Ep:52 報酬
僕達は、学校が用意した馬車に乗って王宮に向かう。大した距離は無いけれど、王都は広いから徒歩じゃ時間が掛かる。
「まだ15年しか生きて無い人生の中で、まさか王宮に呼び出される事になるなんてな…」
二人掛けの椅子が対面している狭い馬車の中で、ブルートさんは呟く。
「まぁ、ゴブリンロードの討伐に協力したからね。それに、一人であの量のシャーマンを倒せるのも、相当な戦闘力だよ」
「それよりよ、アンタはさっきまでどこに居たんだ?部屋に戻るまで全く見なかったからよ」
「……皆を避難させていたんだ。その後は、状況の説明とかの書類を職員室で書いてたから、君達とは会わなかったんだと思うよ」
「そんなもんか…」
その後は特に話す事も無く、只ひたすら雨の音が響く馬車に揺られて王宮まで向かった。
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王宮に着くと、まずは御者の人が降りて、馬車の扉を開ける。
「こちらをどうぞ」
そして、僕達に雨具を渡してくれる。防雨の付呪が付いたフード付きのコート。皆でそれを羽織って馬車を降りた。前にも見た王宮の入り口。
「これが王宮…遠くから見るのとは比べものにならねぇ…」
そう呟くブルートさんの奥で、レーラール先生が門番の騎士の人に紹介状を見せている。
「さぁ、入るよ」
レーラール先生の声に、上を見上げて呆然としていたブルートさんが気付き慌てて中に入る。雨に濡れない所まで入って、防雨のコートを脱ぐ。それを御者の人に渡して、僕達は赤い絨毯の上を奥へと進んだ。
「これ、全部大理石か…?」
「そうだね。この建物の内装殆どが大理石でできてるよ」
白い石、大理石でできた柱や壁をブルートさんは見回す。更に進んで、一段と天井が高い所まで着く。目の前の絨毯の先の数段高い場所に、豪華な椅子が置かれている。それに、銀の長髪の男の人、王様が座っていた。
「良くぞ来た。ライト、エル、そしてブルートよ。レーラールも御苦労」
「恐縮です」
僕達四人は王様に跪く。
「頭を上げろ。さて、本題に入ろう。この場に呼ばれた理由は分かるな?」
「はい、先刻のゴブリン襲撃の件ですね?」
「いかにも、そなたらの活躍は耳にしている。特に、ライトとブルート、そなたらには褒美を与えたいと思う」
あまりの事にブルートさんは口を半開きにして王様を見上げる。
「そなたらには黄金獅子騎士団、及び銀鷲騎士団に二等兵として入団してもらう!」
「ちょ、ちょっと待ってくれ…!下さい…それって、二つの騎士団を兼ねろって事ですか!?」
「落ち着け。最後まで話を聞いてからでも遅くは無い。兼ねる訳では無い。そなた自ら、どちらの団に所属するか選んでもらう」
ブルートさんは口を開けて喉の奥から息を漏らすけど、もはや言葉にすらなっていなかった。




