Ep:39 教本
「黄金獅子ってのは、上級騎士団の内の一つの事だ。黄金獅子騎士団の他にも、銀鷲騎士団とか――」
「それなら知ってる。昨日まで本部の寮に泊まってたから」
僕の隣でエルも頷く。
「それ本当か!?お前ら何者なんだ…?」
ブルートさんは少し俯いて溜め息を吐く。
「あ!忘れてた!それ冷めちまっただろ!?」
ブルートさんはエルの持ってる料理を見ながら言う。
「ライト、急いで飯取って来るぞ!」
僕はブルートさんに引っ張られながらご飯を受け取るカウンターに向かう。暫く並んで、ご飯を受け取ると、話してた所為なのか、それなりに空き始めていた。
「ちッ…!さっきまで混み具合は何だったんだよ…」
溜め息を吐きながら席に座る。僕はブルートさんの隣に、エルは僕とブルートさんに向き合う形で前に座る。
「さてと…エル、ちょっとそれ貸せ」
ブルートさんはエルの料理を指差しながら言う。
「う、うん…」
エルはそれをブルートさんに渡した。すると、ブルートさんは器に魔力を流し始めた。
「よし、これで良いか」
そう言ってエルに料理を返す。さっきまで無かった湯気が上がってる。ブルートさんはそれを確認すると食べ始めた。
僕とエルも食べ始める。
「あっくぅ…!」
エルは口に含んだスプーンを急いで出す。口をパクパクさせながら湯気を吐き出す。
「ちょっと温め過ぎたか。悪い、少し冷ましながら食ってくれ」
そう言いながらブルートさんは食べ進める。
「ハハハッ!」
僕は思わず笑いだしてしまった。
「どうした?」
「いや、エルが面白くて…!」
僕がそう言うと、エルは栗鼠みたいに頬を膨らませて怒る。
「アハハハッ!」
僕は更に笑った。
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ルージュさんに会ってから数週間が経った。毎日剣術の訓練や、この国の歴史やモンスターの事を勉強してる。
今日もモンスターを学ぶ。
「今日はゴブリンについて学んでもらう」
レーラール先生が言うと、教室中がざわつく。すると、僕の前でブルートさんが手を上げて言った。
「今更ゴブリンについてなんて意味ねぇだろ?」
「そんな事は無いよ。ゴブリンは皆が想像するよりもっと恐ろしい物なんだ」
そう言うレーラール先生を見るブルートさんからは、隠しているつもりでも怒りの感情が感じ取れる。
「キッ…!」
ブルートさんは言葉にならない声を漏らす。
「さて、それじゃあ教本の52頁を開いて」
レーラール先生が言うと、僕を含めた生徒が教本を開いた。




