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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第二章 学校編
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Ep:51 招集

 僕達は取り敢えずの事後処理を終えて、寮の部屋に戻った。特にする事も無く、外も雨が降り出したから、昨日までの授業の復習をエルと二人でしていた。


「お前ら、ようやく一息つけるってのに、よく勉強なんてしてられるな」


ブルートさんが僕達に向かって言う。


「少しでも早く普通の生活をしたいから、こういう勉強は大事なんだ」


「そんなもんかね…」


ブルートさんの言葉に、エルも頷く。


「そういや、前から聞きたかったんだがよ、お前らってここに来る前は何してたんだ?」


ブルートさんの突然の質問に思わず言葉が詰まってしまう。


「ほらよ、普通の生活がしたいって…何か不味い事でも聞いちまったのか、俺…?」


別に、ブルートさんが悪い訳じゃ無い。見た目だけで僕達を忌み子として牢屋に居れた町の人や、僕達を買って捕まえようとしたリテユスの方が何倍も悪いから…


「悪ぃ…言いたくないなら良い…」


「……ううん…話すよ。ブルートからだけ昔の事を聞く訳にもいかないから。良いよね、エル…?」


「うん…」


僕は、僕とエルが忌み子として牢屋に入れられ、奴隷に出された事や、リテユスに捕まりそうになった事、この学校に入るまで経緯をブルートさんに話した。その間、ブルートさんは必要以上に口を挿まず、真剣に聞いてくれた。


「…そんな事があったんだな…全部理解できるとも言わないが、辛かったんだな…」


ブルートさんは、普段の雰囲気に似合わず、俯いて細々と言う。


「この力の所為で、英雄教、もしくはそれに関連するところに狙われてる。今日のゴブリンも、僕達を狙ったものだった…」


僕達の部屋は、外の雑音が聞こえるほどに静かになった。その時、廊下を誰かが走る音が聞こえた。


「何だ?何か急いでるみたいだが…」


ブルートさんが言う。確かに途轍もなく慌ててる様な足音だ…その足音は僕達の部屋の前まで来て止まった。強めのノックの音がする。次の瞬間、部屋の扉が開け放たれた。


「ライト君!ブルート!大変だ!」


そこに居たのはレーラール先生だった。


「何だよいきなり…教師のくせに廊下を走りやがって」


ブルートさんは早々に悪態をつく。


「そんな事言ってられないよ!王宮から二人に呼び出しが!」


「ええ!?」


僕達三人は異口同音で声を上げて驚く。


「おい、聞き間違いじゃ無いよな…」


「聞き間違いじゃ無いよ!早く準備して!」


レーラール先生は逸る気持ちを抑える様に身振り手振りを大仰にする。


「ちょちょ、ちょっと待て!何でその通告が学校にじゃ無くてアンタに何だ!?」


ブルートさんはレーラール先生の持つ封筒を指差しながら言う。確かにその宛名は、学校名じゃ無くてレーラール先生になってる。


「あぁ、僕はこれでもヴァロノス家の男爵だからね。言って無かったっけ?」


ブルートさんは、レーラール先生がまさかの貴族だった事に驚き、あんぐりと口を開けて唖然としていた。


「兎に角!急いで王宮に出発するよ!」


レーラール先生はそう言って、扉を閉めようとする。


「あ、あの…!私は…?」


エルが小さく手を上げて言う。


「ついて来て!」


エルはその言葉に笑った。

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