Ep:53 選択
王様は言う。
「さて、どちらの団を選ぶ?好きに決めるが良い」
僕達三人は顔を見合わせる。僕は出来れば皆で同じ団に入りたい。
「選ぶったって…」
ブルートさんは呟く。
「やはり悩むか…就学してから、まだ半年も経って居ないからな。双方の団の事もあまり詳しくは無いだろう。レーラールよ、説明できるか?」
「勿論です」
そう言ってレーラール先生は僕達の前に出て、振り返る。
「王都で活躍している騎士団は主に三つ。王都の防衛に長ける黄金獅子騎士団、治安維持を主とする銀鷲騎士団。そして、国王陛下の近衛騎士団である、碧竜騎士団だ」
竜…ドラゴン…教本に載っていた最強の魔獣…
「君達が誘われているのは、その内の黄金獅子騎士団と銀鷲騎士団――」
「そんな事は分かってるよ!そうじゃ無くて…」
そう言ってブルートさんは僕を見る。
「お前らは多分、良く知ってる銀鷲騎士団に入るだろう…でも俺は、俺のやりたい事の為に黄金獅子騎士団に入りたいんだ…」
確かに、僕達が良く知ってるのは銀鷲騎士団の方だ…しかも、ブルートさんが騎士を目指した理由を考えれば、黄金獅子騎士団を選ぶ事も理に適っている。
「まぁ良い、時間は沢山ある。後日改めて返答を聞くとしよう」
王様は僕達の様子を見て言う。
「承知しました」
レーラール先生が王様に返事をして、僕達は王宮から出る。入り口で待っていた御者の人からコートを貰い馬車まで戻り、そのまま学校に戻った。
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学校に着いた頃には既に日が暮れていて、大通りも明かりに満ちていた。
「はぁ…まだゴブリンと戦ってから半日も経ってないと思うと、ほんと時間の流れが遅く感じるぜ…」
ブルートさんは部屋に着くなり溜め息交じりに言う。
「確かにね。僕もまだ…」
「あぁ、ゴブリンが大量に…ってああ!」
突然ブルートさんが大声を出す。
「そういやルージュ!アイツの事忘れてた!」
「ルージュさんがどうしたの?」
「ほら、悲鳴上げてゴブリンに囲まれてた奴が居たんだけど、それがルージュだったんだよ。で、説教じみた事したら拗ねてどっか行って、それから何してんだか」
少しの間、僕とブルートさんは沈黙する。
「取り敢えず、明後日の授業の時に確認するか」
「そうだね」
そう言って僕達は早々にベッドに入り、眠りについた。




