祝おう」


王様の言葉に静まり返った会場にいる全ての人が耳を傾ける。


「騎士団の門を自ら叩き、己が運命を我が国に捧ぐ者に敬意を示そう。そして、感謝しよう」


王様の言葉を、僕達も静かに聞いていた。

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