Ep:40 小鬼
「ゴブリンについて何か分かる人は居るかい?」
レーラール先生は教室の生徒に聞く。だけど、皆隣の人と顔を見合わせるばっかりで、誰も手を上げない…
「そうだよね…王都じゃまるで出ないから…」
「そういう事なら知ってるぜ…」
ブルートさんは手を上げて言う。
「ゴブリンは集団で行動する。単独で動く事は殆ど無い。王都じゃ出ないんじゃ無くて、たとえ出ても騎士がすぐに駆除するから、殆ど見ないんだよ」
「うん、確かに合っている。むしろ僕の言葉の間違いを指摘して来るとは…」
レーラール先生は少し諦めた様な顔で言う。
「じゃあ、ゴブリンには複数の種類が居るのは知っているかい?」
教室中がざわつく。
「種類とは言っても、動物の様なものじゃ無い。ゴブリンの中には脅威度が高い種類が存在する」
「これの事だな?」
そう言ってブルートさんは教本をレーラール先生に見せる。
「そう、まずは狼などの中型動物に乗ったゴブリンライダー。これは単純に移動速度が速く、狼自体攻撃させる事もある」
僕はブルートさんの開いている頁を見て、自分の教本を捲る。
「次に騎士や冒険者などから鎧や剣を奪い取り身に着けた強化種、ゴブリンナイトだ。これは装備の性能にもよるけど、逆に考えれば装備を奪い取れる程の強さがある。普通のゴブリンより手強いと考えた方が良い」
レーラール先生の話を聞きながら、教本の文章を読んでいく。確かに強そうだ…その下にはそれらのゴブリンを想像で描いた絵が印刷されている。
「更にそれらのゴブリンを指揮するゴブリン、ゴブリンジェネラル。その名の通り将軍で、ゴブリン達を指揮している。体も大きくて屈強だし、勿論力も強い。今まで話してきた中では最も強い」
教本には、大きな剣を持った屈強なゴブリンが描かれてる。
「他にも細かい種類は有るけど、これで最後にしようか。基本的にゴブリンの群れにはジェネラル以上の種類は居ない。もしもジェネラル以上のゴブリンが居る群れがあれば、それにはゴブリンの王、ゴブリンロードが居ると考えて相違無い」
ゴブリンの王…絵にも強そうなゴブリンが描かれてる…
「ゴブリンロードは魔法が使える上に、一部のゴブリンに魔法を教える事も出来る。それがどれ程の脅威になるか、流石に分かるよね…」
教室中が静まり返る。今まで侮っていたゴブリンの脅威を思い知ったからだと思う。
「少し怖がらせちゃったかな…?大丈夫だよ、王都にはあまりゴブリンは現れないから。さ、今日の授業はまだあるから、少し休憩してまた教室で」
レーラール先生がそう言うと、緊張が解けたのか、皆続々と教室を出て行った。




