Ep:38 食堂
その日は特に何もなく、学校での初めての夜を迎える。自分の机に物を置いてからは特にする事も無くて、ベッドの下段で寝てるだけだった。
「ライト、そろそろ食堂行こうぜ」
突然上から声がする。ベッドから食み出して上を見ると、ブルートさんが上段から覗いていた。
「食堂…?」
「飯だよ飯。食わないのか?結構旨いぞ」
「行く」
僕はそう言いながらベッドを降りる。同時にブルートさんが梯子で降りて来る。明るいランプを消して、窓からの月明かりだけにする。僕とブルートさんは食堂に向かった。
------------------------------------
食堂に着くと、良い匂いが漂って来た。中は沢山の人でごった返していた。自分の分の料理を持って席を探している人が何人も居る。その中に見覚えのある人が居た。
「エル!」
「あ、おい待てよ!」
僕はエルに駆け寄る。
「あ、ライト…」
「お、おい…ちょっとくらい待てよ…!ってあれ…?」
後ろから追い付いて来たブルートさんがエルに気付く。
「よぉ。あれだ、エルだっけ?」
エルは頷く。
「食わねぇのか?」
ブルートさんはエルの持っている料理を見ながら言う。
「席が…空いて無いから…」
「じゃあ僕達と一緒に食べようよ。席は探すとして…」
「うん、良いよ…」
その時、僕の視線の先で丁度席が空いた。
「あ!あそこ開いたよ!」
僕達は人混みを掻き分けてその席に向かう。ブルートさんが前に出て、その席に座ろうとした瞬間、横から何人かが割り込んで来て、ブルートさんを押し出した。
「痛った…!?誰だ!?」
ブルートさんが振り返る。その視線の先には真っ赤な髪の女の人が居た。
「げっ!ルージュ!」
「残念だったわね、この席は私達が取ったわよ。他を当たりなさい」
ルージュと呼ばれた女の人は、すました顔で一緒に座った人とご飯を食べ始めた。
「ちッ…!他に行こうぜ…」
ブルートさんはそう言って僕の横を通って行く。僕とエルもその後を追った。
「さっきの誰…?」
エルがブルートさんに聞く。
「アイツはルージュだ。ほら、今朝も教室に居ただろ?」
「今朝?」
教室に居たって事は、同じクラスなのかな…?
「どこかの貴族の令嬢って事を何かと鼻にかけて来るんだよ」
「貴族…」
エルが呟く。多分リテユスの事を思い浮かべてるんだ…
「他の二人はフロントとリアで、黄金獅子の騎士の家の奴らだ。どうせこの学校にも騎士の繋がりで入学したんだろ」
僕は今の言葉の中に聞きなれない言葉を見つけた。
「黄金獅子?」




